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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 伝説の女剣士のやり直し 錆びついた剣と言われても愛で研ぎ澄ますのみ!

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第49話 やはりまだ魔物の群れが! 中途半端な封印で結婚式なんて挙げていられない

「ストップストップ、このあたり、おかしいぞ!」


 以前に通った荒野、しかし違和感を感じ、

 馬車を止めて降りる……すでに夕方、暗くなり始めている。

 ちなみに少し間、ダンジュ君を挟んだ隣りはロズリからヨランに交代した。


「ラスロ、普通の荒れ地に見えるが」

「いやヨラン、ここにこんなに、不自然に意思が転がってはいなかった」

「……確かに草の上に石が乗っかっているが、強風では」「いや、確かに引きずられたような跡はあるが、これは……」


 ここで俺は剣を抜き、

 草の上に乗っている石を一刀両断する!


「何を! 剣が刃こぼれするぞ」

「いや、良く見ろ、これは……魔物だ」

「ふむ、確かに断面を見ると黒いゼリー状のものが出てきたな」


 ヨランも真似して近くに丸い石を斬り始めた。


「気を付けろ、素肌にあたると浸食される」

「解かされるのか?!」

「いや、じわじわ石にされる、こいつらは『ストーンスライム』という連中だ」


 まわりの仲間が斬られても動かない。


「ではぁ、焼いてしまいますねぇ」

「いやネリィ、こいつらは魔法防御力がやたら高く無理だ、

 その持っている杖で突いた方がまだマシなレベル、いいか素手で触れるなよ」


 いつのまにか馬車内のみんなも、

 わらわら出てきた……ロズリも剣を抜いて構える。


「斬れば良いのですね?」

「ああ、コイツらは人の気配が無い時と夜になると動き始める、

 寝ている者につっくいて石にし、その石を浸食したり仲間にしたりする」


 魔界でも対処が大変だったな。

 アリナが僧侶の杖でコツンと叩いている。


「十二年前には見ない魔物ですが、

 その詳しい情報はどこで聞いたのかしら?」

「あっ、え、ええっと、お喋りな魔物が居てな、ぺらぺらと、あは、あはははは」


 ザクザクとストーンスライムを斬る俺、

 ヨランもラズリも続く、アサシンのナタリは毒針を投げるがさすがに刺さらないな。


「ナタリ、剣は無いのか」「あります、ではこのカタナで」

「ラスロ、私もエルフ剣を持って来ているわ」「そんなものがあったのか、エミリ」

「十二年前、王都のエルフから貰ったじゃないの」「あっ、エルフを超えた記念とか言ってたな」


 大切に取っておいたのか?

 いや、城に置いてあったのを十二年ぶりに持って来たって線が。


「剣の無い私達は」「アリナとミオスはもしストーンスライムに誰か触れたら治療してくれ、

 強い治癒魔法か浄化魔法で間に合うはずだ、まだ動かないと思うがダンジュくんや馬にも気を付けてやってくれ」

「「はいっっ!!」」「ネリィとハミィは今のうちに雑草とか焼いてくれ、中に隠れているかも」「「はいっっ!!」


 こうして日が完全に沈む前に、

 ストーンスライムが動き始める前に駆除する俺たちだった、

 ダンジュくんも剣を持って馬の周囲を探しているな。


(それにしても、気が付いて良かった……)


 こんなものが集落まで到達していたらと思うとゾッとする、

 はやり帰りのルートを変更して大正解だったな、と同時に、

 まだまだあの封印じゃ安心できない……結婚式とかやって、浮かれている場合では、無い。


「ラスロ、どうした」

「ヨランか、いや今、考えていたんだが……やはり結婚式は時期尚早だと思う、こんなのがうろついている、またはうろつく可能性があるうちは」

「封印が中途半端では、ということか」「ああ、だからこれから王都へ戻っても、盛大な式とかいうのは断ろうと思う」


 あたりの石を払いながら考え込むヨラン。


「ふむ、では身内だけで、とりあえず父上と母上だけ呼ぶか」

「えっ、ヨランの?!」「そうだが」「いや、ヨランの話?!」「えっ」「えっ」「えっ」

 

 ……俺はミオス達との結婚式の話をしていたつもりなのだが、

 陛下が言っていたのは間違いなく新ハーレムとの結婚式のはずだし。


「とにかく、それも含めて個別に話をしよう」

「私はラスロへと戻る、いや、もう戻ったのだが」

「……解決してから話をするというのは」「大丈夫だ、何の問題も無い」


 ストーンスライムを斬り割り続ける俺たち、

 かなり広範囲に狩ってそろそろ済んだか、という所で日が完全に沈んだ、

 これで大丈夫とは思うが……周囲を綺麗に焼き終わった中心へ馬車を移動させる。


「よし、魔法組の四人は完全な夜になったら定期的に証明魔法で確認してくれ、

 丸い石が近づいてきてたらまだ残っていたストーンスライムだ、朝まで交代で出来るか?」

「ラスロ、それなら魔法結界を」「だと集落を目指して進んでしまうかも知れない」「わかったわ」


 こうして今夜は、

 この場所で一晩を明かす事になったのだった。


(……その間に、個別で話とか、できるかな……??)


「ラスロサマァ」「そうしたネリィ」

「割ったストーンスライムって、焼いたら食べれますカァ?」

「やめておけ、泥の味がする」「……はっ! 食べた事がおアリで?!」「ま、まあな」


 俺じゃないけど!!!

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