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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 伝説の女剣士のやり直し 錆びついた剣と言われても愛で研ぎ澄ますのみ!

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第45話 いよいよ近づく魔界との出入り口 しかし上空に思わぬ魔物の群れが!

「おお、ここまで来ると俺が歩いてきた記憶がある」


 山を越えて荒れ地を進むと、

 ようやく見覚えのある場所に出てきた、

 となると俺が出てきた、無理矢理こじ開けて作った魔界ゲートも、もうすぐだ。


(ということで、馬車の運転は俺がしている)


 両隣りにはアリナとハミィだ、

 開けてはいるが悪路である事に変わりはなく、

 所々に地割れや大きな石が転がっていたりする、いやこれ岩か、そして……


「ラスロ、ワイバーンの群れよ!」

「えっ、本当か?! さすがにそれはまずいぞ」

「叔母さまーー!!」「エミリ、ミオス、出てきてちょうだい!!」


 俺が馬車を止めると魔法使い組の四人が弓使いエミリを迎え、

 エミリも馬車から大きな弓を出す、いやそれ本当に使うの?

 だなんて出発前には聞いてしまったが、実際に使う時が来るとは。


「じゃあみんな、いくわよ」

「「「「はいっっっっ」」」」


 エミリが大弓を引くと、

 その背中にアリナとミオスが手をつけ、

 更にそのふたりの背中にネリィとハミィが手をつける。


(魔力が……四人の魔力が集まって、光の矢が弓に現れた!!)


 そして上空のワイバーンに向けて……引いた!!

 真っ直ぐに一番低いワイバーンに向かって行き……

 あっ、貫いた! そして落下、と見ている間に二本目の光の矢が!


「うお、今度は二匹貫いた!!」

「まだまだ行きます、今度は矢を二本に、出来ますねエミリ?」

「はいアリナ様、四本まで大丈夫です!!」


 懐かしい、

 ここ一番の大きい魔物相手の作戦、

 グレートサイクロプスの巨大目玉をこれで射抜いたのを思い出すな。


(当時と何も変わらない、いやむしろ矢の魔力が増してないか?!)


 おそらくこれも新ハーレムのおかげか。

 次々と撃ち落としているがさすがに相手も魔物、

 いくつかはこちらへ襲ってきて、いくつかは逃げようと離れる。


「行かせませんよ!」


 そう言ってまず遠くへ行こうとするワイバーンを狙い撃ちしたのち、

 即座に近づいてきたワイバーンを連射で倒す、矢の出現も早くなってきている、

 そうこうしているうちに周囲に護られていたボスのワイバーンが姿を現す、ふたまわりは大きいな。


(同じく降りてきた剣士組&アサシンも見上げている)


「あれはダークネスワイバーンだな」

「ヨラン、あれだけでかいのが来たということは」

「ああ、魔界との出入り口が相当、開いたということだろう」


 あっ、光の矢が四本刺さった!

 さすがエミリ、ああいう敵は見つけて即攻撃、

 ボス戦は周囲の敵を倒してからというセオリーもあるが、エミリは真っ先に狙うタイプだ。


(上手くいけばヘッドショットで一発だからね)


 そして更に三本の矢が刺さる、

 一本は周囲のワイバーンが身を挺してかばったな、

 とはいえすぐに第三弾の矢が四本刺さって……さすがにふらふら降下してきた!


「よし、我々の出番だな」「いえ、私が」


 ヨランがロズリを連れて走ろうとすると、

 それより先にアサシンのナタリが駆けて行った、

 手に持っている剣は、あれはひょっとして伝説の……!!


(うお、ダークネスワイバーンが苦しみながらも黒い炎を吐いてきた!)


 しかしそれを掻い潜って、

 丁度、地面に落下する瞬間、

 鞘を抜いて姿を見せた剣は、そう、アサシン御用達の……カタナだ!!


「ふんっ!!」


 素早く斬ると、

 ワイバーンの首が分離される!

 そして前を向いたまま飛び上がって避ける……ズッシーンと巨体が落ちる地響き。


(その間に、残りのワイバーンも全て撃ち落としたみたいだ)


 いやあ凄いなこのチーム、

 俺や剣士組が出番なかったくらいだ。

 そして真っ先に俺の所へ駆け寄ってきたのは……!!


「ラスロサマァ、魔力回復をヲヲヲ」

「うお、懐かしいな、って昔より重いぞ!」


 一目散に俺の胸元へ抱きついてきたネリィ!

 顔を埋めてスリスリ、クンカクンカしていやがる、

 いやほんと十二年前より重量感が増したというか……


「叔母さん、その年齢でそれは痛々しいですよ」

「ラスロサマしか見えていまセェン! ラスロサマァ!!」

「……ほどほどにしてくれ、とりあえずワイバーン全部、ちゃんと息絶えてるか確認しないと」


 それにしても五十匹くらいは居たな、

 これはさすがに急いだ方が良さそうだ、

 場合によっては魔界の中へ入る事になるかも……!!


「ラスロ、それはそうと」

「ラスロ様、私達、やりました!」

「あっ、アリナもミオスも、みんなもありがとう」


 後で馬車で、

 ちゃんと個別に褒めてやらないとな。

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