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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 伝説の女剣士のやり直し 錆びついた剣と言われても愛で研ぎ澄ますのみ!

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第43話 食事の最中にさっさとお風呂 しかしハーレムメンバーはさっさと済ませてやってきた!

「ほんっとに整備されているな、この風呂……」


 もちろん全てがピカピカという訳ではないが、

 天然の洞くつ風呂と考えればまずまずと言えるし、

 集落からかなり離れているこの場所を考えれば上出来だ。


(ゆっくり浸かりたいが、あんまり入っているとみんな来ちゃいそうだ)


 新旧ハーレムの八人が食事の最中に、

 さっさと、ちゃちゃっとお風呂を済ませて安全に出よう、

 俺のリーダー命令として、しっかり食事を採っているはずだから、そんなにすぐに来たりは……


「ラスロ! 背中を流しに来たわ」

「ラスロ様、お手伝いに参りまいた!」

「ちょ、速過ぎるだろう、お前たち夕食は!!」


 正妻組が来た!

 まだ入浴どころか、

 身体すら洗いはじめていないぞ?!


「五分で食べ終わりました!」

「私は四分五十一秒で」「そんなの競う事?!」

「きちんと採ってきましたよ」「リーダー命令通り、お腹いっぱいです!」


 いやいや、そういや聖女って小食なんだっけ、

 アリナが十二年前にそんなこと言っていたよな、

 だからってちょびっと食べてもう大丈夫って嘘つかれるのは良くない。


「本当にきちんと食べたのか?!」

「もちろんです、足りなければ夜食もいただきますが」

「ご命令通りにしっかりと、他の皆さんに確認しても構いませんよ!」


 そう言ってタオルを持って手を伸ばしてくる、

 ふたりがかりで……確かに入浴前にさあ身体をってタイミングだけど!

 きちんと石鹸も用意されているな、これは元からあったやつでは無さそうだ。


「なんでそんなに必死なんだよ……」

「ラスロのためですよ、全てはラスロのために」

「私達、決めたんです、ラスロ様のために協力すると」


 両腕両足をまくった状態の正妻ふたり、

 まあ全裸にバスローブとかで乱入して来てないだけマシか。


「協力って」

「ふたりで変に競い合えば、ラスロは逃げてしまいます」

「でも私達ふたり、もしくはふたつのハーレムが一緒になれば!」


 ……つまり、数で逃がさないってことか。

 と思っていると、またふたり入ってきちゃった!!

 今度は剣士組か。


「ラスロ、食事を済ませて来た、風呂の世話をさせてくれ」

「さあラスロ様、剣を研ぐようにラスロ様のお身体も洗わせて下さい」

「ふたりは食う量も多かっただろう」「急いだのは否定しないが腹は膨れた」「御心配なく、早食いは騎士団の必須項目です」


 あー、それも十二年前にヨランから聞いたな。


「って、これだと四人掛かりで洗う事に」

「では右腕はアリナ、右足は私で行こう」

「ロズリ、左足をお願い、私は左腕で」「はい」「って勝手に分担しないで!」


 今度は四人で囲まれた!

 うん、逃げ場は無いなこれ、

 一応は命令を守って来た四人に再度、自分の都合良くリーダー命令で止めるのは気が引ける。


「ラスロ、食器を片づけてきたわ」

「ラスロ様、アサシン式先体を是非」

「うっわ、六人に増えた!」「ふふ、ますます逃げられませんね」


 笑顔のアリナ、

 遠距離攻撃組まで来たかぁ、

 って両手両足がすでに決められているんですが、誰が洗うか。


「エミリ、ラスロの胸を頼む」「はいヨラン」

「ナタリさん、ラスロ様の首をお願い致しますね」「はいミオス」

「その、なんだ、お手柔らかに頼むよ」


 もうこうなったら大の字に寝るかぁ、

 大切な部分はタオルで隠してだな……

 と観念すると上から覗いてきたのは、残る魔法使い組……!!


「ラスロサマァ、まるで生贄のようですねぇ、クスクス」

「なんだかもうあきらめの境地ですね、あっ、叔母と食器を洗ってきました」

「本当にみんな、完全に済ませてきたんだな」「協力ですゥ」「叔母と仕方なく協力してきました」


 そして合計八人で協力して俺を……


「……ゆっくり浸かりたいから、洗ったらちゃんと解放してくれよ」

「ええ、もちろん」「そのかわり、しっかり洗いますわ」

「ラスロ、そのあたりは任せてくれ」「騎士団でも先輩の身体はよく洗っていました」

「ふふ、抱きしめたいけど今は我慢してあげる」「アサシンといえど寝首はかきませんので」

「あぁ、ラスロサマラスロサマラスロラマァ」「叔母がデンジャラスな場所に触れないよう、姪として気を付けますね」


 こうして俺は観念して、

 新旧ハーレム八人掛かりで、

 全身ピカピカに洗って貰ったのだった。


(……俺のハーレムって、崩壊したんじゃなかったっけ)


 俺の理性が崩壊しなければ、

 とりあえずはまあ、良いか。

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