第41話 廃坑はすでに魔物の巣窟だった なんとか退治するがまだコンビネーションに不安が
「ふう、なんとか到着できたか」
ボロボロの小屋が目印、
かつで鉱山を掘ろうとして調査したものの、
大した事はないと放置された廃坑に到着した。
(一応は雨風が凌げて、水場は用意されているらしい)
あと超簡易なトイレも、
とはいえ前に訪れたのは八年前って打ち合わせで聞いたから、
どうなっているやら……と入口を見ると、木の門が壊されていた。
「ラスロ、これは」
「ああヨラン、朽ちたとか外れたとかではなく、攻撃によるものだな」
「ラスロ様、盗賊でしょうか」「ロズリ、アジトにするには周囲に何も無さ過ぎる」
まあ、だからあえてって考えもあるのだろうが、
山賊とかならもうちょっと輸送ルートを考えた場所に棲家を作るだろう、
もちろん自分たちで街を作るレベルの組織なら別だが、それにするには狭そうだ。
「ラスロ、中から魔物の気配が」
「本当かアリナ」「光魔法を放り込んでみましょう」
壊れた門の隙間に無詠唱で入って行く……
基本、追尾式の玉なので魔物であれは騒ぐはず、
もし山賊だったら……ほんのり気持ち良いだろうが、普通は光の玉で驚く。
(次々と玉が……光の縄にしないのは、複数居た場合に攻撃できるからだ)
……静かだな、
いや、居ないなら居ないで戻ってくるはずだ、
その場合はアリナが順番に消すはずで、もし中で消えていたらそれは……
『グガアアアァァァーーー!!!』
反応がきたあああ!!!
「来ます、次々と来ます!!」
「ミオス、わかるのか」「それはもう!!」
みんな門の前で構える、
うん、明らかに魔物の声が沢山こちらへ向かってきている、
しかもミオスの言う通り、この数は……大群だ!!
『『『『『ギャグァァァアアアァァァーーー!!!!!』』』』』
出て来たのはガーゴイル!
決して弱くは無いがそれ程、強い訳でもない、
だがそれが大群となるとやっかいだ、まずは前衛の形成!
「ヨラン、ロズリ、並ぶぞ!」「「はいっっ!!」」
「エミリとナタリは仕留めそこなったのを遠距離攻撃で!」「「はいっっ!!」
「ネリィとハミィは魔力を溜めて、敵が溢れるのが俺たちでおっつかなくなったらまとめて頼む!」「「はいっっ!!」
そして……
「ダンジュは馬を護れ、アリナとミオスは負傷者が出た時の対処、
そして本当にいざとなったら結界で皆を守ってくれ!!「「はいっっ!!」
うん、みんな良い返事だ!
「よし、そのくらい出て来るかわからないが、徹底的にやるぞ!!!」
「「「「「「「「「はいっっっっっっっっっ!!!!!!!!!」」」」」」」」」
……とまあ、徹底的に戦ったのだけれども……!!
一時間少々経って。
「……もう、敵は終わりか?!」
「そうですねぇ、姿が見える前に焼き尽くした敵がぁ、この群れのボスだったみたいですぅ」
というネリィの言葉で終了宣言、
静かになって、うん、落ち着いたようだ、
剣を仕舞うとヨランとロズリが言い合いを始めた。
「後輩よ、少し攻撃が偏っていたようだが」
「元婚約者のヨラン殿、ラスロ様の剣と当たりそうになっていましたが、あれは」
「おいおい、早速反省会か? 感情的にならず落ち着け」
そう、途中から多くなってきたからと、
俺に向かってくる敵の奪い合いをし始めた、
いや俺だって余裕で倒せるのに、これもアピール合戦か。
(一応、それぞれの方の敵も倒してはいたが……)
当然、側面に取りこぼしが出てきたため、
それを遠距離攻撃組のふたりがやっつけてくれていた、のだが。
「こちらの攻撃範囲まで毒針が流れてきたわ」
「大量に撃っているから、多少はね、人には当ててないけれど」
「余計なお世話をされると気が散るの」「このくらいで? 弓使いが?!」
この組み合わせでも喧嘩するかぁ、
エミリは心が広く、ナタリはアサシンって冷静沈着のイメージがあったんだが、
旧側室と新側室という立場がそうさせているのか……戦闘事態に問題は無さそうなのにな。
「叔母さん、ガーゴイルが出てきてからって話だったでしょう」
「敵の勢いが凄くてぇ、削るにはアレが手っ取り早いのですヨォ」
「反対側にも出入口があって逃げられたらどうするんですか」「だったら反対まで炎魔法をヲヲヲ」
まあ、それを言ったら目一杯の炎魔法で窒息させる手もあったが、
それをやると廃坑自体が駄目になる、中も調べておきたいし……
万が一、人間が捕らえられている可能性もゼロじゃなかったからね。
(って、三組が三組とも揉めてるなぁ)
ダンジュくんは馬の確認、偉いね!
そしてアリナとミオスは呆れ気味に口論を見つつ、
ふたりして光魔法を照明のように上へ放った!!
「「静かになさいっっ!!」」
ハモった聖者と賢者の声に、
みんな静かになる、ネリィはビクッてなってたな。
「正妻命令です、もういいでしょう」
「副リーダーのミオスとして命じます、ロズリ、ナタリ、ハミィ、落ち着きなさい」
あーあ、みんなシュンってなっちゃった。
(俺が怒る手間が省けたな)
そしてやって来たアリナとミオス。
「ラスロ、お疲れ様」
「さすがラスロ様、素晴らしい剣捌きでしたわ」
「あっうん、とりあえず、洞窟を、廃坑を換気しようか」
入った直後に見た黒焦げのガーゴイルは、
おそらく上位種なんだろうが詳しい種族の判別がつかないや。
「うーん、ラスロ、これはグレートガーゴイルね」
「ラスロ様、これはハイパーガーゴイルと思われます」
「この角の部分がグレートの特徴で」「いえ、この爪の形は」「どっちでもいいよ!!」
結果的に討伐できたものの、
またコンビネーションに不安の残る、
旧ハーレムと新ハーレムの面々であった。
(俺が……俺がしっかりしないと!!)
だってリーダーだもの
ラスロ。




