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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 伝説の女剣士のやり直し 錆びついた剣と言われても愛で研ぎ澄ますのみ!

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第40話 男と男の会話 第三者から見たこの現状をダンジュくんはどう語る?!

「お疲れ様、寝なくて良い?」

「はい、伝説の勇者様やその皆さんと動向できて、光栄です」


 真昼間、馬車内の一列目、

 僕の隣には唯一の部外者というか、

 王城から遣わされた騎士団員の男性、ダンジュくんが座っている。


(ちなみに運転はヨラン、補助はミオスとネリィだ)


 たまには男ふたりで語り合うのも良いよねっていう、

 ダンジュ『くん』とか言っているがそれは俺の年齢からしてであって、

 結構、良い年齢に見える、まあ格好良い騎士団員は年齢不詳な見た目が多いが。


「それで、あえて聞くけどこの現状、どう思う?」

「はい、十二年間も平和でいたので、魔物再出現をできるだけ国民に知られないうちに」

「そ、そうだよな、そっちも大切だけど、その、だな」


 俺のハーレムの話だなんて今更、言い難い。


「魔物の取りこぼしが無いと良いのですが」

「今はまだ村から離れているが、封印が広がって魔王クラスが出てきたら……」

「新たな魔界との通路が出来るのでしょうか」「まあ、そうだな」「それは阻止しませんと」


 真面目だなあ、

 だからこそ、第三者としてこの状況を、

 どう見ているか聞きたいのだが……あ、そうだ!


(それぞれを聞けば良いんだ)


 とりあえずは一番近いであろう……


「ダンジュくんはロズリと顔見知りだったな」

「はい、頼もしい後輩です、よく特訓につきあってあげました」

「ほう、どんな」「ヨラン様の伝説はご存じでしょうか」「伝説???」


 まあ確かに『伝説の女剣士』と呼ばれるような活躍はしてたっけ。


「なんでも十三方向から来た魔物を、一振りで斬って倒したと」

「えっ、そんなことあったっけ? ヨランなら、あっても不思議じゃないが」

「あったわよラスロ、周囲に十二匹、そして上空から一匹」「あっそうなんだ」


 アリナが言うのであれば間違いない、

 って会話に入ってきちゃったな、まあいいか。

 ダンジュくんも話を続ける。


「なので訓練で十三体の人形を一気に投げ入れて」

「それで斬れたのか?!」「なんと、最高で十七体を!」

「恥ずかしいからやめて……」「いやロズリ、それは誇れるぞ!」


 そして、ちょっと楽しそうだ。


「なるほど、ダンジュくんそれじゃあ、他のメンバーとは」

「ミオス様は王室に近い公爵家のお嬢様でしたので、警備などで顔見知り程度には」

「あっ、王宮魔道士見習いだっけ、だったハミィとは」「合同訓練で、よく」


 なるほどね、やっぱり現役組とは結びつきは強いか。


「ちなみにナタリとは、って暗部だったからあまり知らない?」

「いえ実は、妻はナタリの紹介でして」「へーーー」

「このあたりは色々と恥ずかしい話なので」「わかった、省略で」


 ていうかダンジュくん、

 新ハーレムとズブズブだった……?!


「ちなみにアリナとは」「お噂はかねがね」

「ヨランとは」「伝説の先輩として」「エミリは」

「エルフに唯一無敗の弓使い、という話は……ですからその」


 あっ、ちょっと言い辛そうだ。


「あまり知らないと?」

「いえその、失礼ながら、エルフに籠絡された、と聞いておりまして」

「事実よ、私は半年で落とされてしまった、今では悔いているわ」


 最後列で苦々しい顔をしている、

 そこまで後悔しなくても……て余計な事を聞いちゃったな。


「あとネリィは」「あらゆる意味で怖い、恐ろしい魔女だと」「うん、合ってる」


 十二年前も、

 暴走するとアリナ以外は止められなかった、

 そう、俺でさえも。


「叔母さんは抑えが効かないだけです、まったく」

「まあ、能力は本当に怖いくらい凄かったからね」

「そっちも制御が出来なかっただけでは、と姪としては思っています」


 うん、いっつもフルパワーなイメージだ。


「とまあダンジュくん、こんな感じの俺のハーレムなんだが」

「……なんというか、大変だとは思います」「だよね、わかるよね」

「自分は妻ひとりだけなのですが、同僚に十股がバレたのが居まして」


 凄いのが居たなこれまた。


「それで、どうなった?」

「バレて全員が集まって、泣かれたそうです」

「……それで済んだの?」「あとはご想像にお任せします」


 うーん、修羅場の別ケースを聞いてみたかったのに。


(同乗している俺のハーレムに、聞かせられないような内容かも知れない)


 だとしたら、後でこっそり二人きりのときに聞こう。


「わかったありがとう、よくわかったよ」

「いえ、あくまでも一介の騎士団員の話で、勇者様はまた別かと」

「一応確認しておくと、ダンジュくんって……中立?!」


 ……あっ、黙っちゃった。


「ラスロ、もういいでしょ」

「あっ、うん、アリナ、やめておくよ」

「……私はあくまでも王命で騎士団から派遣された身で」「うんわかった、ありがとう」


 でもまあ同じ男として、

 第三者からの目線が少し感じられて良かった、

 あとは俺がきちんと、俺自身で処理すべき話だからな。


(さて、今夜には廃坑に着けるかな……??)

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