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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 伝説の女剣士のやり直し 錆びついた剣と言われても愛で研ぎ澄ますのみ!

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第39話 いよいよ魔物が増えてきた て何を勝手に競い合っているのかと思いきや

「ラスロ、今度はコカトリスの大群よ!」

「おうアリナ、飛ばない鳥は足が速いと相場が決まっているからな」

「私の剣のが速い!」「ヨラン、張り切るのは良いが突っ込み過ぎるなよ」


 という俺はドリアードの群れを退治している、

 道行く先が森に覆われていて何事かと思いきや、

 一斉に襲ってきてネリィとハミィが慌てて焼いてくれた。


(とはいえ、そんなに燃えないんだよなぁ)


 中身は水分たっぷり、

 表皮も硬くて丈夫という事で、

 俺が剣で一生懸命捌いている、のだが……


「ラスロ様、危ない!」


 大き目のドリアードがクッソ硬そうな種を飛ばしてくる!

 それをロズリが『ラスロ剣』で弾いてくれた、あぶないあぶない。


「ありがとう、助かったよ」

「あの種は確か、人に寄生するのですよね?」

「そうだけど、地肌によっぽど喰い込まない限り大丈夫だ」


 しかも、その『よっぽど』があったとしても、

 アリナなら治癒魔法で速攻、治してくれるだろう、

 種をくり抜く時に激痛がするくらいで……それくらいは覚悟の上だ。


(なんだかんだ言っても、旧ハーレムには絶対的な信頼がある)


 と同時に今、護ってくれたロズリ、

 それだけじゃなくミオスも、ナタリも、ハミィも、

 新ハーレムも頼もしい部分が沢山ある、うん、経験を積めばもっと信頼が。


(結局、良いパーティーじゃないか)


 俺に対する絆だけでなく、

 それぞれ新旧ハーレム同士が、

 まさに一丸となって結束してくれれば……!!


「ラスロ、道の先からワーウルフの軍勢が」

「そんなのまで魔界から出てきたのか……やれるか?」

「もう少し近づけば弓で」「お任せくださぁい!!」「ネリィ?!」


 無詠唱で風魔法を放つと遠くで血しぶきが……

 一気に削ったな、それでも走ってくるのが奥からわらわらと。


「ウィンドウェーブ!!」


 今度はハミィが、って同じ魔法かな?

 その奥のワーウルフも倒されていく、凄い。

 あと取りこぼし的な敵もエミリが弓で、ナタリも素早く斬っては戻ってくる。


「……ふう、落ち着いたようだな」


 複数種の軍勢、いよいよ魔物が増えてきた、

 これは魔界ゲート封印を急ぐべきかも知れないが、

 かといってすれ違いになって村や人を襲う群れを逃す訳には行かない。


(あれ? みんなして何をやっているんだろ)


 魔物の死体を集めて埋めるなり焼くなりの準備なのはわかるが、

 それぞれ数をカウントしているような、なんだろ報告書でも出すのか?


「アリナ、数える必要はあるのか」「はい、もちろん!」

「ラスロ様、ラスロ様の数もお付けしましょうか」「えっ、何の?!」

「「倒した数です!!」」「そんな、ふたりして声を合わせなくても……あっ、そうか、そういうことか」


 ここで俺は、ようやく理解した。


(これ、それぞれが倒した数を、競っているな)


 個別戦なのかチーム戦なのかは知らないが、

 何を勝手に競い合っているのやら……俺の表情を見るふたり。


「ラスロ、気付いたかしら?」

「ラスロ様、ラスロ様の分も集計しますね」

「ちなみに個人で一位になると、どうなるんだ?」


 顔を見合わせるアリナとミオス。


「それは」「ラスロ様が一位の場合は、まだ決めていません!」


 じゃあ、俺以外のは決めてあるのか。


「聞かせて貰おうか、アリナが一位になったら?」

「帰り道、ずっとラスロの隣りよ!」「じゃあ二位は?」

「ラスロ様の反対側ですね!」「ミオス……そんなの決めていたのか」


 ワーウルフの死体の所でネリィとハミィが言い合っている。


「こっちのはワタシのですよぉ」

「叔母さん、どさくさにまぎれて私の魔でカウントしないで下さい」

「この切り口は、このネリィのですぅ」「この風魔法は私のですよっ!!」


 ……いや、良い感じに競い合った方が、って思ったりもしたよ?

 でも賭けの対象が俺ってどういうことよ、それで新旧ハーレムそれぞれ、

 一位と二位を独占して俺の両隣りを取りたいってことか、うーーーむ……


「ねえラスロ、もしラスロが一意になったらどうする?」

「ラスロ様のお気に入り、お好きなふたりを隣に座らせれば良いと思います!」

「いやいや、だったら俺ひとりで座るよ、ってそれだと二列目三列目が四人ずつか」


 まさに昨夜の状態だ。


「とにかくラスロ、これは私たちで勝手にやっている『遊び』だから気にしないで」

「ラスロ様、別に喧嘩とか、いがみ合っているとか、そういうのでは決してありませんから」

「そ、そうかなあ」「「はいっっ!!」」「……でも、あそこの魔法使いの叔母と姪は身体をぶつけ合っているのだが」


 あきれ顔になるアリナとミオス。


「止めてきますね」「注意して参りますわ」


 ……よし、さっさと魔物を倒して、

 魔界ゲートを封印してしまおう、俺も頑張って、な!


(終わって全員で倒した数を集計して『我々の勝利だ!』でいいや、もう)


 もちろん運転手のダンジュくんも含めてね!!

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