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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 伝説の女剣士のやり直し 錆びついた剣と言われても愛で研ぎ澄ますのみ!

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第32話 お風呂に忍び寄るヤンデレ魔女 そしてそれを護る影のアサシンはどっちもどっち?!

「良いお湯をいただきましたわ」

「お、おうアリナ、夕食はもう少しかかるらしいぞ」

「お湯を張り直して参りました、ラスロも是非」


 借りている大きな家、

 村の人達が料理をしているのを、

 地味にミオスやヨラン、ロズリにハミィが手伝っている。


(もてなされる側なんだけどな、村人も恐縮してら)


 うん、確かに今のうちに入れる者は入った方がいいな。


「では浸からせて貰うよ」

「どうぞごゆっくり、私は服の洗濯を」


 それにしても、あんな無茶をするとは……

『私だって細かい魔法は出来る、協力魔法も出来る』

 といった感じなんだろうけど、上手く協調に舵を切ってくれれば……


(それでも旧ハーレムを選ぶかどうかは、また別の話だが)


 うん、そこは風呂に入って考えよう、

 行ってみるとやはりそこそこ広い室内風呂、

 家族で入れるという感じか、本当に一家丸ごと引っ越したんだな。


「ふう、まずは身体を洗って、っと」


 それにしても、俺でも感じられる凄い魔力だったな、

 アリナ、ミオス、ハミィ、あとネリィもか、この四人が本気で、

 協力して防御結界を魔界との出入り口を防げば、永遠に解けないであろうとなれば……


(ミッション終了、お城で結婚式、かぁ)


 そうなると帰りの馬車で俺の争奪戦になるな、

 俺も俺で相手をどうするか色々と考えなければならなくなる、

 でも、子供が居る組の三人については、その家庭と本当に離縁できるのか……


(伝説の勇者というのであれば、国王が何でも許してしまいそうだが)


 ヨランなんかは俺と一緒に謝れと言う、

 俺って何か悪い事したっけ、という気持ちも無いでは無いが、

 それで元に戻せるのであればっていう考えになりつつも……いやいや。


(相手は絶対に怒っているだろうな)


 聞いた話だと普通に便利な嫁を発注して、

 普通に理想の便利な嫁が来て便利に使い続けた、

 それが十二年も経って急に『元に戻る』って逃げ出したんだから……


(最初に条件提示というか、問題ないかって確認をするくらいには親切な相手だ)


 貴族の政略結婚なんて女性側が、いや婿入りもあるか、

 位が上な側が極端に言えば好き勝手に出来る、それを受け入れたうえでだ、

 子供を四人も儲けて……うん、『一緒に謝って』と言いたくなる気持ちはわかる。


「さて、お湯加減はっと……」

(ぬる)ければ暖めさせていただきますがぁ」

「えっ、熱魔石で……ってネリィ?!」「お背中もお流しにきましたぁ!!」


 そんな、ほぼ下着姿で!!


「ちょっと、音も無く忍び寄ってきて!!」

「お声掛けはしまいたよ~、気付かれなかっただけかとぉ」

「だからって、気付いてないなら尚更」「一緒に入らせていただけますでしょうかぁ」


 ねっとりと迫ってくるネリィ、

 そうそう、このすり寄り方、地味に怖いんだよな、

 ってお風呂場じゃ逃げ場が……と思ったらネリィの首筋になにか刺さった!!


(これは……細長い。針?!)


「ううっ、急に眠気ガァ……」

「ラスロ様、大丈夫でしたか?!」

「おお、ナタリか助かった、ってナタリも?!」


 スケスケの網みたいな衣装だ。


「これはあくまでアサシンの装束ですよ」

「あっ、そうなんだ」

「はい、アサシンの色仕掛け専用装備です」


 なら納得……ん? んっ?!


「で、何しにここへ」

「着替えを御用意して持ってきたら、忍び入る影が見えたので」

「それでナタリも忍び入って来たのか」「そういうことです」「って、ちょ?!」


 ナタリまでも俺に迫ってきた!


「ということでラスロ様の身をお護りするために、

 私も一緒に入浴する許可をいただけませんでしょうか?」

「いやいや、ネリィと同じことをしようとしてるんじゃ」「あくまで防衛です」


 ネリィから俺を護るために、

 先に同じことをって、どっちもどっちじゃねえか!!


「ちょ、そのまま入ってこないで」「御守りするためです」

「だ、誰かっ!!」「……そぅはさせませぇん」「はっ!! ……急に、眠気……が」


 見るとネリィが起き上がっていて、

 無詠唱でおそらくスリープ系の魔法をかけたみたいだ。


「ナタリ、大丈夫か?!」

「そんな……私は、状態異常系魔法には、耐性が……」

「……寝ちゃった、とりあえず脱衣所に運ばないと……ネリィ?」「ZZZzzz……」


 こっちもこっちで力尽きたみたいだ。


(ほんっと、なーにやっているんだか)


 ともかく脱衣所にふたり並べて寝かせ、

 俺は風呂を堪能したのだった、っていま襲われたら逆にやばいな、

 そのときはこの二人を俺が護ってやるかぁ。


(って、また誰か来た!!)


「お食事の用意が……叔母さん?! あとナタリさんまで」

「ハミィ、これは入浴していた俺に忍び込んできたヤンデレと影だ」

「それは大変でしたね、とりあえず空き部屋に転がしておきましょう、あっロズリさーん!!」


 風邪ひかなきゃいいけど。

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