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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 伝説の女剣士のやり直し 錆びついた剣と言われても愛で研ぎ澄ますのみ!

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第29話 新ハーレムの有能アピール 旧ハーレムも対抗するがその結果は……!!

「ここが最後のキャンプ地か」


 湖のほとり、

 馬がガブガブと水を呑む中、

 男性騎士団員が野外で肉を焼いてくれている。


(昼食のサービスもあるのか)


 我々の分は一応、自前で用意はしてあるのだが、

 旧ハーレムのヨランと新ハーレムのロズリも騎士団を手伝う、

 更にエミリとナタリも……それはともかく、残りのハーレムはというと……


「ねえハミィ、この石碑の上に造ったら安定しそうじゃない?」

「そうですね、私とミオスさんで協力すれば……裏には何も描いてないみたいですし」

「ミオスで良いですってば」「そうねミオス」「では早速」「ちょっとふたりとも?!」


 と言いながら俺が行くと、

 湖近くの石碑で何かやっている、

 ちなみに『この湖は誰でも補給や釣りしてもいいよ』って内容が書かれている。


(大分かいつまんだな)


 実際、旧ハーレムのアリナとネリィが魔法で釣りを、

 かなり魚が獲れているいるみたいで騎士団員大喜び、まあ、それよりもだ。


「ラスロ様!」「あのラスロ様、私とミオスで」

「何をしようとしているの」「魔方陣を」「魔物除けを!!」

「ああ、造ってくれるのか」「はい、目的地の封印が成功したら無意味かも知れませんが」


 ミオスはそう言うが、

 俺たちが必ず封印できるとは限らないし、

 向かっている最中に予想外な所から魔物が来る可能性もゼロじゃない。


「良いけど、この石碑がそうなるのか?」

「そうとも言えますね」「許可はやはり、必要でしょうかぁ、あ、叔母さんが大物を釣ってる」

「おう、湖のヌシって釣っちゃ駄目らしいけどな、って……あっ、ダンジュくん!!」


 通りがかったので尋ねて、

 魚を焼いている騎士団員に確認して戻ってきてくれた、

 俺たちのやる事ならまあ文句は出ないだろう、という話らしい。


(許可は取ったというより、一応はひとこと入れたぞっと)


 よし、これで心置きなくやれるな。


「ではラスロ様、はじめさせていただきます」

「まずは石碑の裏に、魔力で魔方陣を、すらすらと……」


 ミオスとハミィの共同作業、

 ハミィが杖を向けると背中に手をあてたミオスが魔法を唱える……


「神のもたらしき聖なる光よ、この世の混沌を鎮めるべく、その命の(みなもと)を……」


 おお、光った! そして杖から出される光魔法が魔方陣を描きはじめて……


(うん、複雑なサークルだ)


 見事な幾何学模様が浮かび上がり、

 それがみるみるうちに立体化していって……


「我の心と、神の御心を接合せよ、破邪魔法、ホーリーサークル!!」


 石碑の上に浮かび上がって、

 くるくると複雑に回り始めた!!


「おお、感じる……物凄い魔力を!!」


 思わず俺も声を出すほどの代物だ、

 これは……下手するとこれだけで観光名所に出来るな、

 ではなくて、この湖全体が魔物から完璧に護られそうな魔力だ。


「ふう、今の精一杯は、こんな感じです」

「はい、ミオスさ……ミオスとの連携をもっともっと深めれば」

「ありがとうミオス、ハミィ、これならもし封印に失敗しても、このあたりは大丈夫そうだ」


 光の魔力を感じてか、

 爆釣していたふたりもやってきた。


「まあ、何かと思ったらラスロ、これで良いの?」

「ラスロサマァ、姪がご迷惑を……すぐにもっと良いのを作りますネェ」

「えっ、アリナ、ネリィ、一体何を」


 無詠唱で石碑の裏側に手をかざすふたり、

 念じはじめると先ほどのような複雑さまではないものの、

 立派な魔方陣が浮かび上がる、って物凄く焦る新ハーレムのふたり!


「いけません、土台に使っている石碑も立派な封印の一部です!」

「叔母さん、石碑の裏は綺麗に見えても、実は見えないだけで……あああ!!!」


 旧ハーレムふたりの結界魔方陣がくっきり光り輝いた瞬間……!!


 パッリィィィーーーンッ!!!


「浮いていた立体結界が、割れた?!」

「もう、デリケートな結界でしたから、あんなことをされては」

「叔母さん、空気を読んで下さい、これだと前の、私たちの方が強いですよ?」


 しかし俺の方を向く旧ハーレム、アリナとネリィ。


「さあ、私の無詠唱結界の方が信頼できるでしょう?」

「ネリィが正妻サマと共同制作した愛の結晶デスゥ……ウフッ」


 いや、その年齢でウフッて!


「……その、ミオス、ハミィ、なんだか済まない」

「良いですよ、これを基にしてまた造りましょう」

「叔母と共同制作になってしまうのはアレですが、より強固で強い結界になるのは間違いないので」


 そしてまたハミィの背に手をあて、

 呪文を唱えるミオス、同じように杖から光が……


「……神の大いなる慈悲により、今いちど、貴方の拠り所たる聖なる光を集め……」

「ラスロ、私のはそうそう壊れないから安心して」

「なにかくっつけようとしても、ネリィの愛の結晶には違いありませんカラァ……」


 雑音のような旧ハーレムの声にも負けず、

 新ハーレムはアリナとネリィの魔方陣を立体化させ、

 更に複雑な模様や形を絡ませて……石碑の上に浮かせた!!


「我々の光を、今ここに完璧に結ばん……グランドホーリーサークル!!」


 光ったーーー!!

 そしてまたクルクルクルクル回っている!


「ふう、シャクですが前より良いのが出来ました」

「仕方ないので叔母さんのをあくまで材料として、素材だけいただきました」

「うーーーん、あ、ミオスもハミィもありがとう、あとついでにアリナとネリィも」


 計らずとも、

 またもや合体魔法か……

 まあいいや、この感じで魔界の出入口(ゲート)も、封印させよう。


(もし成功したら、本格的に選ばないとな……ハーレムを)


 さて、お昼ご飯をみんなでいただこうっと。

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