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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 伝説の女剣士のやり直し 錆びついた剣と言われても愛で研ぎ澄ますのみ!

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第25話 魔物との遭遇 剣が錆びついた剣聖と真新しい剣の違いとは

「敵だ、魔物の群れだ、戦える者は起きて出てくれ!!」


 騎士団員であろう男性の声と同時に止まる馬車、

 覗くと道を照らす魔光灯に魔物の影が、どうやらゴブリンのようだ。


「……見ただけで十数匹は居るな」

「ラスロ、ということは」「ああ、見えない所に倍、いや三倍居てもおかしくない」

「でもラスロ様、逃げて行きそうですが」「ロズリ、逃げす訳には行かないんだ」


 俺はヨランと頷き合い、

 剣を手に表へ出ると遅れてロズリも。


「おらおらおらあああああ!!!」


 素早くゴブリンを斬る俺とロズリ!

 さすがに魔界からここまで来た一団だけあって、

 身体もでかければ素早く強い、が、俺の敵では無い。


(ここで大切なのは、一匹足りとも逃がさない事だ)


 ゴブリンは繁殖力が異常に強く、

 しかも親の戦闘の記憶を受け継いでいる節がある、

 だから取り逃がすと、その対人経験が子にも宿るようだ。


(なにより、逃がした場所が集落だったら目もあてられない)


 魔物に追いやられた廃村に住みつくのもゴブリンの習性だ、

 十二年前、そういう村をいくつも見たし、それどころかゴブリン独自の村まで出来ていた、

 まったくこいつらは一匹でも逃すと恐ろしい事になる、だから全滅が前提だ。


「ラスロ、道の外れはどうする」

「俺が行く、ヨランはこのまま……ロズリ、反対側も見てくれるか」

「しかし倒し損ねたゴブリンが」「それはわざとだ、逃げられない傷は負わせている!」


 そう、逃がさないで仕留めるには、

 かならずトドメを刺さなくてはいけない必要は無い、

 もちろん一般人に近寄らせない事は大事だが、馬車に残る騎士団員だけで十分処理してくれるだろう。


(後ろから来ている馬車も居るし)


 案の定、

 背後から矢が飛んできてゴブリンの首に刺さる!


「あれはエミリか」「ラスロ、前の暗闇にも集団が」「任せたヨラン、俺はあの森の方へ」

「ラスロ様、私も」「いや、俺の剣をラズリにあてる訳には行かない、別方向を頼む」


 馬車が通り過ぎるのを待って後ろからってゴブリンは居るはずだ、

 そっちの対処はラズリに任せよう、数もそんなには潜んでいないはず!


(……懐かしいな。ヨランとの前衛)


 大量の魔物を前に、

 百匹を超えようが俺とヨランで無双する戦闘……

 弓矢や魔法で対処しきれない群れに、ふたりでよく突っ込んでは死体の山を積み重ねた。


(不思議な事に、それだけ接近しても、俺とヨランは身体や剣がぶつかり合う事はなかった)


 息が合うどころの話ではない、

 あれはもはや一心同体と言って良い戦いぶりだった、

 互いに背中を預け合うとは、まさにああいう事なのだろう。


(十二年経って、まだあれができるかどうか……)


 などと考えながら茂みの中のゴブリンを倒す、

 うん、このあたりのはもう全滅させたようだ、

 道に戻るとヨランは別の大群と戦っていた、加勢……する間もなく終わった。


「……ふう、ラスロ、やはり私の剣は錆びついていたようだ」

「そうか? 普通に倒せていたようだが」「やはり切れがな……」


 十二年間、

 普通に侯爵夫人をやっていたのなら仕方が無い、

 剣を一度も取らなかったのなら尚更だ。


「ヨラン、いかに錆びついていようがヨランはヨランだ」

「そうか……錆びていても剣聖、というのであれば、私は……」

「おっと、アリナ達まで出てきたようだ、合流しよう」


 馬車に戻ると深手を負わせたゴブリンも、

 しっかりと息の根を止められている、あとは……


(あっ、遠くにロズリが)


 意外と挟み撃ちしようとしていたゴブリンが多かったようだ、

 動きは……やはりまだ戸惑いがあるのか硬いな、対人はあんなに鮮やかだったのに、

 真新しい剣はまだ経験が足りない感じのようだ、加勢に……と近づいた所で終ったようだ。


「ラスロ様、終わりました」

「うん、ありがとう、やはり経験が必要だね」

「大丈夫です、ラスロ様のお傍にいられれば、きっと」


 ……ヨランは勘を、本来の動きを取り戻すため、

 ラズリは対魔物の経験を、俺との連携も強くするため、

 これからまだまだ、一緒に戦って貰う事になりそうだ。


(さて、どうやって間を取り持とうか……)


 恋愛事は後回しにして。


「ラスロ」「ヨランどうした、わざわざここまで」

「……もう一度、ロズリと決闘がしたい」「今、ここでか?!」

「そうだ、そして一勝一敗になったら……」「ラスロ様、戻りましょう」


 ヨランをすかすロズリ。


「待て、逃げるのか!」

「もう決闘はしました、受ける理由がありません、そうですよねラスロ様」

「ま、まあな、みんなが待ってる、戻ろう」「そんな、ラスロ……」


 ……あっ、これヨラン、

 俺が味方にならなかった事にショックを受けているな、

 別にヨランの側についた訳ではなく、馬車が心配なだけなのだが。


(まさかヨラン、戻ってきたら本当に十二年前に戻れるとでも……?!)


 正直、どうするかまだ決めた訳でも無いのに。


「……ヨラン、ゴブリン退治を手伝ってくれてありがとう」「ラスロ!」

「ロズリも、ゴブリン退治を手伝ってくれてありがとう」「当然ですよラスロ様」

「さあ戻ろう、一応はアリナに魔物の気配が残っていないか、魔法で見て貰おうか」


 あっ、あとエミリにもお礼を言わないとな、弓矢でのアシストを。

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