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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第五章 新ハーレムと帰還 旧ハーレム、そして魔物ハーレムそれぞれの想いとは。

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第185話 カミラとの出会い なぜ俺が代わって回想したかというと

 グレナダ公爵家の俺の寝室、

 新旧魔物ハーレムが事実上の勢ぞろいをした中で、

 カミラが俺と出会った時の回想を始めたが、早々に俺が代わって話した。


(なぜだって? カミラ目線だと……すぐエロに走るからだよ!)


 まったく、危ない雰囲気になった所で、

 慌てて俺が割り込んで強引に話を、語りを続けた、

 まあみんな物わかりがいいから素直に最後まで聞いてくれて助かった。


「それでカミラさん、こちらでは平気なんですか?」

「ええミオスさん、ラスロの血を毎日、指先から少し貰えれば」

「毒を取り除くためだったのでは」「逆に私がこちらの空気で生きていくためよ」


 そう、立場逆転だ。


「そのあたりはきちんとするよ、居てくれる間は」

「あら、じゃあ血じゃない方を、だったら一回で十日は」

「だからそういう話題はやめてくれ、子供も居るんだから」「あらどこに」


 俺は思わずハミィを見た。


「あのぉ、確かに私は子供みたいに見えますがぁ、

 何をどうすれば良いかというくらいならぁ、もちろん未経験ですがぁ」

「キャッ、恥ずかしいデスゥ」「叔母さん何を恥ずかしがっているんですかぁ」


 なぜか顔を赤くしているネリィ。


「これ以上言わせると、お尻ぺんぺんですネェ」

「廊下から入ってこられない人は静かにしてくださぁい」

「そこの一族は黙ってくれ、とりあえずはカミラ、まだする事がある」


 頷くカミラ。


「他の封印ね」

「ああ、俺がカミラのおかげて開けた方だ、あと」

「ドリアードから聞いているわ」「その件だ、ただ今夜はもう、お開きだ」


 窓の外に居るナルガにも話す。


「という訳ですまないがナルガ、リムリアとカミラと、

 アストの種を回収して戻ってくれ」「では明日さね?」

「日付が変わったからって連れ去らないでくれよ、こっちで朝飯食って歩いて行く」


 仕方がないわね、といった表情のカミラ、

 コウモリ体になって妖精体になったリムリアと飛んで窓の外へ、

 アストの種はぴょこぴょこ飛び跳ねてナルガの胸へ、そしてナルガがひとこと。


「おやすみさね」「ああお休み、明日はそっちで会議だからな」


 降りて行くナルガ、

 ドリアード達も崩れて去って行く、

 さあ窓を閉めて、カーテンも……もういいだろう。


「アリナ達、中へ」

「えっ良いの?」「やはりラスロだ」

「抱きしめて欲しいのね」「おしりペンペンたァーーいむッ」「こらこら」


 そして入って来た扉も閉めさせる、

 その後、近くの紙にペンを走らせて、

 アリナとミオス、ネリィとハミィに見せる。


『音声遮断魔法を頼む』


 頷く四人、協力して魔法を……

 いやほんと、ミオスとハミィの魔力は半年でグンと伸びたな、

 無詠唱に進化したからみんな黙って魔法結界を張れる、素晴らしい。


「……ラスロ、終わったわ」

「ラスロ様、盗み聞きされているような魔力を感じません」

「しいて言うならこのおばさんでしょうかぁ」「お尻を出すのですゥケケケ」「うるせえ黙れ」


 ……あっ、さすがに言い過ぎたか、

 ハミィもネリィもションボリして正座だ。


「さてみんな、これからの話だが、

 まずは俺が最初に出てきた魔界ゲート、

 あれは確かに俺がこじ開けたのだが、作ったのはカミラだ」


 頷くアリナ。


「では閉じるのも」

「もちろんアストでも出来るのだが、

 カミラの方が確実だ、そこでなんだが……」


 顔を寄せ合う俺たち。


「さあ、どうやって、まとめて追い返そうか」


 魔物ハーレムなんてのは、

 もう魔界限定のもので、いいや。


「ラスロサマァ」

「なんだネリィ、まともな話でなければネリィをペンペンな」「ご褒美ィ?!」「違う」

「思ったのデスガァ、二つの出入口、双方に『もう一方が残っているから』と言って、同時に閉じさせるのはァ」


 ……まるで詐欺だな。


「一方をアスト、もう一方をカミラに閉じさせるのか」

「はいィ、上手い具合に分断させてェ」「……人間のずるさが出てるな」

「魔物と人間の関係なんてェ、そんなものですヨォ」「ハミィはどう思う」「そうですねぇ」


 考え込んだのち……


「ラスロお兄ぃさまの、心が痛むかどうかですねぇ」「それな」


 後味は、悪そうだ。

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