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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 脱出聖女の後始末 聖女の愛は全てを乗り越えようとしているのか?

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第180話 残された旧ハーレム 半年間、それぞれどうする

 ――ラスロ達が入って行った魔界ゲート、

 最後のドリアードがくぐった後、それは静かに閉じ、

 まるで何事も無かったかのように静かになる、そして……


「モウ、ハイッテキテモ、イイゾ」


 遅れて来たのか隠れて見ていたのか、

 旧ハーレムのアリナ、ヨラン、エミリ、ネリィが入ってきた、

 それを見て駆けて行く少女、アイン。


「ママ―!」「えっと、アイン氏」

「アインシじゃないよ、ねえママ、ママにお世話されてって」

「……ラスロサマの、ご命令ですかァ」「ねえママ、あまり行かないで」


 静かにアインを、いや、娘を抱きしめるネリィ。


「……ゴメン、ナサイ」

「ドリアードのパパ、ほとんど行っちゃた」

「そうみたいですねぇ」「だから……」「はいはい、他の子たちは」「上だよ、行こっ!」


 観念したかのように上がって行った、

 それを見送ったエミリも、大きなため息をつく。


「置いてきちゃったけど、また会ってくるわ」

「キテルゾ」「えっ」「ニカイニイルゾ」「まさか」


 慌ててエミリも二階へ、

 そして残ったヨランとアリナ。


「……私も一度、きちんとジョルジール侯爵家に謝罪してくる」

「酷い言葉を投げかけられるかも知れないわよ」「いや、おそらく冷めた言葉だろう」

「もう離縁は成立していますからね」「それでも、きちんと詫びてくる、特に……息子たちに、直接」「そう」


 アリナも神妙な表情だ。


「それでアリナは」「北へ、マベルス修道院へ」

「大聖女様か」「自力で行くから間に合わないかも知れないけれども」

「オレガ、ツレテイッテヤロウ」「ドリアードさん?!」「オヒメサマダッコニ、ナルガナ」


 頭を下げるアリナ。


「最低限しか残っていないと聞いたのに……ありがとう」

「コレクライハナ、キニスルナ」「ではヨラン」「ああアリナ、また近いうちに」

「実は……私、嬉しいの」「何がだ」「だって、改めて……今度こそ、ちゃんとラスロを待てるもの!!」


 そう言うと、急に笑顔になった。


「そうか、我々は……待たなかったからな」

「ええ、これはラスロが私達にくれたやり直しの機会、

 今度こそちゃんと信じて待って、こっちで迎えてくれってことなのよ!」


 ふふっ、と笑みをこぼすヨラン。


「わかった、半年後、ここで……みんなで一緒に、今度こそ」

「ええ待ちましょう、ラスロの、正式な、本当のハーレムとして!!」


 置いて行かれても、

 あくまでも前向きであり、

 ラスロを信じるアリナであった……。


 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△


 そしてラスロ達の前に洗われたのは。


「待っていたわラスロ、おかえり」

「イルネス! アストの妹のイルネスじゃないか!」

「ずっと留守番してたわ、お姉様もおかえりなさい」「ただいま」


 ドリアードも全員来たようで、

 出てきた魔界ゲートが閉じられた。


「サア、カイゾウダ」「ニンゲンガ、アトヨニン、スメルヨウニスルゾ」

「ニックキ、エントヲタオスナカマダ、コシツニシヨウ」「グッスリ、ネムレルヨウニナ」

「おいおいサービス良いな」「ラスロハ、アストサマノ、ヘヤダ」「……そろそろね、ラスロ、来てちょうだい」「おうイルネス」


 ついて行った場所に覚えがある、

 そう、忘れるはずがない、俺のために、

 ある意味で犠牲となった……重々しい扉が開く。


「ラスロ様、ここは」「ああミオス、最後の仲間、いや仲魔だ」

「とうことは」「俺が人間界へ戻るために、その生命力を使ってくれた……」


 奥のベッドで寝かされている、色白の女性。


「ラスロ様、死んでいるのでは」

「ロズリ、ある意味では合っている、彼女はアンデッドだ」

「種族は」「ヴァンパイアだな」「元人間ですか」「祖先はそうらしい」


 ナタリもハミィも覗き込む。


「動かないようですが」「起きられないのですかぁ?」

「いつ目を醒ますかわからない、最悪、永遠に……えっ」


 ぱちりと目を醒ます、

 美しくも恐ろしいヴァンパイアの女性、

 にやりと笑うとその牙を覗かせる。


「ラスロ……やはり帰ってきてくれたのね」

「ああ、ただいま……戻ったよ、すまなかった、カミラ」

「いいのよ、また、また一緒に……踊りましょう!」「お、おう」


(第三のハーレム、魔物ハーレム勢ぞろい、か)


 抱きつかれながら、第五章へ続く。

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