第179話 いよいよ魔界へ そして到着した先に居たのは……!!
目の前に現れた魔界ゲート、
そこまで大きくないのは一回きりだからか、
アストやナルガ達がぎりぎり通れる感じの広さだ。
「……よし、もうこのまま行くか、心残りや忘れ物は無いな?」
新ハーレムを改めて見渡す。
「はい、ラスロ様との新しい冒険に、心を躍らせております」
「そうだなミオス、正真正銘のサブリーダーだ、俺が頼りない時は頼む」
「半年間で、いえ、出来るだけ早く、本当の意味での相方になれるよう、頑張ります」
決意を感じる、
その真っ直ぐな目に心を打ち抜かれるようだ。
(若い、本当に若い、それが眩しい)
続いて剣を腰に構えるのは……
「ラスロ様、私はラスロ様のための研ぎ澄まされた剣です、
いつ何時でも、お好きなようにご命令し、お好きなようにお使い下さい」
「……いや、ロズリは物じゃない」「では、ラスロ様の女です」「ロズリなぁ……」
言い方ってものがあるだろう、
だが、それだけ本当に愛してくれているのだろう、
俺なんかのために……その一直線で傷つくことを厭わない、その気持ち。
(若い、若すぎる、だがそれが武器か)
次はぐっと年齢が近づく。
「それではラスロ様、今回のミッション、ラスロ様のための新魔王退治、
同時にラスロ様との仲を深め、我々以外の人間が入る隙のないようにする計画、遂行致します」
「いやナタリ、そこまで命令した覚えは」「暗黙の了解というので良いかと」「俺、了解したっけ」「ほぼ」
ナタリの場合は後が無いというか、
俺しかないというか、でもそれでも全力で応えてくれる、
こういう出会いも俺にとっては、陛下からの最高の褒賞なのかも知れない。
(まだやるべきことは、沢山あるが)
そして最後に魔女っ娘、
という年齢でも、もうないか。
「ラスロお兄様、やっと、やっとお兄様のお傍に、
邪魔が入らず遠慮なく居られるのですねぇ、もぅ離れません」
「……ネリィの悪い部分は真似るなよハミィ」「叔母は叔母、私は私ですぅ」
まあ酷いヤンデレから若いヤンデレに変わっただけの気もするが、
一番の成長が期待できると言っても良いだろう、そう、あらゆる意味で……
魔力も戦闘もそうだが、人間として、女性として、そして、ハーレムの一員として。
(この四人が、俺の、俺だけのための、新しいハーレム……)
もう旧ハーレムの事は、
魔界ゲートをくぐった瞬間に、
一旦忘れてしまおう、半年は一緒なんだから。
(よほどのアクシデントが無い限り、な)
さあ、もう良いよな。
「何も無いならさあ、行こう」
「まっ、待ってください!」「えっ?!」
声の主は、
意外な方向からだった。
「あの、私も連れて行って下さい」
「アインちゃん、まだ十一歳とかだよね」
「早く独り立ちしたいんです、お願いします」
いやこれ、
あまりにも若すぎるだろう。
(十二年前の、ミオスやハミィを思い出すな)
確か当時もこんな感じ、
歴史は繰り返す、ってまた十二年かかるのは嫌だぞ。
「ハミィ、どう思う」
「はいぃ、おそらく、弟や妹の面倒を見るのが面倒くさいのではぁ」
「そんな理由?!」「いえ、母から巣立って、安心させたいんです、お願いします!」
……ひょっとして母に代わっての監視役だったりして、
でも確か、ネリィに言わせると魔力って大したこと無かったはずだぞ?
まあ、魔界で一気に成長したいとかあるのだろうが、確かに伸びしろはあるはず。
(いや、十一歳なら誰でもあるか)
とにかく、やめておこう。
「アインちゃんは、まだ次の世代だから、鍛錬頑張って」「そんな」
「あとネリィをよろしく頼んだ、またちゃんと母親らしくさせてやってくれ」
「……不安です」「俺の命令って言っておいてくれ、じゃあ行ってくるからね」
さて、とドリアード達を見る、
荷物いっぱいだな、人間界の!
「さあアスト、ナルガ、リムリア!」
「行きましょう」「行くさね」「ふふ、行った先に懐かしいのが居るわよ」
「ま、まさか」「先頭は私よ、ついてきて」「あ、ああアスト」
こうして俺たちは、
いや俺は、ついにとうとう、
魔界へと戻る事となったのであった。
(……あっ、この感覚、懐かしい)
別の世界へくぐり抜ける、
水の無い水中を潜って進む感覚……
やがて出口が見え、そこを出ると……!!
「あっ、ここエントランスか」
「ええ、懐かしいでしょう、魔界での本拠地」
「魔界に作った城、あの頃のままだ」「ほら、あそこ」「えっ?!」
そこに立っていたのは、
久しぶりに会う、そう、懐かしの……!!




