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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 脱出聖女の後始末 聖女の愛は全てを乗り越えようとしているのか?

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第174話 揉める旧ハーレム、それぞれの意思確認をしてみるが。

 ラスロ達が間もなく王都という頃、

 旧ハーレムのアリナ達はドリアード達を使い、

 エミリがかつて十一年半住んでいた、エルフと人の森に到着してした。


「みなさん、この空き家は自由にお使い下さい、いつまでも」

「ハルラ様、ありがとうございます、ただ話し合いが終わればすぐにでも」

「いやいやアリナ様、この里の民でおもてなししますよ、人間だって居ますから」


 座って落ち着くと、

 エルフや人間、そしてハーフエルフ、

 クォーターエルフが料理や飲み物を持ってくる。


「お母様、どうぞ」「はい、かーさまー」

「ありがとう、でも大切の話があるから」

「今夜は一緒に寝ましょう」「ねよーねよー」


 帰ってきたラスロから一旦離れ、

 再びこの集落からしばらく戻ってこられなかったのは、

 この子たちが必死に引き留めていたのだろうなと感じたアリナ。


「では食事をしながら大切な打ち合わせを致します、

 非常に大事な、機密のある話ですので部外者は外へ、

 ドリアードさん、見張りをお願いしますね」「ワカッタ」


 料理をデザート含め全部運ばせ、

 お水も自分たちで出来るように……

 最後にハルラさんを、と思ったら何食わぬ顔でエミリの子供が残っている。


「ララル、エルノ、行きなさい」

「今後の事ですよね、当事者ですから」

「かーさまと、もう、はなれたくないー」


 ふうっ、とため息をつくエミリ。


「今は出てちょうだい」

「エミリ、もういっそ、一緒に出て」

「そんなアリナ」「移動中も言ったけど、ラスロの側室として妨げになるならいらないわ」


 冷たい表情のアリナに、

 慌てて強引に自分の子を外へ出した。


「お母様!」「かあさまー!」


 それに対し、

 少し怒りの表情のヨラン。


「そもそも、なぜ一緒に連れてきた、元夫と子供を」

「ここに、この森に送って、私が自由になるためよ」

「ウチの間違えて作った子供たちみたいにィ、ドリアードさんたちに押し付けるのワワワヮ」「オイコラ」


 閉じた扉の向こうで、

 ドリアードが怒っている。


「あのドリアードさん、やはりご迷惑で」

「ラスロノ、ソクシツノコドモハ、アストサマノ、ギリノコドモダ、ニンゲンデモナ」

「ではついでで、エミリさんのお子さんもォ」「ザンネンナガラ、コレカライソガシクナル」


 話を戻しましょう。


「それぞれの立場を整理しましょう、私の居た修道院は、

 とりあえずは状況が治まりました、大聖女様が本格的に樹になりはじめた時、

 どういった反応が、話がくるのかわかりませんが、一通り説明は送りました」


 頷く他の三人。


「それでヨランは」「こちらは何も問題ない、離縁は元夫とも子とも成立している」

「改めてて、よく耐えたわね」「耐えるも何も、それしかなかった……もう忘れたい」

「良いでしょう、後腐れが無い今、ラスロは許してくれているはずです、続いてエミリ」


 立ち上がって、

 改めて皆に頭を下げる。


「私のせいでごめんなさい、もう誰にも、何も気を使わずここを出るわ」

「それで?」「ラスロを抱きしめる、次の封印し直しまで半年あるわ、その間」

「ええ、その貴重な時間を、ラスロトの親愛回復、本当に愛し合える時間にしましょう」


 深く頷くエミリ。


「これまでの流れで行けば、ラスロは私達の泊まる王城、グレナダ公爵家、

 そして魔物のアスト城と、日替わりで泊まるわ、だから三日に一回、チャンスが」

「その一日で、濃厚に愛する事が出来れば」「ラスロはきっと、受け入れて、抱きしめさせてくれるはず……」


 その表情は、

 まるで十二年前の乙女のよう。


「ネリィは」「はいアリナサマァ、子供達はまぁ、おいといてェ、

 ラスロサマに尽くせる時間が半年もあるのですからァ、フフフフフ、

 クフフフフ、イヒヒヒヒ、グピピピピピ、ズジャジャジャジャジャジャ」


 悦に入り奇声をあげるネリィ、

 困った表情の三人であるが、何事もないように、

 アリナは水を飲んだのち、話を続ける、そう、笑顔で。


「とにかく、封印が落ち着いた以上、

 時間を賭けて、少なくともこれから半年の猶予で、

 ラスロの心をきっちりと取り戻しましょう、いえ、愛し合っていることを、確認しあいましょう!」


 その言葉に胸躍らせる、

 ヨランとエミリとネリィ。


「やはりラスロの剣は私だ、納まるべき懐に収まってみせよう」

「ラスロを会うたびに抱きしめれば、きっと、きっと想いは伝わり合えるわ」

「フヒヒヒ、ラスロサマとぉ、奇跡が起きれば、ひょっとしたら、ひょっとしてェ!!」


 盛り上がる四人を扉越しに聞いていたドリアードが、

 そっと、人には聞こえない声量で、低くつぶやいた。


「……ナニモワカッテナイナ、ムシロ、コウツゴウダ」


 こうしてラスロ達の今後を知らないアリナたち旧ハーレムは、

 勝手に盛り上がって、勝手に復縁の宴のようなものを催しているのだった、

 そう、ラスロが王都に到着した後の、決断など知る由もなく……ドリアードは更につぶやく。


「コレハ……ダマッテオコウ」


 そして、王都に到着したラスロ御一行たちは。

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