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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 脱出聖女の後始末 聖女の愛は全てを乗り越えようとしているのか?

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第173話【リムリア回想】淫魔族最大のピンチ そこへ救出に現れたのは……まさかの人間?!

「リムリア、こっちに援軍を頼む!」

「助けてリムリア、私の方もピンチだわ」

「マティ! ルヴィア! 助けが欲しいのはこっちよ!!」


 敵に囲まれた淫魔族の村、

 まさに絶体絶命……族長の魔力で結界を張っているものの、

 私たち淫魔族と絶望的に相性が悪い、シャドウ系の魔物が取り囲んで攻めてきている。


(こいつらは、実態が無いから魔力で倒すしかない)


 黒い霧の塊りが人型をしている魔物、

 我々の淫魔族が敵の精神に干渉するように、

 あいつらもガス体の身体で包み込んで精神を破壊してくる。


(更にやっかいなのが、時間が経過すると身体を溶かすのよ)


 複数のシャドウに取り囲まれ、

 気が付けば跡形も無く消えていたなんて恐ろしいことも、

 そして最も恐ろしいのは、奴らの数が半端ではない事よ、そう……


(結界で傷つきながらも突っ込んでくる、自爆攻撃)


 影の身体が半分になっても、

 まるで首から上だけが飛んでくるような形になっても、

 我々の身体にぶつかってダメージを与えてくる、様々な攻撃で。


(実際に焼け爛れる事もあれば、精神が酷く傷つけられることも)


 私もくらった、身体は無傷なのに凄まじい痛みを感じた、

 たった一発で精神的外傷(トラウマ)になるあれは、連続で喰らい続ければ発狂する、

 対処するにはタイミングを合わせて魔力を込めた腕や足、専用の武器で倒すしかないがこれが難しい。


(あぁ、もう決壊しそう、戦力が……こちらの力が、圧倒的に足りない!)


 私は叫ぶように尋ねる。


「援軍は?!」「近くの集落とは連絡が取れねえ!」

「他の魔物も、通りすがりのドリアードにお願いしたくらいよ!」

「あてにならないわね……ああっ、あれは、シャドウ族の……魔王?!」


 巨大な影、

 間違いないわ、あれは『シャドウシーカー』恐ろしい魔王、

 霧が、黒いガスが体内に入って来て襲われた者を新たなシャドウにしてしまう!


(あれを倒すには相性と、相当な魔力が……!!)


「族長に報告を……ううっ」

「無理だわ手が離せない、きゃあっ!!」

「ルヴィア、無事か!」「もうおしまいだわ、マティ、いっそみんなで魔王に突っ込んで……」


 これはもう淫魔族最大のピンチ、

 まだ生き残っている他の淫魔族に未来を託し、

 ここで、みんなで一斉に魔王へ特攻するしか……!!


(今まで、素敵な夢が見れたわね……ありがとう)


 私は意を決して声を上げる!


「みんな! 飛べる者、いえ動ける者は、みんなで一斉に魔王へ」「待って!!」


 ルヴィアが、あらぬ方向を見ている?!


「なんだあれは、新たな敵か?!」

「違うわマティ、あれは巨大な……樹?!」


 マティとルヴィアが見た方向からやってきて、

 シャドウを次々と薙ぎ払っている女性型の、樹の魔物!

 こ、これは……ドリアードが一族で従えている、伝説のアルラウネ族!!


(シャドウ系に最も相性が良い魔物だわ!!)


 たった一体で無数の、

 物凄い数のシャドウを樹の枝で倒す、

 魔力の充満した腕のような木はシャドウを霧散させるように倒していく!!


(しかも、それだけじゃないわ!)


 そのアルラウネに取り込まれているかのように、

 身体の中心で顔と両腕だけを出しているのは……人間?!

 なんと、魔物よりシャドウ系と相性の良い、本物の人間の男が剣で戦っている!!


「ラスロ、正面のは全部任せたわ」

「おい、逆にどんどんこっちへ追い込んで、包み込んでくれ!」


 更には後ろから、

 大量のドリアード達が!!


「ヒメヲタスケロ」「トリコマレルマエニ、ナグレバイイ」

「タショウトケテモ、アストサマガ、ナオシテクレル」「オラオラ」

「ラスロハ、ダイジョウブカ」「ああ、こっちこそアストが守ってくれているからなっ!」


 凄い、ドリアード達も加勢して、あっというまに、

 みるみるうちにシャドウが消されていく……物量には物量、

 他の方向から攻めていたシャドウもこちらに集結してくるが……!!


「ラスロ、あれが魔王みたいね」

「ああ、全ての魔王を倒し、俺は元の世界へ……戻る!!」


 シャドウシーカーに突っ込んで行くアルラウネと人間、

 その合体技が、魔王を、影の、霧の魔王その身体を……斬り裂いた!!


「こっ……これは……これは、やったわね?!」


 私の声と同時に、

 黒い身体が塵々になって消えていくシャドウシーカー、

 なぜか他のシャドウも蒸発するかのように消えていく、こ、これは!


「リムリア!」「マティ、勝ったわ、勝ったのよ!」

「それよりルヴィアが」「ああっ、なんてひどい怪我!」

「大丈夫よ、任せて」「おわわわわわ、アスト、乱暴だぞ!」


 吐き出すように人間を放出したアルラウネ、

 そして今度はルヴィアを包み込んで体内、幹の中へと……


「ああぁぁ……あっ、温かい、心地良い……」

「しばらくすれば治るわ、それよりここはもう大丈夫かしら」

「ありがとう、私はサキュバスのリムリアよ、貴女は」「アルラウネのアスト、そして……」


 ドリアードに引き起こされた人間の男。


「済まない、勇者ラスロだ、人間界に戻るため、魔王を倒して回っている」

「そうだったの、助かったわ、ありがとう」「お礼はラスロにね」「いや礼なんて」

「このお礼は身体で返させて貰うわ」「いや淫魔とは」「じゃあとりあえず、貸しにしておいて」


 こうして私達は、

 魔界に突如現れた人間に、

 ぎりぎりで助けられたのだった……。


=============================================


「というのが最初の出会いだったんだけれども、

 借りを返していくうちに全部帰し終わっちゃって、

 ふふ、あとは私の方が貸してあげることになったの、ね? ラスロ」


 気まずそうなラスロ。


「ああ、その、借りている分だけ、貸してもらっている分だけ、直接だな、その」

「ラスロ様、淫魔相手にそれは命の危険が」「最後の一回以外は、手加減してくれるらしい」

「では、最後には」「大丈夫よ、本気では行くけど、ぎりぎり死なないようにしてあげるわ、できればね、ふふっ」


 青ざめるラスロ。


「生き残っても、廃人にするのはやめてくれ」

「それはラスロの頑張り次第ね、ふふふふふ……」


 そして移動屋敷は、王都へ。

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