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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 脱出聖女の後始末 聖女の愛は全てを乗り越えようとしているのか?

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第168話 目覚めたアリナ 事情を説明するも、上の空な理由は……

「んっ、んんっ……」

「アリナ、目が覚めたか」

「ラスロ! ラスロ、ここは」「移動屋敷だ」


 朝食を食べに適当な、

 村と街の中間みたいな町の食堂に入ったのだが、

 アリナはまったく起きず、ヨランもふにゃふにゃだったので二人とも寝かし続けた。


(で、お持ち帰りの料理をそろそろ食べさそうってなった)


 お借りした食器は後でドリアードが返しに行きますって言ったら、

 いらないから貰って帰ってって怯えながら言われたので買い取りました、

 そして二人分の食事をそろそろ起こして、それぞれに食べさせようと……


「ヨラン、ほら起きて」「……エミリか」

「お腹が空いているでしょう?」「断る……」

「どうしたのよ」「ラスロが食べさせてくれるなら」


 面倒くさいなオイ!


「エミリ借りるぞ、俺はアリナと話があるんだ、さっさと喰え!」

「……もう少し、やさしく」「ふぅ~~、ふぅ~~~……はい、あーん」

「んっ、んぐんぐ」「水もほら……はい、後は自分で頼む、デザートになったら戻ってやる」


 そうは言っても、

 途中でもいだ果実だが。


「ラスロ、私も!」「おうおうアリナ、腹減ってるだろ」

「向こうで食事だけはしっかり」「修行で質素な飯じゃなかったのか」

「大聖女様を治すときは、特別に」「まあいいや、その大聖女様の話、食べながら聞いてくれ」


 口に運んでやりながら、

 改めて黄金の種について説明をした。


「そうなの、大聖女様は、もう……」

「だから伝えてやって欲しい、元気なのは今だけで、

 しばらくしたら身体の動きが鈍くなって、根っこが出てきて……アリナ?」


 食べるのを待っている、

 これは、あっそうか、仕方ないな。


「ほら、ふぅ~~~、ふぅうぅぅ~~~~……」

「んんっ、美味しいわ」「普通だったが」「ラスロのおかげよ」

「とにかく、いつまで意識があるかわからない樹になるんだから、植えるなら場所を考えろと」


 真実を知ったら、

 あの大聖女とやらはまた騒ぐんだろうか?

 ご希望通り、ある意味で不老不死にしてやったのだが。


(まあ厳密に言えば、樹の寿命は千年くらいだろうが)


 あと死にたいなら燃やすか切り倒せば良い、

 完全に樹になってしまえば、意思疎通は人間ではできないが。


「……樹になったら、食事は」

「そんなの普通の樹と同じだろう、

 だから植えるなら屋外が良い、なあドリアード」「マアソウダナ」


 相変わらず床の下からくぐもった返事。


「大聖女様も、ドリアードさん達みたいに走ったりは」

「いや無理だろう種族が違う、これでも精霊の一種らしいぞ」

「ワレワレハ、アストサマノ、ツカイマダ」「正確にはアルラウネ族のな」「ソウダ」


 ていうか今、気付いたが、

 エルフの森とかのマザーツリーって、

 実は大元は……いや、想像するのは止めよう。


「……アリナ、さっきから上の空だが、あっそうか水か」

「んぐんぐんぐ……はぁっ、ありがとうラスロ」「そんなに水が美味しかったか」

「違うの、結局は、ラスロは私を、私とヨランを助けに来てくれた、それが嬉しいの」


 あー、大聖女様の話が片付いた事よりも、

 俺が助けにやってきた事に夢中になっているのか。


「魔界ゲートの完全封印には、アリナが必要だからな」

「そうよ、ラスロには私が、そしてヨランが、エミリが、ネリィが必要なの」

「ラスロ、私も嬉しかったぞ」「やっぱり私達は永遠に一緒……抱きしめてあげたい」「ラスロサマァ……ァヒッ」


 ネリィは何を感じているんだ、何を。


(背筋ゾクゾクさせている感じが、怖い)


 というか新ハーレムのみんなは二階か。


「今、やらなくてはいけない事をしているだけだ、

 そしてアストの本体やナルガ、リムリアと合流しないといけない」

「エルフの森はリンダディアさんが何とかしてくれるのでは?」「それが何か、ゆるくあったらしい」


 俺の頭上の種(芽)も頷く動きをしているのを感じる、

 ていうかずっと頭上で『あ~~~ん』とか見せられていたアストの心中はいかに、

 いや人間相手はそんなこと、あまり気にしないような気もするが……あれ? 移動屋敷が減速した。


「どうした、ドリアード達も水場で休憩か」

「マエ、マエ」「前?!」「ミレバワカル」「どれどれ」


 前方の部屋へ行き覗いてみると……!


「うわ、凄い砂埃が向かってくる!!」


 その正体は!


「ラスロー! 助けに来たさ」

「ナルガ、お前、どうしたんだ!!」


 なんでまた、急に。

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