第163話 俺の決断、そして選択はこうだ
運命の分岐点、
ラグラジュ大森林で結界貼り直し&新魔王討伐を終え、
エルフ国へ向かおうという分かれ道で、北へ行ったはずのドリアードが待っていた。
(聞けば、アリナとヨランが帰して貰えないらしい)
そこで俺は北へ助けに行くか、
エルフの国でマザーツリー治療に付き合うか、
どちらも選ばず王都で休むかの三択を迫られていた。
「俺の選択は……アリナの修道院へ向かう」
「やっぱりラスロは私達の」「エミリ、みんなで行くんだ、ミオス来てくれるな?」
「ラスロ様が、私を必要として下さるのならば、喜んで!」「じゃあエルフの国は」「アスト、それは行ってくれ」
エルフのリンダディアさんが、
ほっと胸を撫で下ろしている、が……
「ラスロが来ないなら、行く気が起きないわ」
「そうさね、あんまりに酷い話さね、それ相応の対価が」
「いや話は最後まで、アストは種だけついてきてくれ、ナルガは好きな方へ」
とは言っても、
エルフの森にラミアは凄まじく嫌がられそうだが。
「ふふっ、じゃあ私は」
「リムリアは済まない、アストの本体の方だ、妖精にでも化けてくれ」
「んもう、淫魔使いが荒いわね」「急を要するんだ、どっちも」「また貸しね」
まあサキュバスに対する借りは、
最後の一回が恐ろしいだけとも聞くし、いっか。
「ならラスロ、これを持って行って」
「えっアスト……金の種?! これって確か、まさか」
「最終手段よ、最悪、それで解決するわ」「いやほんと最悪だな」
俺の手の平に渡された、
黄金の種を覗き込むエミリとミオス。
「これは、何が生る種なのかしら」
「ラスロ様、光属性の種なのに嫌な予感がします」
「これはまあ、本当に最後で最後の奥の手だ」「敵の王に使ってちょうだい」
アストはあっさり言うが、
これは……正直言って、怖い。
「えっとじゃあ、移動屋敷はどうする」
「三階と二階以下に分けるわ」「そんなことが」
「ハナスゾ」「キルゾ」「ズラスゾ」「アケルゾ」「チョットドケ」
……あっさり取り外しやがった、
そしてドリアードも二手に別れる、
北から来たドリアードはやはりこっちに合流か。
「アタシはエルフの国さね」
「あっ、ナルガ、大丈夫なのか」
「人質がいるからね」「案内してきます」「リンダディアさん……」
あのアストルームに、
アストとナルガとリムリアとリンダディアさん、
何も起きないはずがなく、って事にならなきゃ良いが。
「ってドリアード、何をやっているんだ」
「ソノヘンノキデ、ウエヲフサイデイル」
「ああ、二階から三階へ上がる所か、ありがとう」
リンダディアさんもアストの方へ、
天窓から収納されていく実質、出入口はあそこだけか、
降りて行く所はドリアードが……トイレになりそうだな。
「じゃあラスロ、さっさと用事を済ませてくるわ」
「アストありがとう、とはいえ種は一緒だ」「ちゃんと見てるから」
「エルフの森、どんな食べ物があるか楽しみさね」「ラスロ、見て見て」「おっ、妖精だ!」
と、わざとらしく反応してあげる。
(可愛らしい妖精だと思って人間の男が誘われ、ついて行くと……ってやるための擬態らしい)
全員乗り込んだアストたち、
さあ、俺たちの方も、改めて。
「では乗ろう、ドリアードもう良いか」「タッタイマ、オワッタ」
「それではアリナとヨラン救出に出発だ!」「ええラスロ、お礼に抱きしめてあげたいわ」
「ラスロサマが、アリナサマのために……嬉しいデスゥ」「エミリもネリィも、俺と一緒に助け出そう」
ということで、
束の間の旧ハーレム結束を見せた俺、
もちろん平和のためであるのだが……
(待っているのは俺が旧ハーレムとヨリを戻す未来か、それとも……)
ミオス達の望む、
俺を待っていなかった旧ハーレム達への、
まさに『ざまぁ』をする未来なのか、それはまだ……決めていない。
「あっ、アストもよろしくな」
頭上の種(芽)を撫でる。
「ええ、早く終わらせて合流するわ~~~!!」
「おいおい、わざわざ中から、大声で反応しなくて良いから!!」
こうして俺たちは、
それぞれの方向へ向けて、
出発したのであった、さあ、どうなることやら。




