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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 脱出聖女の後始末 聖女の愛は全てを乗り越えようとしているのか?

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第162話 運命の分岐点 アリナとミオスとアスト、さあ誰を選ぶ?

「いや、ほんとに速いなコレ」

「もうすぐです、間もなく、エルフの国へ行く分岐点です」


 移動屋敷の最前列、

 リンダディアさんと並んで前方を見ている、

 とりあえずは森の、国の入口まで行って、どのくらいまで入れるかの交渉だ。


(魔物けしからん! 人間けしからん! だと、もうそれで終了だ)


 それはさすがにないか、

 向こうが、エルフの王が正式に依頼してきた事案だ、

 この移動屋敷ごと受け入れてくれなければ、逆に断る理由に……


「ラスロ様、あそこで誰か腕を伸ばしています」

「えっ、あっ本当だ、って大きさがおかしいぞ?」

「……失礼、大木(たいぼく)でした」「いや、あれはドリアードだ」


 だが一体だけだ、

 なぜ単騎……ひょっとして行きで落としてきたか?!

 だったら可哀想だ、と思ったがそれなら普通に走ってくるか。


(屋敷が止まった、すなわちドリアード達が足を止めた)


 そして本当に道の分岐点だ、

 俺たちの下の、屋敷を担いでいるドリアードが話し掛ける。


「ドウシタ、キタヘイッタンジャ、ナカッタノカ」


 あぁ、このドリアード、

 アリナとヨランを運んだ組か。


「シュウドウイン、トヤラカラ、ダシテモラエナイヨウダ」

「ナゼダ」「ダイセイジョトヤラガ、シニカケラシイ、ハナレタラシヌ」

「ミステラレナイノカ」「マワリノニンゲンモ、イノチガケラシイ」「ラスロドウスル」


 俺は一旦降りる、

 するとミオス達も降りてきた。


「ラスロ様、いかがなさいましたか?」

「ああ、アリナを運んでいたドリアードが来てだな、何でも北の修道院から出して貰えないらしい」

「閉じ込められたのですか」「大聖女の治療のため、命がけで留められているとかなんとか」「まあそれは」


 話していると、

 今度は上からアスト達が降りてきた、

 リムリアは大きいサイズ、通常魔物タイプだ。


「どうするの、エルフの森だか国へ行くんでしょう?」

「だがアリナも急を要する、リンダディアさん、マザーツリーは」

「今すぐ行かないと、何本か枯れるかも知れん」「まあ、でも何本かなら良いのでは」「おいミオス」


 リンダディアさんも少し怒ってこめかみピクピク、

 ではいえ俺たちにとっちゃアリナの命とマザーツリーでは……

 エミリを見ると頷いている。


「確かにエルフにとっては、いわば命の源です、とはいえアリナは正妻です」

「まあ、確かにそうだが」「マザーツリー、すなわちエルフの案件が私の案件であるなら、優先ルールを」

「……懐かしいものを持ち出したな」「ラスロ様が決めた事です」「十二年前、いや十六年前にか」「ですネェ」


 ロズリが首を傾げる。


「ラスロ様、優先ルールとは」

「ああ、アリナ達と決めていたんだ、命の優先順位は正妻側室の順にすると」

「なので私は三番目、正妻のアリナが最優先」「私はどうなるの」「アスト、ちょっと考えさせてくれ」


 その言葉に全身をクネクネさせるアスト、

 強い主張がある場合にする、ドリアード族独特の仕草だ。


「私の聞いた話だと、前回は修道院を壊して逃げたって」

「だが今回は殺し合いになるかもしれない、それだけ大聖女が大切らしい」

「殺し合いならアタシの任せて欲しいさ」「ナルガが行くと戦争確定だ、それは避けたい」


 リムリアは北から来たドリアードの上に座った。


「ふふっ、つまり、助けに行きたいの?」

「そうだが、陛下からマザーツリーの治療も……

 ドリアード、アリナはどのくらい持ちそうか」「ニサンニチダナ」


 ううむ。


「ラスロ様、どちらも放っておいては」

「ミオス、両方見捨てろと?」「両方、任せるのです」

「アリナとアストにか」「ラスロがついて来ないのは嫌よ、どうしてもというなら婚姻を一気に詰めるわ」


 それは脅しなのかっていう。


「じゃあミオス、両方それぞれに任せるということは」

「私と、いえ私達と王都へ戻って、屋敷で休みましょう」

「グレナダ家でか」「とりあえず封印は、終わってしばらく大丈夫ですし」


 これは誰を取るかって話か、

 アリナ救出を最終戦にするか、

 マザーツリー治療に向かうのか、ミオスたち新ハーレムと帰るか。


(まさに、運命の分岐点だな)


 まあ、アリナに限ってはヨランも居るし死ぬことは無いだろう、

 ただしそれはアリナとヨランがであって、修道院の連中、そして大聖女が……

 もちろん修道院側を完全無視する選択肢もあるが、俺自身、アリナをどうするか、どうしたいのか。


(一方、マザーツリーかあ)


 大聖女をアリナに任せるなら、

 その間にマザーツリーを大急ぎで修復して回る、

 本当に急げば、その後でもアリナは間に合うかも知れない。


(可能性は低そうだけど!)


 だったら、とっととあきらめて、

 ミオス達とグレナダ公爵家へ戻って、

 後は勝手にどうぞ俺は休む、もアリかもっていう。


「……さあ誰を選ぶ? って訳か」

「ラスロ、どうするの」「ラスロ様、帰りましょう」

「どっちへ行くの? どこにするにしても、ついて行くわよ」


 エミリ、ミオス、アストに迫られる俺!

 俺が誰を選ぶか、どの行動を取るのか、

 必死に考えに考えて、考え抜いたその先に出た結論は……!!


「よし、決めた!!!」


 俺が向かうのは……

 とりあえず、あくまでとりあえず、北だ。

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