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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 脱出聖女の後始末 聖女の愛は全てを乗り越えようとしているのか?

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第161話 体験者は語る サキュバスとお風呂はマジでやめた方が良い

「という事で、無事封印は終わった」

「そうですか、それでどのくらいは持ちそうですか」

「ドリアードの調整次第だが、半年が一番の線らしい」


 と会話しているのは、

 ドリアード村で待機していたエルフのリンダディアさんだ、

 水路を戻ってさっさと到着し、完了の報告をしている所である。


「ではエルフの森へこの後」

「それは良いんだが、仲間がひとりというか一体と言うか、一魔物増えた」

「ふふ、はじめまして、リムリアよ」「サキュバスか」「御名答」「我々エルフとは相性が悪いと聞くが」


 初めて聞くな、なぜだろう。


「リムリア、本当か」

「私が聞いた話だと、すぐ吸い尽くしちゃうみたい」

「吸いやすいのか」「瞬殺みたいよ」「リンダディアさん気を付けて」「わかりました」


 とはいえリムリアは、

 直接吸う相手は俺だけって決めているらしい、

 いや、まだ直接吸われた事は無くてだな、はともかく。


「ラスロ様」「おうミオス」

「このまますぐ行くのではなく、せっかくなのでまたお風呂に」

「まあ虫の大群を相手にしたんだ、みんなすっきりしたいだろう」


 気分転換にもなるしな。


「あら、じゃあ私も一緒に入るわ」「いや、リムリアはやめておけ」

「ふふ、良いじゃないの減るもんじゃあるまいし」「減る、ある意味、神経が減る」

「あのラスロ様、どうなってしまうのでしょうか」「リムリアはいわば」「入浴剤よ」「あんな入浴剤が、あってたまるか!!」


 ということでみんなで巨大風呂、

 ナルガが早速、奥でぴちぴちと跳ねていやがる、

 獲れたてかよ、いやあんな巨大蛇、齧りたくもない。


(ていうか俺は相変わらず魔物エリアか)


 男湯と女湯ではなく、

 魔物湯と人間湯で分かれているも、

 仕切りは低い衝立のようなもので隣が見える見える、お湯ももちろん繋がっている。


「私は身体を洗うわ」

「おうアスト、ってそれは!!」

「全身に虫が突っ込んで来てるのよ」


 ドリアード達がゴシゴシ洗うと、

 全身から無数の虫が、生きてるのもあるな、

 抱き抱えられた後に少し痒くなったのは、このせいか。


(ちゃんと全部落としてから、湯船に入るっぽい)


 まあ、どっちみち俺は入らないからな!

 なぜなら……うん、リムリアが先に入って待っている。


「さあ、ラスロ」

「悪いが俺は湯を浴びるだけにしておく」

「かけてあげるわ」「いや、いい、俺はこっちだ」


 と、ドリアードのケツからどばどば出てるお湯を直接浴びる、

 いやこれ温めているだけじゃなく、ちゃんと濾過もされれいるから、

 そのまま飲めるらしい、いやもちろん絵面的にとてもじゃないが飲みたくないが。


「お先に入るわね」


 ミオスがやってきた、

 距離的に遠くて身体はよく見えない、

 いやお湯に入って境まで行けば見れるだろうが……


(リムリアの入っている風呂だが、さてどうなるか……)


 脚を入れた瞬間!


「ひっ!!」「どうしたの?!」


 遅れてやってきたロズリが心配する。


「このお湯、な、なにか、変」

「普通のお湯に見えるけれど……」


 ちゃぷん、と足を突っ込む。


「ひゃあああああ?!?!」


 恐る恐る、

 足でお湯をかき混ぜるミオスとロズリ。


「どうしました」「ナタリさん、このお湯」「お湯の感触が!」

「では失礼して腕を……これがまるで、お湯がまとわりついているような感じですね」

「こ、こんなのに入ったら」「どうなっちゃうの?!」「それはそれは、とんでもなく気持ちが良くなるでしょう」


 そう、リムリアと一緒に入浴すると、なぜかこうなる。


「どうしましたぁ? えーーーい!!」


 あっ、状況を聞いていなかったのか、

 ハミィが新ハーレムでは最後にやってきて、

 何の迷いもなく一気にポチャンと肩まで浸かった!!


「ほわわわわわわわあああああ~~~~~……あっ」


 あっ、ガクンと首の力が抜けたっぽい、

 沈みそうなのを慌てて引き上げるナタリ、

 遠くてよくわからないが、きっとのぼせているのだろう。


(リムリアという劇薬入浴剤ひとつで、こんなにも……)


 ※あくまでもお風呂のお湯加減が気持ち良かっただけです※


「あらみんな早いわね」

「姪っ子が素っ裸で大の字ですネェ、みっともない」


 あーあー、

 旧ハーレムのエミリとネリィも来ちゃったよ。


(忠告すべきか……って、もう遅いか)


 並んで入っちゃった。


「はああああっ?!」「こ、こっ、これはああああ!!!」


 ※あくまでもお風呂のお湯加減が@尋常じゃないくらい気持ち良い』だけです※


 この後の様子は、

 ある意味で聞くに堪えなかったよ……。


(もちろん魔物は平気だ、ドリアード含めてな)


 ということで、次はエルフ国かぁ、

 アリナの方が心配なんだが、どうなっているか……。


==============================================


 その頃、アリナは。


「大聖女様、ごぶさたしております」

「……アリナ、怖いの、死ぬのが……」

「私が居た頃は、ある意味、無理に寿命を延ばしていましたが、もう」


 しかしアリナの手を握る、大聖女様。


「私を……治しなさい……でなければ……戦争よ……」

「そうは申されましても」「アリナ……これは命令……」

「はぁ、治癒魔法をかけても、これだときりがありませんわね」


 後ろでアリナの周囲に警戒するヨラン。


「どうする、今から強行突破か」

「いえ、いま周囲にいるのは『たとえ自分が死んでも』という皆さんです、

 これが一斉に相討ち覚悟で来られると」「ではどうする」「助けを待ちましょう」


 と、アリナの背中には、

 小さな種がくっついていたのであった、

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