第154話 いよいよダンジョン到着 封印を解いた時、やはりとてつもない禍々しさが!
「ツイタゾー」「トウチャクダゾ―」「デテコイヤー」
一階でうとうとしてたら、
床下からドリアード達が騒ぎはじめた、
二階で寝ていた新旧ハーレム組も降りてきた。
(って、まさか二階にも聞こえるのか?!)
まあ、そういう構造になっていても、おかしくは無いが。
「ラスロ様、降りましょう」「おう、ていうかネリィ、ローブが逆では」「はっ!!」
出るとすでにアスト、ナルガが待っていた、
そして眩しい、頭上で封印魔法が光っているからだ。
(で、これが魔界と繋がるダンジョンか)
ドリアードがわちゃわちゃしている、
コイツらは光魔法属性であるアルラウネ族の配下、
よってその影響からか、基本は地属性だが光魔法の封印もくぐり抜けられる。
「ヤベエゾ」「ツマッテル」「テキガ、コンチュウガ、イッパイダ」
ダンジョンの中からひょこひょこと、
芽の出た種が出てきたがこれアストのか、
そして体内に回収、様子を見てきてくれたようだ。
「なぜだか知らないけれど、中が渋滞を起こしているわ」
「魔物でか」「ええ、これはひょっとすると、ひょっとするわ」
「アスト様、何がひょっとするのでしょうか」「魔王の侵攻よ、新しいね」
ミオスの言葉に普通に答えたアスト、
ナルガも入口付近でうろうろとしている。
「感じるさね、禍々しい魔王の気配を! 腕が鳴るねえ」
剣二本をカチカチいわせてやる気満々のようだ、
俺たちも構える、そしてミオス、ネリィ、ハミィ、
アストも加わり、魔法を……封印魔法を解除し始めた!
(ミオスとハミィはぶつぶつと、ネリィとアストは無詠唱だ)
封印が段々と縮んていく、
周囲が暗くなってくる、そして、
俺でもわかるくらいダンジョンの禍々しい気配が……
「聞こえるな、虫の羽音が」
覚悟を決めて剣を構える、
エミリも弓を構えていて、
ナタリも煙玉の用意、さあ、いよいよだ。
(封印が……消えた!!)
その直後!!
ブブブブ……ヴヴヴヴヴ!!!!!
一斉に巨大な虫が、
とんでもない数、飛び出てきた!!
「さあ、出なくなるまで!!」
ミオスのその言葉に、
皆で倒し続ける! うん、
数が多いが個々はそこまで強くない!
(だからこその、物量攻撃か)
魔法組も攻撃に加わる!
「光りに滅せよ!!」
ミオスの光魔法、
的確に虫の魔物を呑み込んで倒す!
「高い位置のは任せて!!」
そう言って一旦、上空へ舞い上がろうとする敵を、
的確に撃ち抜くエミリ、一発で急所を……さすがエルフ超え弓使い。
羽根さえ斬れば、こちらのものです!!」
ロズリも剣が栄える、
多少暗くても感覚で倒し続けているようだ。
「ケケケケ、無駄無駄無駄デスヨォォォオオオ!!!」
ありとあらゆる攻撃魔法を、
全身から放って倒すネリィ、
うん、こっちのがよっぽど怖い。
「あちら側は私の煙玉で窒息させます!」
ボンボン投げて攻撃のナタリ、
やはり手際が良い、見ていて爽快だ。
「遠い位置への魔法は、お任せくださぁい」
ハミィも遠距離範囲魔法で、
近づいてくる前に敵を落とす、そして……
「ラスロ、来るわよ」
「来るさね、ラスロ!!」
アストとナルガが反応する、
ついに、とうとう……来るっ!!
ヴヴヴヴヴヴヴヴーーーーー!!!
(出てきたあああああ!!!)
ついに姿を現した巨大なハエの魔物!
これぞ、間違いなく……新しく誕生した、魔王だ。
「まさにこれが……蠅王というやつか」
十二年ぶりの人間界での魔王戦、
俺たちは倒す事が、出来るのか?!
いや、倒すしかない、せっかく帰ってきた、この世界のために!!!
「みんな行くぞ!」
「「「「「「はいっっっっっっ」」」」」」
「倒すわ」「やるさね」「「「「「「「「オウ!!!!!!!!」」」」」」」」
今ここに居ない、
アリナとヨランの分も……
倒して平和に、近づいてみせる!!




