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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 脱出聖女の後始末 聖女の愛は全てを乗り越えようとしているのか?

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第153話 まさかの混浴 しかもこの場合は、魔物と人の。

「それにしてもすげえな、一応は真ん中に低い仕切りがあるのか」

「ええ、こっち側は私達用、あっち側が人間用ってなっているわね」

「だったら俺は」「ラスロは混浴よ」「いやいやいや」「ラスロだけじゃないわ」


 えっ、と思ったら、

 さっきの宴会で空気になっていた、

 エルフのリンダディアさんまで魔物側に入れられてきた。


「なんだか巻き込んでごめんなさい」

「いや、あっち側へ入る訳にはいかないからな」

「えっ? ……あー、確かに、もうエミリ達が裸で……」


 実質、こっちが人間の男湯か。


「サアエルフ、ヌゲヌゲ」

「トクベツニ、セナカヲナガシテヤロウ」

「アッチノホウガ、ヒガアタッテ、キモチイイゾ」


 ドリアード達に脱がされながら連れて行かれた、

 湯気で見えなくなる位置まで……あっちはあっちでいいか、

 俺も脱いでいると、巨大なラミアが這いながらやってきた。


「お腹いっぱいになったらお風呂さあ」

「あー、アスト城の風呂場が狭いとか言っていたな」

「これくらいならまあ、アタシには及第点さあ」「なら良かった」


 これまた入って行く、

 お湯の出てる方へ……

 ってこれドリアードが並んで出してるな、お尻から。


(いや、樹の幹でお尻って言い方もアレだが)


 これは逆にこっち向いてたらアレだ、

 下手すれば立ちションみたいに見えるから良いのか、

 だがこれはこれでお尻からドババババーみたいなのも……


(もちろん、あれで水をろ過し暖めで出しているのだろうが)


 いやほんとドリアードは便利な連中だ。


「ラスロ、さあ一緒に浸かりましょう」

「あ、ああ、魔界の温泉を思い出すな」

「ええ、敵に襲われないように私がある意味、湯船になったわね」


 鳥型の敵が襲ってきたとき、

 お湯の中からアストの鋭い腕いや枝が出てきて、

 貫いてくれたっけ……それをリムリアやカミラが焼いて、みんなで喰うという。


(とか思い出しながら、脱いだ俺は一緒に入ります)


 まあ、アストの裸とか今更だ、

 魔物というより動いて喋る植物と割り切ろう。


「それにしてもアスト、こんなでかい風呂といい、この街は」

「ふふ、一番の目的に気付いたかしら?」「えっ、どういうことだ」

「サイズは私達に合せてあるけど、人間というよりも、エルフも暮らしやすい森にするわ」


 と、いうことはだ。


「俺とアストとの子か」

「ええそうよ、マザーツリーはいわば私」

「確かにマザーだしツリーだものな」「もちろん別でも造れるわよ」


 ここでかあ、

 アストの一部を分けるのかな?

 ……あっ、ひょっとしてひょっとしたら!


「俺の頭によく乗っかっているアレ、まさか」

「そうね、あれをマザーツリーにも出来るわよ」

「じゃあ俺はマザーツリーの子供に監視されていたのか」「私の目でもあるわ」


 芽だけに、っていうのは心の中に留めておこう。


「あれを使ってエルフの森のマザーツリーを治すのは」

「無理ね、根本的な魔力の根源を治さないといけないから」

「あの種(芽)を寄生させるとか」「酷い事を言うわね、可哀相じゃない」


 ちょっと怒られた、

 まあ敵にやっていた事だからね。


(あー、ミオス達が低い柵にしがみついて、こっち見てる)


 気になるんだろうな、

 あっちはあっちで一応、

 女騎士団員のふたりが洗いに来ているみたいだが。


(あっ、リンダディアさんが奥の方へ!)


 ドリアードに誘導され、

 流しエルフみたいに柵の方へ、

 それを見て離れる新旧ハーレム、ああやって追い離したか。


「……アストも嫉妬とかするのか?」「さあ、何の事かしら」

「アタシはするさ」「ナルガ!!」「ふふ、良い湯加減さね」


 いつのまにか水中に潜って来ていた、

 そしてアストとナルガで挟まれる、うん、

 これ逃げられなくてのぼせるやつだ、どうしよう。


「アスト、ナルガ、実は人間の文化で教えていなかったことがある」

「あら何かしら」「教えるさね」「ふっふっふ、人間には『整う』という言葉があってだな」

「つまり?」「どういうことさ」「お風呂には、あと『サウナ』と『水風呂』というものが、必要なんだ!!」


 うん、このあたりの解説をすることで、

 上手い具合に逃げ出そう、相手がまだアストとナルガで助かった。


(リムリアとカミラは、しっかり者だからなぁ)


 気が付けば、

 窓の外は綺麗な夕焼けになっていたのであった。

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