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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 伝説の女剣士のやり直し 錆びついた剣と言われても愛で研ぎ澄ますのみ!

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第16話 俺の選択の結果 更なる混乱を呼び起こしてしまったかも知れない

 チュンチュン、チュンチュン……


(んっ、朝か……あれ? 誰か抱きついている……?!)


 天井は間違いなく馬車の中、

 しかし寝ている俺に大きな人の気配、

 いやもう完全に抱きつかれているぞ、しかも左右から!!


「あれっ……アリナ、ミオス?!」


(両方金髪、うん、間違いない)


 旧ハーレムの元正妻と、

 新ハーレムの現? 正妻に、

 いつのまにか抱きつかれて……って、なんだこれは?!


「んっ、ラスロおはよう」

「ラスロ様、おはようございますですわ」

「ええっ、これ、いったいどういうこと?!」


 身体を起こし周囲を見回す、

 馬車内は椅子の背もたれが全て倒され、

 巨大なベッドのようになっていた、こんな機能あったのか。


(十二年の間に進化したな、ではなくって!)


 まず左側に抱きついているアリナの向こうにエミリ、

 相変わらず背が高いから足が少し窮屈そうだがこちらを向いた。


「おはよう、目覚めにラスロを見られる気持ちの良い朝ね」


 そして更に奥にはネリィが……

 見てる! じいぃーーーーっと見てるううう!!!


「ラスロサマ、ネリィは、ネリィはずっとラスロサマを見つめながら眠っておりましタァ!」


 相変わらず怖い事を……

 逆側のもう一方、右側に抱きついているミオスの向こうにはナタリ、

 っていつのまにか俺の右手をずっと首筋にあてている、ミオス越しに!


(知らない間に腕枕させられていたのか……)


 うん、確かに痺れている。


「おはようございます、寝ながら警備させていただいておりました」


 これまた器用な、

 まあアサシンだから可能……なのか?!

 そして更に向こうには魔女っ娘のハミィが!


「ラスロお兄様、おはようございます、

 まずはお食事になさいますか、お風呂になさいますか、

 それともハミィ成分をお取りになられますか、全てですか?!」


 ……ひょっとしたらハミィちゃんも、

 ネリィと同じヤンデレの血筋なのかも知れない。


「ええっと、あとは……あっっ!!」


 左側の馬車の外では、

 一生懸命に剣で素振りをしているヨランの姿が見える、

 逆に右側ではロズリが剣を持ってステップの練習を……!!


(朝からいったい、どうなっているんだ)


 俺はアリナ、ミオスに、

 両方を交互に見ながら問いかける。


「えっと、これはどういうことで」

「昨夜、ラスロが来ないから隣の様子を見に行ったら」

「ラスロ様がいらっしゃらないので、お隣さんを覗きに行ったら」


 あっ、ひょっとして。


「鉢合わせしたとか?!」

「「そうです!!」」


 息ぴったりだな、

 魔界封印もこんな感じでお願いしたいのだが。


「で、ふたりで探したと」

「別々ですよ」「確かに見つけたのは同時ですが」

「ええっとそれで、馬車で一緒に寝てたダンジュは」「宿ですね」「私の方に」


 ミオス達の部屋で寝てるのか、

 って思ったらスッキリした表情でやってきた、

 あれはお風呂に入ってきたな、別にいいけれども。


「それじゃあこれから、ええっと」

「荷物はもう積み込んでありますよ」

「ラスロ様が起きられたら出発です!!」


 ベッドになっていた椅子が元に戻され、

 外で剣を振っていた二人も入って来た、

 運転席にダンジュが座ると……もう、出発らしい。


(どうしてこうなったんだろう……)


 どちらか選べないからと、

 両方を避けて馬車に乗って眠ったら、

 起きたら両ハーレムが俺と寝に来ていたという。


(ヨランもロズリも、そうだよな?!)


「あっ、宿代は」「きちんと支払いましたよラスロ」

「朝食は」「ラスロ様、ちゃんと早朝に作っていただいて持ってきました!」

「ええっと、ハンナ様は」「「あちらでお見送りです!!」」


 あっ、手を振ってら、

 僕も振り返して、っと。


「では出発を」「ダンジュお願い」「はいっ!!」


 馬車が走り出した、

 宿屋のおかみさんも玄関で見送ってくれている……


「あっ、俺のお風呂は」

「山越えの途中に温泉がありますよ」「昼食もそちらで」

「そ、そうか……」


 正妻ふたりして強引だなあ。


「さあラスロ、朝食よ」

「ラスロ様、はい、あ~ん」

「ちょ、両側から同時に突っ込まないで!!」


 魔界との出入り口まで、

 ずっとこんな感じなんだろうか……

 そんな不安を胸に、ルバークの街を発ったのであった。


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