第148話 北方から怒りの聖騎士団が! まあ、破壊してきて何も無い訳ないよねっていう
ラグラジュ大森林への出発の時、
さあこれから、という所でまさかまさかの、
アリナが脱出するために破壊してきた修道院から反撃の聖騎士団が来た。
「……わかりました、ここは私ひとりで倒してきます」
「いやアリナ、逃げ出すのと全面戦争では訳が違ってくる」
「そうじゃ、とりあえずは穏便に話をしては貰えぬか、アリナよ」
陛下も焦りながら諭してきた、
修道院を破壊して来て怒っているんだったら、
建て替えで何とか許して貰えないかな、お金は国王陛下持ちで。
「何を話してきましょうか」
「ええっとアリナ、確認だが殺しはしていないよな?」
「はい、脱出が目的ですので倒してきただけです」「倒すって」
まあ命まで取ってなければワンチャンあるか、
あとは相手側のメンツか、それとも何か目的が……?!
「おそらく要求は私ですね」「アリナに戻って来いと」
「私の高いレベルの治癒魔法で、いつもボロ儲けをしていましたから」
「いやその言い方!」「それを考えれば、壊した修道院の修理代は軽く稼いでいるはずですが」
そうも行かないんだろうなあ、
なんだか宗教の嫌な部分を見せられている、
とはいえアリナが望んで入って、ある意味で望んだ行動だ、修道院での治療は。
(だからこそ、出るのも自由であって欲しかったが……)
さあ、どうしようか。
「とりあえず、敵さんを見よう」
俺の言葉に王城から出る、
あっ、民衆がパレードを待ち構えている、
ということは外の、周囲に居るであろう聖騎士団に気付いていないのか。
「ラスロ様、いかがなさいましょう」
「ミオス、そうだな……とりあえずパレードはやろう、手早くな」
「手は降りますか?」「でないと不自然だろう」「わかりました、行きましょう」
ということで内心焦りながら、
足早に豪華馬車でパレードを進む、
運転はエルフのリンダディアさんだが情報が入っているのか表情が硬い。
(俺も内心、冷や汗をかきながら手を振っている)
そしていつもよりやや早めに城外へ、
するとやはり白と銀の騎士団がずらーっと、
しかも、それに対峙しているのはなんと……ドリアード達だ!
「おいおいおい、ええっとアスト、手を出すなよ」
頭上の種(芽)に撫でながら話す、
ちゃんとドリアード軍の後ろにアストが控えているな、
ナルガはどこだ、移動式屋敷の中か……あっ、ドリアードが一体やってきた!
「ラスロドウスル、テヲダサレタラヤルカ」
「まずは話し合いだ、アリナ」「ラスロも一緒に」
「俺もか?! まあ確かに、きっかけは俺ではあるが」
というか俺も頭を下げないといけないのか?!
うーーーん、まあとりあえずアリナの話を後ろから聞こう、
俺に話を振られたら……その時はまあ、臨機応変に行くかぁ。
「私も行く」「ヨランもか」
「ではラスロ」「お、おう、みんなは待っていてくれ」
ということで、
相手さんの一番偉い感じの騎士へ向かう、
うん、おじいさんだ、アリナが話し掛ける。
「お久しぶりですブライ聖騎士団長さま」
「うむ、アリナ、お前は手順を間違えた」
「かといって、剣を交えると?」「まあ我々が負けるだろうな」
数で言えば聖騎士団だが、
ドリアードはでかさが違う、
あと……うん感じる、この騎士団長の真下にナルガが居るのを!
(何をやっているんだ、まったく……)
いざ開戦となったら、
白馬ごと真下から串刺しだな。
「まずはお話をしましょう」
「戻ってからだ、連れ戻して来いと言われている」
「今はそのような状況ではありません、ご存じでしょう魔界が再び開いたのを」
とまあ話し合いが始まった、
無事に解決すると良いのだが……
アリナに任せるしか無いか、ここは正妻を信じよう。
(旧正妻だけどな!)
さてはて、
話はまとまるのかどうか……
「オレモハナシニ、ハイロウカ」
「いやドリアードは関係ない、とりあえずはな」
「ワカッタ、イツデモハナシアイヲ、シテヤッテモヨイゾ」
気が利いてるんだか、
空気が読めていないんだか。
「我々としては怒りに震えている状況だ」
「私だって状況をわかっていただけないようでしたので」
「しかし修道院に入るときに……」「それはそちらの一方的な……」
話し合うふたりを中心に、
周囲は一発触発だな俺も含めて、
戦いだけは避けたい、でないと……ややこしくも、やっかいなことになる!!
「そもそも修道院というのは……」
「ですから前提がもう間違っていまして……」
これ、いつまで続くのやら。
(まあ、黙って大人しく待つとするかぁ)




