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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第三章 ヤンデレ魔女のやり直し 間違えました、で済む話では無いのだが。

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第145話 決戦に備えて寝よう と思ったらまたしても、これはやはり誰の仕業かといえば……!!

「よし、明日朝の出発に備えて今日は早めに眠ろう」

「ええラスロ、一緒に寝ましょう」「何があっても、すぐ起きてみせよう」

「なんなら朝まで抱きしめてあげても良いのよ?」「結界魔法は、ばっちりですゥ」「いやいや」


 俺の寝室、

 そこなぜか集まっている旧ハーレムのみんな、

 なんでも突然、俺が居なくなった原因を探りたいらしい。


(前回、アストに連れ去られたのですよ)


 気が付くとアスト城で、

 いつ、どうやって連れてこられたかはわからない、

 それはアリナ達も同じで、どうやら今回は警戒してくれるらしい。


「その、俺を警備してくれるのはありがたいが、密着はしないでくれよ」

「懐かしいわ、十二年前、結界を張った廃屋でみんなで眠ったのを、憶えてるわよね?」

「あの時はみんな疲れ切っていたが、ラスロと一緒のおかげで癒された」「軽く抱きしめてあげたわ」「あれ以上のコトを……フフフフフ」


 ネリィは何を妄想しているんだか。


「まあ、何事も無く朝を迎えたらそのまま出発だから、

 緊張してなかなか寝付けなくて、やっと眠ったら全員で寝坊、

 などということには、ならないようにな」「それは衛兵に言ってあるので大丈夫ですわ」


 しっかりしているなアリナ。


「では灯りを暗くしよう」

「ええ、ラスロは先に寝てくれて良いわ」「しっかり見張っておこう」

「温もりが欲しかったら言ってね」「ラスロサマの寝顔があああァァァ……アンッ」


 さて、ラグラジュ大森林での再封印、

 封じる前にどうやって空いたかも調べないとな、

 もし本当に新魔王が誕生したなら、対処すべきかどうか……


(まあいいや、明日考えよう……おやすみぃ……)


 ……ZZZzzz……


 そして、夢を見た。


「ごめんみんな、やっぱり俺は新しいハーレムと家庭を作るよ」

「そんな! 私達はラスロのために」「待てなかったのが、そんなに許せないのか」

「間違いは誰にでもあるわ、騙された私も悪いけど」「ラスロサマ、ネリィはラスロサマなしでは生きていけませェン!」


 旧ハーレムのみんなが手を伸ばすが、

 俺は新ハーレムのみんなと一緒に去る。


「……そうですか、では私は再び、修道院に籠ります」「私も西の、ジョルジール侯爵家に戻るとするわ」

「私のこうなったらエルフの森へ、あぁハルラさん、また抱きしめてあげる」「はぁ~い子供みんな集合、東へ帰りますよおぉ~~~」

「ちょ、切り替え早いな」「そうです、今度こそ本当にラスロを失ったのですから、またみんな元の場所へ」「戻るだけだ」「戻るわ」「戻りますぅ」


 あっさりと消えて行く旧ハーレムの四人。


(……なんだかな、これ、俺が望んだことなのに、なんだろう、このモヤモヤは)


 心に大きな穴が、

 ぽっかりと空いた気分だ。


「人間なんて、そんなものよ」「リムリア!!」


 目の前に夢魔、

 サキュバスのリムリアが浮かんでいる、

 魔界で一緒に魔王を倒し続けた仲間(仲魔)だ。


「人間なんで、簡単に裏切ったり、あきらめたりするものよ」

「いやそんな、でも俺には新ハーレムが……あれっ、ミオス?!」

「ふう、『ざまぁ』を堪能できたので、私達はこれで」「胸がすっとしました」「では暗部に戻ります」「叔母のあの顔が見られて満足ですぅ」


 みんなが、

 選んだはずの新ハーレムもが去って消えて行く……。


「ラスロ、さあこっちよ」

「やっぱり一緒に魔界へ戻るさね」

「アスト、ナルガ……リムリアも……あっ、カミラ!!」


 いや、これはあきらかに、おかしい!!


「ねえラスロ、私達は人間と違って、絶対に裏切ったりは……」

「リムリア、こんな夢を見せて、どうするつもりだ……俺は、俺は」

「私はどんな夢だって見せてあげるわ、ラスロの見たい夢、そして……私の見せたい夢……また逢いましょう、今度は……」


 と、ここで目が醒めた。


「おはようラスロ、今日は出発でしょう?」

「アスト……またアストの寝室に、いつのまに!」

「だから言っているじゃないの、その気になればラスロをいつでも好きに出来るって」


 ナルガもベッドの上でクネクネしている。


「おはようさ、ラスロの寝顔は相変わらず可愛かったさね」

「……アリナ達が俺を見張っていたはずだが、さてはリムリアが眠らせて」

「ふふ、ご想像にお任せするわ」「さあ朝食をいただいて出発しようかねえ」


 やはり魔物は恐ろしい、

 それは味方になっても、

 更に、ハーレムになったとしても。


(あまり考えなかったが、今にして思えば……魔物ハーレム、か)


 いや、考えるのは四人、違う、四体揃ってからだ。

新作『VIVA! 地味ハーレム ~異世界転生したのでひたすら地味に生きて行こう~』

スタートしました、現在第5話までアップ、とりあえず毎日2話更新目標で頑張りますので皆様、是非!

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