表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第三章 ヤンデレ魔女のやり直し 間違えました、で済む話では無いのだが。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

150/162

第144話 旧ハレーム それぞれの想いを再確認する

「ラスロ、今からはオリジナルメンバーで会議です」

「おう、そういう言い方をするか」「純正の勇者パーティーですね」


 十二年前に崩壊した、

 俺のハーレムパーティー……

 それが改めて再結成してしまった。


「それでラスロ、どの話からする?」

「どのって魔物だろう」「どっちの?」

「あっそうか、いやもちろんラグラジュ大森林の方だ」


 アスト達への対処も話し合うのか、

 ちなみに頭上の種(芽)にはお帰りいただいた、

 器用にひょこひょこと弾みながら、どこかへと消えて行ったな。


(この来賓室のどこかに潜んでないと良いが)


 例によってアリナとネリィがチェックをしてくれたが。


「ではラスロ」「おう」「進行を」

「……あっそうか、俺がリーダーだった」

「しっかりして、私達の旦那様でもあるんだから」


 まあ旦那になるかどうかは置いといて、

 すっかり会議の進行はアリナ任せにしてたな、

 魔法での封印がメインだから、まあ仕方が無い。


(俺にそんな、複雑な結界式がわかるはずもなく)


 では改めて……


「大森林の再封印だが、アリナ、やはり魔界ゲートそのものを見たいか」

「はい、現物を見て、どのように魔界から繋げて、どう拡げたのかを見てみたいですね」

「中心部まで行けなかった場合、封印の上書きは」「難しいですね、新旧の封印は一緒にすると反発しあうので」


 ……なんとなく、

 新旧ハーレムが反発しあっている、

 という風に聞こえてしまった、まあ合ってるか。


「そうなるとやはり、ドリアードに頼むしかないか」

「せっかく来ているのですから、使える物は使ってしまいましょう」

「魔物だけにな」「それでラスロ、封印が完成したらドリアードとかの始末はどうするんだ」


 それな。


「どうすると言ってもヨラン、封印と同時にあっちへ行ってくれれば」

「ラスロも一緒とかでない限り、無理だろう」「そこをなんとか」「私に言われても」

「エミリはどう思う」「ラスロが上手く騙す事が出来れば」「具体的には」「考えましょう」


 まあ、いままで騙してきたようなものだし、今更なあ。


「ネリィは」「殺ってしまいましょオゥ」

「いやいや、そもそもネリィの魔法で勝てるのか」

「いざとなったら、命に代えましてもォォォ」「いや命は無駄にするな」


 その言葉に反応したのは聖女アリナだ。


「正直、ラスロのためなら皆、私もヨランもエミリもネリィも、

 命を張る覚悟、それこそ魔物と刺し違えてもラスロ様をお守りしたいのです」


 ……もしそうなったら、

 相討ちなら残った新ハーレムといちゃいちゃできるな、

 などと考えていないでだな、この際だ、改めて全員に聞こう。


「アリナ、俺の指示に従ってくれるか」「はい、もちろん」

「ヨラン、俺の指示に従ってくれるか」「喜んで、大歓迎だ」

「エミリ、俺の」「言う通りにするわ」「ネリィ、お」「何でも指示に従いますよおおおォォォ」


 なんだか怖いくらいだ。


(だがこれで、『俺と結婚しない』という命令も出せる訳か)


 しかしなあ……。


「ラスロ、良い機会だから改めて、ラスロが死んだと思って修道院に籠ってごめんなさい」

「私も自暴自棄になって侯爵家へ嫁いでしまった、すまない」「エルフに騙されたの、ごめんね」

「ネリィは、ラスロサマが謝れとおっしゃられるなら、いくらでも土下座しますよよよョョョ……」


 裏切りの謝罪か、

 いや、結果的に裏切りになったと言えるだけで、

 取った行動は間違いとは……結果的に間違いだったけれども。


「よし、じゃあ命令だ、前にも言ったが『平和最優先』これでいこう」

「「「「はいっっっっ」」」」


 これで時間を稼いで、

 その間に全ての解決法が出れば良いのだが。


「ラスロ、愛してる、誤解や勘違いはあったにせよ、

 十二年間ずっとラスロに祈っていたもの、きっと私の気持ちは通じるわ」「アリナ……」


 アリナが目を潤ませて訴えかけてきた、続いてヨランも。


「なあラスロ、私の間違った十二年を、上書きしてくれないか」

「塗りつぶすのか」「ああ、私もラスロの魔界での十二年分も足して愛そう」「ヨラン……」


 さらにエミリも。


「ラスロ、私はもうラスロ無しでは生きていけないわ、

 この先、ずっと一生、ラスロを抱きしめる人生を歩みたいの、

 もちろんラスロとの子供を授かったら、共に手を取り合って」「エミリ……」


 最後にネリィが。


「ネリィはラスロサマに初めてお会いした時から、

 たった今までずっと、ずーーーーーっとお慕い申しておりますゥ、

 途中ちょっと記憶がありませんがァ、お気になさらずゥゥゥ」「おいネリィ」


 まあ四人の、

 改めての俺への想いは再確認できた。


「わかった、気持ちはわかった」

「ではラスロ、完璧な封印目指して、頑張りましょう」

「いざとなったら一緒に魔界だ」「どこでも抱きしめてあげる」「ラスロサマラスロサマラスロサマラスロサマ……」


 みんな、十二年前と同じ気持ちに戻っているようだ、

 しかし着実に、確実に十二年の歳月は経っているし、

 それに、その間の過ちさえ無ければ……俺は、俺は旧ハーレムを……


(許せるの、か?!)


 その答えは、

 遅かれ早かれ出さなくては、ならない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ