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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第三章 ヤンデレ魔女のやり直し 間違えました、で済む話では無いのだが。

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第140話 再度リムリアと 夢魔の本当の恐ろしさは、夢の中で無敵であること

「また会えたわ、嬉しい」

「リムリア、その、本当に済まなかった」

「いいのよ、私は約束さえ守ってくれれば」


 アスト城の夜、

 俺は特大ベッドでアストとナルガに挟まれて、

 いや、もはやめり込んだような状況で眠ると、やはり夢にリムリアが出てきた。


「カミラの状況は」「眠っているわ」

「夢の中での会話は」「まだね、ラスロが来れば意識が戻るかも」

「……カミラにも悪い事を」「そうね、ある意味、犠牲だものね」「仕方なかったんだ」


 俺をやさしく抱きしめるリムリア、

 やはりサキュバスというのは危険な匂いしかしない、

 ただ、魔物ではなく『魔法使い』として見ると、これほど心強い味方は……


「こっちでの日々、もう忘れちゃった?」

「忘れるもんか、十二年だぞ、辛い事が多かったが、楽しい事も」

「あら、もう思い出したくも無いのかと」「リムリア達のおかげだよ」


 でないと精神が持たなかった。


「ふふ、久しぶりに精神浄化、する?」

「やめておく、あれは今にして思えば軽い麻薬だ」

「あら、麻薬に軽いも重いもあるのかしら」「こっちの世界ではな」


 あくまでも医療行為としてだが。


「夢の中でなら、私なら何だってできるのに」

「そうだな、敵の魔物を眠らせて夢の中で殺して、実際にも死んでたって事があったな」

「人間にも使えるわよ?」「やめてくれ、そんなに恨まれるようなこと、したか?」「約束を」


 貸し借りか。


(七十三回分、俺は『夢ではない現実』でリムリアと……)


 しかも魔物、夢魔相手に。


「約束は守るよ、ただ、また新たな問題が出てきた」

「新しい魔王ね、どうするの?」「ゲートを閉じたい」

「一方的な封印で、全てが解決するとでも?」「俺はそうしたい」


 現状を整理しよう、

 俺は魔界で全ての魔王を倒した、

 そして人間界へ戻り、魔界とは完全に断絶してめでたしめでたし。


(とは、ならなかった)


 俺の出てきたゲートはアストがきっちり閉じてくれるはずだった、

 だが俺との約束が残っていたためそれをしなかった、まあこれは俺も悪いのだが、

 いつでも俺が魔界へ戻れるように、出入口を監視はしてくれていたようだ、だが……


「リムリア、そっちから見て、また人間界を攻めてきそうな新魔王候補は」

「そうね、把握しているだけで、ふたつみっつ、放置すればどんどん増えるわ」

「潰すなら今のうちか」「そうね、これに関してはもちろん私も、何もしないつもりは無いわ」


 魔物も魔物で、

 あっちで、魔界でつぶし合っているようだ、

 夢魔同士でも色々あるらしいがメインは種族と種族の争いだ。


「ならばリムリアは、俺はどうするべきだと思う」

「私の希望? ずっとこっちで楽しく暮らしましょう」

「俺はこっちで生活するのが希望だ、もちろん借りは返すつもりだが」


 やはり、一度は魔界へ行かないとってなるか。


「わかったわ、決闘よ」「どこでだ」

「今ここでよ」「おいおい夢魔相手に夢の中でかよ」

「アストやナルガとも模擬戦したんでしょう?」「それはそうだが」


 そう、夕食前にアストとも手合せをした、

 ネリィの子供達が見学してたのが人質に思えて、

 あんまり集中できなかったが、良い訓練にはなった。


「単なる手合せよ、こっちでもラスロが言っていた、イメージ……トレーニング?」

「夢の中だからそうなるな、もっとも精神に干渉しているから『イメージ』と言って良いか」

「じゃあ『ドリームトレーニング』ね、さあ戦いましょう、大丈夫、ある程度は手加減するから」


 戦闘態勢になるリムリア、

 手の平に炎の塊りを出現させて……

 俺もいつのまにか勇者スタイルの完全武装だ。


「わかった、リムリアは夢の中では無敵だ、

 だからこそ、これほど頼もしい訓練相手は居ない」

「ふふ、褒めてくれて嬉しいわ、さあ……夢で甚振(いたぶ)って、(たわむ)れてア・ゲ・ル」


 こうしてリムリアの、

 恐ろしい魔法攻撃の雨嵐を受けつつ、

 いつか闘うかも知れない新しい魔王に備えるのだった。


(……一歩間違えれば、このリムリアだって、魔王に……!!)


 それは避けなければ、

 アストも、ナルガも、そして……カミラも。

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