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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第三章 ヤンデレ魔女のやり直し 間違えました、で済む話では無いのだが。

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第139話 そしてナルガとも話を詰める こうなると残りも、となるが本人がいや本魔物が居ないとな!

 今日は順番でいって王都の湖ほとりにあるアスト城に泊まる日、

 いつのまにか連れて来られていた俺はネリィの子供達との朝食後、

 一階の奥にある、まるで『魔王の間』みたいな場所でアストに詰められた。


(そしてある程度、詰め終わって話が一旦終わったと思ったら……)


 今度は続いてナルガである。


「ラスロ、それでもう済ませたんだろうねえ?」

「それなんだがなあ、事情が変わった、ハーレムがふたつ、ふたグループになった」

「関係ないさね、約束したはずだよ『初めては残してきた人間と、それが済んだらアタシと子作りする』ってね」


 そうだ、ナルガにとって孕む一番相性が良いのが人間、

 魔界では俺しか居なかったから事実上、俺だけの仕事となる。


(前も聞いた気がするが、一応確認のため……)


 怒られても良いや。


「俺以外の男と、俺以外の人間と」「尻尾でぶつよ?」

「やめてくれ、首が持っていかれる」「アタシは全部、持って帰りたいね」

「まあラミアにはオスが居ないからな」「それでラスロはいつ済ませるんだい?」


 ……当時、少なくとも魔界では、

 誰ともやりさえしなければ逃げ切れると思った、

 でもこうして、ある意味いつでも約束を守れる状況となると……


(上手く話して誤魔化そう)


 今度はアストがにやにやしていやがる、

 ドリアードは……半分くらいどっか行ったな、

 アストの件が終われば満足なのか、やはりアルラウネの従者一族だ。


「正直言って、旧ハーレムと新ハーレム、どちらを選ぶか迷っている、

 揺れ動いていて葛藤していて、本気でどっちを選んだら良いのか、俺は」

「どうでもいいから早くお決めなさいな、アタシはもう待ちくたびれたわ」


 ここで真面目に、

 真剣に新旧ハーレムどっちか聞いた所で、

 答えは出ないっていうかむしろナルガに決めて欲しくは無い。


「……今更だが、ナルガは子供さえ出来ればそれで良いのか?」

「最低限ね、もちろん本格的に、つがいになるなら大歓迎さね」

「そこまで情念は無いと」「無い訳ないわ、ただカミラを思うと」「それな」


 このあたりの説明は、

 今は置いといてくれ、って誰にだ。


「魔界でも何度か言ったが人間はデリケートなんだ、

 その気になるにも時と場合と気分が」「でもリムリアは」「夢魔は反則だろう」

「アタシが『その気』を今日まで待ってたんだよ」「もうちょっとだけ頼む、逃げはしない」


 逃げられもしないだろうし、もう。


「仕方ないさね、アタシは一旦それで良いわ」「ほっ」

「ただ……リムリアやカミラはどうさね」「それはやはり本人いや本魔が居ないと」

「そういえば前に魔界でラスロが死にかけた後、悪夢を見ないようリムリアがさねえ」「もういいな」


 それ以上はいけない。


「その気はあるんだね?」「もちろん」


 まあナルガの身体はサイズ的な心配は別にしろ、

 そういう気がまったく起きない訳でもない、むしろ……

 もちろん上半身は人間だし、舌が極端に長いけれどもだな。


(実はあれは隠し玉、第四の剣になるのは秘密だ)


 両腕両足そして尻尾と、

 三つの剣が防がれて敵に万事休すと思わせて、

 鋭い剣にも槍にもなるあの舌、もちろんやわらかくもなるが、というか通常はやわらかい、はず。


「確認が出来て良かったさね」

「よし、ナルガとも話を詰めた」

「今回の所はそれで良しとするとしてだね」「次回はまあ」「帰りさね」


 早っ!

 アリナ達と再度、打ち合わせしないとな。


「真面目な話さね、本当に『受け』だけで良いのかい?」

「というと、やはり新しい魔王は」「このままだと続々だねえ」

「つまり、魔界に打って出ろと」「その方が、話が早いかも知れないわね」


 ドリアードを見る俺、

 あいつらは大森林経由で、

 魔界のドリアードと定期的に入れ替わっているからな。


「タシカニ、カッパツカシテイルナ」

「対処はしてくれているのか」「アア、フウインハキイテイルガ」

「犠牲者とかは」「オレタチニハマダナイ、タダ、ラスロノゲートミタイニ、オシキラレルカモナ」


 元々、最初に俺がこっちへ出てきた魔界ゲートか、

 アスト達に塞いで貰うはずだった、それが新魔王候補のせいで……

 ふとアストを見ると、なぜか微笑んでいる、そして声をかけてきた。


「やさしいのねラスロ」「えっ」

「ドリアード達の心配をしてくれて」

「まあな、沢山居ても、やはり一体でも欠けると心が痛む」


 本当はドリアードがやられれば、

 それだけヤバい敵が、新魔王が誕生したって事になる、

 心配しているのはそこなんだが、もちろんドリアードの心配は少しはあるぞ。


(ほんのちょこっとな、まあ大丈夫だろう)


 ネリィの子供達の恩もあるし、

 って感謝すべきはネリィからなんだが、

 ちゃんとドリアード達に礼を言ってたっけ???


「じゃあラスロ、今夜はわかっているわね?」

「まあ、また挟まれて眠るのか……あっ、ということは」

「リムリアも来るさね、夢の中だけどね、それでも話は詰められるさ」


 これもこれで、

 覚悟をしておかないとな。


「それでラスロ、この後どうするの?」

「えっとだな、確か予定は」「私との模擬戦よ」

「あっそうか、アリナ達は忙しそうだから」「自分で言っておいて何よ」


 一対一で勝てる訳ないだろう……

 仕方ない、呼べるのを呼んでみて、

 やるだけやってみよう、良い経験にもなるはずだ。

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