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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第三章 ヤンデレ魔女のやり直し 間違えました、で済む話では無いのだが。

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第132話 新ハーレムと情報整理 聞かれていないなら、ぶっちゃけても良いよな?

「おかえりミオス、ハミィ」

「はい、封印のおさらいと打ち合わせを軽くしてきました」

「同じ方法でしたらぁ、数日いただければすぐ出来ますねぇ」


 数日、かぁ。


「……やっぱり、すぐ出発しないと不味いよな」

「お城では明日にでもと噂になっているようです」

「いやロズリ、休みくらいくれよっていう、まあ確かに楽だったが」


 一方でアサシンのナタリは、

 いま俺たちの居るグレナダ公爵家、

 その客間をチェックしている、中も窓の外も。


「……ドリアードの芽も、アルラウネの芽も無いですね」

「誰かの服に引っかかっているとか、あとメイドの髪やカチューシャとか」

「大丈夫ですよ、私の魔力探知に引っかかりませんでしたから」「さすがミオス」


 とはいえ魔力を完全に消して、

 樹に擬態しているとか無いだろうな……

 そういえば、あの窓から見える樹にドリアードの顔に見えなくもない模様が。


(さすがに考えすぎか)


 念入りに窓をしっかり閉めて、と。


「本当に安心して良いかとぉ、私も感じませんからぁ」

「ハミィとふたりでチェックしてなら、問題は無さそうだな」

「ということはラスロ様、あの魔物さん達の話ね」「ミオス、皆も集まって聞いて欲しい」


 つい小声になって、

 俺は話を切り出した、いや、ぶっちゃけた。


「……アストやナルガから、どうやって逃げ切ろうか」

「やはりラスロ様、そのような鬼畜な事を」「相手は魔物だぞ」

「とはいえ恩義もあるのでは」「得ようとしているのが俺の命かも知れない」


 良い方は違えど、

 事実上は、いや実際は死の危険もありうる。


「元騎士団員として言わせていただきますが」「おうロズリ」

「やはり人間として、国を守る騎士として、相手が魔物であれば斬るべきかと」「ほうほう」

「しかしながら恩義はありますゆえ、魔物関係なくその恩に報いる必要はあるのでは」「どっちなんだよ」


 いっそ、苦しまないよう一思(ひとおも)いに、とかか。


「私も分析はしてはいるのですが」「おっナタリ、聞かせてくれ」

「掴み所が無いと言いますか、甘くてチョロいようで辛辣で恐ろしい」

「それもどっちなんだ」「どちらもですね、残酷な魔物が勇者を愛してしまった、といった感じでしょうか」


 わかり易いんだか、

 わかり難いんだか。


「ハミィはどう思う」

「やはりですねぇ、最後の最後の、最期の封印でぇ、

 魔界に向かって蹴飛ばして、閉じてしまうのが良いかとぉ」


 荒っぽいなあ、

 ていうかサイズ的に俺たちが蹴ってもビクともしなさそうだが。


「まあおそらくは戦闘より舌戦だ、

 上手く丸め込めるかどうかって所だな」

「相手が力ずくで来る危険性は」「ミオスそれは無い、だったらとっくにやってきている」


 まあ、アイツらもアイツらで、

 魔物が人間界へ出て行っている事に、

 不安なり危機感なりがあるのだろう。


「ではラスロ様は、どのような説得を」

「それこそ『百年待ってくれ』とか『来世まで待ってくれ』とか」

「……あの魔物はそこまで頭が悪いのですか?!」「ロズリ、相手の寿命が長いというのもある」


 まあチョロいはチョロいが。


「ここで疑問なのですが」「ナタリどうぞ」

「アストさんがおっしゃっていた『婚姻を詰める』というのは、どのような」

「わからん、わからないから怖い、そして聞いたら拒否権が無い気がする」「はあ」


 話を詰めるのではなく、

 俺自身がアストの身体(大樹)に詰め込まれそうな。


「わかりました、ラスロ様が直接話すと不味いのでしたら、

 私の方から伺ってみましょう」「えっ、ナタリが聞いてくれるのか」

「あくまでも私個人が、私の好奇心で、という事であれば問題ないのではと」


 それなら、内容が本当にヤバければ、

 俺は聞いてない事にして、その後も本当に聞かなければ良い。

 何か対策も練られるかも知れないしな……。


「わかった、ではそれはナタリに任せよう、

 多人数で聞くと俺がこっそり知りたがっているってバレるからな」

「……あと、ふと気になったのですが」「なんだ」「あのナルガさん、嗅覚が鋭いのですよね」「バケモノレベルでな」


 魔物だし。


「聴力も鋭くて、この会話が聞かれているということは」

「それは無い、そのあたりはリムリ……いや、まだ来てない仲魔が得意だが」

「ではその仲魔が、もし向かっている最中だったら」「それでもさすがに聞こえては無いだろう」


 ほんと、魔界の仲魔は有能過ぎた、

 だからこそ今になっても頼らざるを得ないのだが。


「わかりました、聞かれていない前提で、探りを入れて見ます」

「頼んだ、それで出発なんだが、いつくらいになりそうだミオス」

「ラスロ様が判断なさるのでは」「いや、アリナ達の準備次第だろう」


 って、こんな大事なこと、投げ合っても仕方が無いか。


「わかりました、私達の方で調整しましょう」

「アリナともか、ありがとう」「いえ、少し考えもありますから」

「考え……?!」「出発前にやりたいこと、とでも申しましょうか」


 いったい何を考えているのだろうか……?!

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