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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第三章 ヤンデレ魔女のやり直し 間違えました、で済む話では無いのだが。

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第128話 夕食は露天風呂と共に そして思わぬ状況が発覚するのだが

「本当にあったな、巨大な温泉露天風呂」


 帰り道の途中、

 すっかり星空となった帰路で、

 そろそろ夕食を、というタイミングになって、


「近くから温泉の匂いがするぞ」


 とナルガが言うので、

 その方向へ進むと普通は行けない険しい岩山、

 しかしドリアード達は難なく行き着き、そこは温泉の露天風呂だった。


「でもラスロ、なんだか人の手が加えてあるような気がするわ」

「聞いた事があるな、昔、王家のドラゴンだけで行ける温泉療養所があると」

「本当かヨラン、だったら小屋の廃墟くらいありそうだが」「それこそ浸かるだけだったのだろう」


 とまあアリナ・ヨランと普通に温泉内で会話しているのだが、

 俺はしっかりとアスト、ナルガに護られている、というか二人して温泉内の湯船状態、

 ハーレムから身体でガードしてくれているのは良いが、逆に俺が拉致られているみたいだ。


「ハイキョナラコノサキニアルゾ」

「スッカリモリノイチブニナッテイルガナ」

「本当か、じゃあかなり前の世代のなんだろうな」


 とまあドリアード達も交代で浸かっている、

 新ハーレムも気持ち良さそうでミオスとロズリも会話を。


「そういえばダンジュさんは」

「やはりラミアが怖いそうだ」

「なんだ、確かに美味しそうと思った事はあるが食べた事はまだ無いぞ」


 ナルガの言っているのはフォローになっているのかどうか。


「じゃあダンジュくんはまだ」

「ナルガガ、アガッタラ、ハイルダロウ」

「ナカマガイッショニハイル、シンパイイラナイ」


 温泉のお湯もドリアードやアストが吸い上げて、

 水位が下がっている気がするがひっきりなしに湧いてるから大丈夫だろう、

 そして森では他のドリアード達が狩りを、夕食の準備をしてくれている、助かる。


(それにしても、何かこう違和感が……なんだろこれ)


 まあいいや、

 と思っているとわざわざアストが俺の全身を洗ってくれる、

 ナルガは舌でお湯を、いや温泉を呑んでいる、いや汚いだろう。


「ところでぷかぷか浮かんでいるネリィ」

「はいぃ、なんでありましょしょしょうカァ?」

「器用に浮きながら近づいてくるんだなオイッ!」


 ハミィが介護みたいに付き添っている。


「子供達は結局、これから戻った後どうするんだ」

「ん~、あのアスト城にはいつまで預けられるのでしょうカァ」

「だそうだアスト」「残して良いならずっとよ、ラスロが魔界へ戻っても、行き来出来るなら使う事もあるでしょう」


 そのあたりなあ、

 完全にゲートを塞げば行き来はもう出来ない、

 そのために封印作業をやっているからなあ、うん。


(わざわざ魔物を残す理由とか、無いだろうに)


 だが建物を残して貰えるなら、

 あの木造の城はこちらで好きに使える、

 そこにあの子たちを正式に住まわせるとなると、理由が必要だ、あと世話係も。


「いや本当に改めて、ドリアード達には申し訳ない」

「レイナラ、アストサマニ」「アストサマノ、ゴメイレイダ」

「だったらアスト、ありがとう、ナルガも担いで重くなっているだろうに」


 そこへ少し近づいてきたのは、

 新ハーレムでアサシンのナタリ。


「それなのですがラスロ様、むしろ速度は早くなっていますね」

「えっ、どうして」「私の見た感じ、ドリアードの数が四体ほど、増えています」

「い、いつのまに」「ナゼダロナ」「マアキニスルナ」「ヨクアルコトダ」「ダナダナ」


 ……あっ、これはまさか、

 後から、後ろから追いかけて合流したとか、

 分裂したとかでは無く、ひょっとして魔界から、ナルガと一緒に?!


「ナルガ、心当たりは」

「さあ、何の事だ、さっぱりわからないが」

「……尻尾っがびたんびたん動いているが」「湯をかき混ぜているのさ」


 やはりアストと繋がっていたか、

 ラグラジュの森経由で魔界と連絡を取り合い、

 こっちの、最初の封印ゲートで落ち合おうという……


(これ、早く封印を終わらせないと、残りの魔物も両方来ちゃうな)


 そう考えると、

 体がのぼせてきた。


「よし、俺はそろそろ上がる」

「ならアタシもよ、身体を拭いてあげる」

「ではラスロ、私も」「ラスロ様、私もですわ」「いいから!!」


 なぜかナルガ、ヨラン、ロズリと、

 剣士系がまとめて俺の身体を拭こうとしたのだった。


「俺はこの樹の影で拭くよ」

「タオルダ」「おっありがとう、この枝、気が利くな……っておい!」

「ナルガガアガッタノナラ、ダンジュヲヨンデコヨウ」


 ダンジュくんが遅れて来た頃には、

 女性陣はすでに全員上がっていたのだった。

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