第125話 ナルガ登場 ついに来てしまった、二人目いや二体目の仲間いや仲魔!
「はあぁぁぁああああぁぁぁあああーーーーーっっっ!!」
気合い入った声をともに、
自慢の両手にそれぞれ持つ大剣をジャイアントディグモールへ刺すナルガ!
いやほんと久々に出てもこのラミアでけえ、そして剣もでけえ、普通の人間なら両手剣だ。
(それを右手、左手に一本ずつだもんな)
逃げるように潜ろうとするジャイアントディグモール、だったが……!!
「させるかああああぁぁぁあああ!!!」
その声と共に、逆に地面から、
ナルガの鋭い尻尾が生えてきた!
それでジャイアントディグモールの身体を突き刺す……勝負ありだ。
「ギギギギギ……キーッ……」
息絶えたようだ、
相変わらずエグい攻撃、
と思っていると俺の方へ素早く這ってきて……巻きついてきた!!
ぎゅうううううううううううう
「う、ううっ、ナルガ、お、お久し、ぶりっ」
「……これはラスロか、懐かしいなこの骨の軋む音」
「とっ、とりあえず絞めてから確かめるのはやめてくれ、とりあえず、落ち着けっ」
引いてる引いてる、
旧ハーレムも新ハーレムも、
アストはやれやれといった感じ。
「モウイイダロウ、ラスロガオレル」
「久々にドリアードで尻尾の試し斬りでもしようかねえ」
「ヒイイイイ」「だからドリアードで遊ぶなって、前から言っているだろう」
ようやく解放して貰えた俺、
ドリアード達が近づいた事で、
ターゲットを変更しようとしたからだ。
(いつもこうやって解くんだよな、懐かしい)
もはやドリアード達とお約束の呼吸だ。
「ナルガ、その、ありがとうな」
「また貸しかい?」「い、いや、そこまでは」
「アタシはラスロに一体いくつ貸してたかねえ?」
その話になると、やばい。
「私の記憶だと七つだわ」
「さすがアスト、物覚えの良いドリアードだわ」
「魔物同士で連携しないでくれ、俺の命を七回救ってくれた事は今でも憶えている」
……これ以上、この手の話になるのはまずいな、
俺が追い詰められるだけのような気がする、ここは……
「そういえばディグモールが一匹逃げたようだが」
「アタシの食事にしていいかい?」「もちろんだ」
「ではちょいといただいてくるよ、分けないからねっ!!」
物凄い勢いでディグモールの穴へと入って行く、
よくあんな狭い所へと思うが先さえあれば掘るんですよ、
現に土がすげえ吹き上がっている、いやあれ多少の岩でも出来るという。
(さて、逃げるか……という訳にはいかないよなあ)
まずは再封印を、
とっととやって貰おう。
「アリナ、みんな頼む」
「いいの?」「ああ、またでかいのが来ると困る」
「では始めましょう」「「「はいっ」」」「仕上げは任せて」
こうして改めて再封印、
うん、前回より大きく立派で複雑怪奇、
アストが最後に仕上げてくれたおかげで、ゲートが完璧に閉じられたようだ。
「ラスロ、これなら三か月は持つわ」
「えっ、それだけ?!」「どうしてもゲートが、時間で広がっちゃうのよ」
「うーん、アスト、なんとかならないか」「出入口そのものを封印する魔法が作れれば……」
つまり、栓をどうにかするんじゃなく、
瓶そのものを封じ込めろっていう感じかな?
塞ぐんじゃなく包み込む……なんだか難しい話になってきたぞ。
「生け捕りにしてみたわ」
「ナルガおかえり、煮て喰うか焼いて食うか」
「それはそうと、これじゃあ魔界に帰れないわね」「あっ」
ということは……
こっちで世話する仲間いや仲魔が、
一人いや一匹、一体増えたっていうことになるのかー?!
(うかつだった……)
まあいいや、
ここは前向きに捕らえて、
戦力の大幅アップという事にしてしまえ!!
「アスト、このナルガは、乗れるか?!」
「ええ、私の部屋でよければ」「という事だが」
「そうだな、アタシもラスロには、話が山ほどある」
……とりあえず、
仲魔とだけ話そうかな。
「あっ、ダンジュくん……気絶してら」
「ラスロ様、彼、蛇が苦手なんです」「本当かよロズリ」
「ええ、かなり早い段階で、こうでしたよ」「見た瞬間かよ!!」
さあ、一旦は王都へ帰ろう。




