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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第三章 ヤンデレ魔女のやり直し 間違えました、で済む話では無いのだが。

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第118話 新魔王情報 そして平謝りレベルの事件が!

「このジュース、美味いな」

「魔界の実を体内で育てているのよ」

「ちょ、ヤバいのもあったと思うが」「種はちゃんと抜いてあるわ」


 三階のアスト部屋、

 なんだか巨女に包まれているような感覚だが、

 喋るベッドだと思えば……逃げようと思えば逃げられるよな?


「ちょっと外の景色を」

「速度的に風を受けるから、そこの窓から覗くと良いわ」

「天窓じゃなく横のやつか、小さいな、まるでここは監禁部屋か」「風を塞いでいるだけよ」


 確かに外の景色が恐ろしい速度で流れている、

 なんとか下を覗くと……ってここ川の真ん中じゃないか!

 上流へと溯るように、底を走っているのかそれとも泳いでいるのか。


「なぜ川を?!」

「近道みたい、あとは水分補給ね」

「確かに水を飲むからなあアイツら」「私も適当な所で」


 窓から顔を外すと、

 アストの伸びた枝のような腕でベッドへ戻される、

 いやほんと、このまま魔界へ戻されそうで怖いのだが。


(他のみんなは、どうしているのだろうか)


 まさか二階と三階を繋ぐ階段が、

 閉鎖されていたりとかしてないよな?

 まあどうせ降りられないんだし、そこまで閉じ込める必要は無いか。


「それでラスロ、今から向かう先の、

 ラスロが出て行った人間世界への穴なのだけれども」

「おう魔界ゲートな、閉じてくれてて良かったのに」「こじ開けられたのよ」


 ちょっと具体的に聞こうか。


「やったのは誰だ」

「指揮したのは新しい魔王候補、ディグモールね」

「モグラ型モンスターかあ、地下にでも潜んでいたなら俺が気付けないはずだ」


 穴を抜けるのは得意ってか。


「まだ魔王にはなってないのか」

「のはずだけれど、姿が見えないから」

「見える限りのは全部倒したもんな」「ええ、ラスロと私達で」


 モグラ系となると、

 昆虫系と並んでアストやドリアード達と相性が悪い、

 むしろ相性が良いのは……いや、これ以上、魔界から増やす訳には。


「まあ、いくらモグラでもゲートをしっかり防げば」

「抜け穴はいくつか考えられるわ、それこそまた新しい穴を」

「魔王になれば可能か」「その前に手を」「うーん、魔界に行かない方法は」「どうでしょうね」


 うーん、難しいな。


「アスト達で、そこをなんとか」

「できなかったから、こうなっているのよ」

「そ、そうか、そいだよな、すまない」「やはりラスロが居ないと」


 これ、どうしたら良いんだろうな、

 とか考えているとさすがに俺でもわかるくらい、

 ドリアード達が減速したようだ、ここはどこだ?!


「ええっと、ずいぶん早く止まったみたいだが、ここは」

「風が無いなら上から見ると良いわ」「そうか、頼んだ」


 足場を作って貰い天窓から顔を出す、

 身を乗り出して見下ろすと教会が見えた、

 ってここ、もうルバークじゃないか、まだ昼前どころか朝の部類だぞ?!


「いくらなんでも速すぎだろう……」

「降りる?」「あっそうか、ここから下まで」

「行ってらっしゃい」「ああすまない、行ってくる」


 地上までアストの足で、

 いや根で降ろしてもらうと、

 新旧ハーレムが誰かを取り囲んでいる。


「一体どうし……ハンナさん?!」


 聖女ハンナさんが、

 泡吹いて倒れていら。


「オレタチヲミテ、ヒメイヲアゲテイタゾ」

「あー、衛兵とか騎士団とか、お城の関係者には言ってあっても、

 教会にまでは伝えてなかったのかもな」「すぐに治療しますね」


(これはもう、立派な事件だな……)


 結局、アリナとミオスの魔法で事なきを得た、

 目が覚めて落ち着いたら、平謝りをしないと。


「ええっと、ドリアード達は一旦、どこがいいんだろ」


 衛兵さんがすっ飛んできた。


「話は聞いています、どうぞこちらへ」

「だそうだ、ドリアード達、アストも済まない」

「ミズバガアレバ、モンクハナイゾ」「アノウラヤマカ」


 素直に行ってくれたドリアード達、

 客観的に見てもあの移動要塞みたいなのは引くな……

 っていうか、こんなに早く到着して、ここで何をするんだっけ???


(そこそこ重要な案件だった、はず!!)


 食料補給には早すぎるが、さてはて。

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