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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第三章 ヤンデレ魔女のやり直し 間違えました、で済む話では無いのだが。

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第117話【ネリィ回想】 ヤンデレ魔女は目の前で愛する人を失う そしてターゲットはすぐさま、別の男に……!!

「ラスロサマアアアアアァァァァァーーーーー!!!!!」


 目の前で起きた出来事、

 この私ネリィが生涯愛し続けると誓った、

 愛しのラスロサマが魔王と一緒に、火口の中へ……!!


(そして、魔王とラスロ様の反応が……消えた!!)


 それはすなわち、

 マグマの中へ溶けて行った事を表している。


「そんな、そんな……ラスロサマァ……」


 目の前ではヨランが手を伸ばして落ちそうなのを、

 アリナ様が助けている、でも、もうラスロ様の生体反応は……!!


「ラスロサマガ、ラスロサマガ、ガガガガガ」


 魔王を倒せば後はラスロサマとの幸せな日々が、

 たとえハーレムの末席であってもラスロサマを愛する事が出来るなら、

 そう思って地べたを這いつくばるように頑張ってきて、ついにラスロサマとぉ、という目前でぇ!!


(倒せても、魔王を倒してもラスロサマが一緒に死んでは意味ないのですぅ!!)


 あぁ、幸せな計画が、

 ラスロサマと十五人の子供を作る、

 このネリィの幸せ家族計画ガガガガガァァァァァ……


(音をたてて、崩れて、いくぅぅぅ……)


 涙が、溢れだしてきましたぁ……


「ラスロサマァ……ァァァ……ウグッ……ゥァァアァァッ……」


 そしてずっと泣きながら王城へ帰還、

 陛下から大魔導師の称号どうこう言われたものの、私は……


「……ラスロサマァ……ネリィは、ネリィはこれからいったい、どうすればぁ……」


 ハーレムの正妻だったアリナ様も、

 私達を集めて最後の会話、かろうじて理解できた内容は、

 ラスロサマの魂にアリナ様ひとりが生涯、祈り続けるので後の側室は新たな恋を探せ、と。


(この世にラスロサマはもう居ない、だから、他の男性と幸せに、と言われましてもねぇ……)


「ネリィ」「はいぃぃ、アリナ様ぁぁぁ」

「貴女も私の分まで幸せになって下さい」

「そうは言ってもラスロサマがぁ」「次の恋ですよ」「次、ですかぁ」


 微笑みかけてくれるアリナ様。


「ネリィの、ラスロ様との恋は終わったのです、終了です、

 でもまだネリィは若いので、次の恋に移行しましょう、良いですね?」

「でも、でもぉ」「そうしないと、もったいないですよ、これからのネリィの人生が」


 ラスロサマとの恋が終わり、

 次の新しい恋へ移行せよとのお達しがぁ。


「それは、ラスロサマのご命令でしょうかぁ」

「ラスロが生きていれば、ううん、死んだラスロがメッセージを出せるなら、

 きっと新しい恋をして幸せになって欲しい、と」「断言できますかぁ」「ええ、断言します」


 正妻のアリナ様がそうおっしゃられるということは、

 これはもう、事実上、ラスロサマのご命令ということでは!!


「本当に、ほんとのほんとのほんっとうに、良いのですかぁ?」

「早く相手を見つけた方が、より長く幸せになれますよ、ラスロの分も!

「ラスロサマの分もですかぁ」「ラスロもきっと喜ぶわ、絶対に」「そうですかぁ」


 もう私は、このネリィは、

 それを信じる道しか……ない!!!


「わかりましたぁ、そのへんで魔力の強い魔法使いの男性を探してみますぅ」

「はい、それが良いでしょう、私は修道院に籠るのでもう二度とお会いできませんが、

 次の方もラスロと同じように、できればラスロ以上に愛するのですよ?」「わかりましたぁ」


 こうして私は……


「あっ、魔力の強そうな男性、はっけーーーん!!」

=============================================

「という感じで結婚し、子供を七人産んで、

 子育ての最中にラスロサマ帰還の報せを聞いて、

 急いで駆け付けたのですぅ、お話は、以上ですねぇ」「えええぇぇぇ……」


 本当に自分の所だけ、

 独り身の部分だけ抽出して話を終えた、

 うん、これは突っ込まざるを得ないなっ!


「ということでラスロサマへの愛は、絶賛復活中ですよぉ」

「いやいや、旦那との馴れ初めは?!」「忘れちゃいましたぁ」

「結婚するまで、色々とあったんだろう?」「ありましたねぇ、証拠は残っていませんがぁ」


 いや何の証拠だ何の。


「言いたくないのか」「まあ、ようはそうですねぇ」

「実は酷い目にあったとか?」「憶えていませぇん」

「いやこの話、落ちをどうつけるの」「んー、魔王討伐の直後に、朝日をバックに幸せなキスをして終了、でしょうかぁ」


 やっす!

 安すぎて大安売りされてそう。


「ていうか、結婚の馴れ初めを話すんじゃなかったのか」

「経緯は以上ですぅ、これからはラスロサマとの今後の話ですぅ」

「……そうだな、ではネリィ」「はい良いィィ……」「とりあえず、休もう」


 ということでみんな二階のベッドルームへ、

 早速、お風呂を使っている暇ってあるのかな?

 ふと、ここで少し気になった事が出てきてしまった。


「ええっと、俺のベッドは」


 その返事は天井から!


「ラスロは私と一緒に寝るのよ!」

「いやいやアスト、ちゃんと個別のベッドなりをだな」

「魔界ではみんなで雑魚寝してたじゃないの、あのときリムリアが」「行ってきます!!」


 とまあ俺だけ三階、

 アストの住居に戻ったのであった。


(まあ、旦那の事は後で、ね)


 正直、ネリィがチョロすぎて、驚いたよ。

 ……まだまだ調べたい事がいくつかあるが、

 今は魔界ゲート封印が最優先なんだよなぁ……。


「アスト、ただいま」

「おかえり、さあラスロ、私をベッドにして休んで」

「……さすがにそれは」「今日はナルガに抱きつかれたい気分?!」「違うよ!」


 早く街に着かないかなぁ。

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