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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第三章 ヤンデレ魔女のやり直し 間違えました、で済む話では無いのだが。

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第112話 七人の子供 それぞれの情報確認、で今はどこに居るんだよ

 とりあえず魔界ゲートへの足が解決し、

 いやドリアードの連中が乗る小屋を作ってくれているらしいが、

 三階建てってどうするんだよっていう、馬車ですら二階建てとか聞いた事ないぞ。


(話を戻そう)


 今は王城の貴賓室、

 何か旧ハーレムと打ち合わせがあれば、

 いつも使っている部屋だが今日は新ハーレムも居る。


「それで出発前にだが、ネリィの子供達の件は」

「あのですねそのですね、放っておいても構いませんよよよヨヨヨョョョ」

「ネリィは黙っててくれないか」「当事者ですガァ」「客観的に見たいんだ」


 まずはアリナから。


「ネリィの実家に居る娘さん達に話を聞いてきました」

「それで、どうだった」「まずは遡って、急にネリィが居なくなった時の事ですが」

「ああ、びっくりしただろうな」「というより、わけがわからなかったそうです、理解不能と」


 突然、飛び出したらそうなるよな。


「それで父親は」「忙しいから聞いてこい、と」

「子供にか」「長女と長男に」「その間、他の子は」

「父方の両親や伯母が、ただ手のかかる子だったようで」


 あー、色んな意味で想像がつくな、

 ネリィが子供になったらとか、ネリィの愛する子の育て方とか、

 あまり躾けるとかせずネリィ自身が何でもかんてもやってあげていそうだ。


(だからこそ、急に消えたら……)


 ネリィはじーっと俺の方を見ている。


「聞いて来いって言われて来た長女や長男に、

 ネリィは何と答えたんだ? 再現してみてくれないか」

「はいぃ、えっとぉ、『選択を間違えました、やり直すのでお帰りくださいませ』だったかとぉ」


 酷いな実の子に、

 ミオスがネリィのこと辛辣に言ったのも無理は無い、

 表現は言い過ぎのような気はするが……俺が遠慮せず言えって言ったんだっけ。


「でも、すぐには帰らなかったんだよな、えっと、アリナ」

「はい、理由をちゃんと聞くまでは帰れないと、繰り返し説明を求め、

 結果、する事の片が付いたら帰るから、先に帰れと」「騙したのか」


 とネリィを見ると。


「ラスロサマと幸せな家庭を築いて、一生添い遂げて、

 それで片が付きますねぇ、あとはもう、どうとでもなれでスゥ」

「つまり死んだら帰ると」「ミナまで言う必要は、無かったかとォ」


 ハミィにも確認を。


「息子たちの方は」

「同じですね、叔母があまりに世話をし過ぎていたため、

 きょうだいの間で世話するという事がほとんど無かったので、それはもう大変なことに」


 ようは、こういう時にあるような、

 長男長女が下の世話を見るって事が出来なかったのか、

 しかもその長女長男は理由を聞きに遠く離れた王都へ行かされたという。


「それで帰った後の話は、これはアリナに聞くか」

「はい、父親は『今は忙しいのでみんな王都で面倒を見て貰え片道の金は出す』と」

「……なんというか、父親は父親でこれまた酷いな」「ザブエル氏ですねえ」「まあ、それは後だ」


 馴れ初めは置いといて、

 今は来ちゃった子供達の問題だ。


「ネリィがこれから再封印に出るにあたり、

 場合によってはかなり時間がかかる可能性もあるが、

 その間、それぞれ世話になっている所で面倒は」「無理だそうです」「無理ですね」


 もう無理かあ。


「ネリィ、どうするんだよ」

「お金は出しますからぁ、また送り帰しまショゥ」

「そしたらまた来るんじゃ」「したらマタァ」「おいおいおい」


 どうするんだよ、まったくもう。


「俺が自ら出向いてお願いしてみるか、まずはネリィの実家から」

「無理ですネェ、私自身があまり来ない事に、腹を立ててしまったみたいでぇ」

「ネリィの両親がか」「なにでもう、面倒見る義務は無いトォ」「困ったもんだな」


 そうせネリィが『もう別れた』とか言ったせいもあるのだろう。


「ハミィの実家は、まあネリィの姉の嫁ぎ先だからあまり関係ない話のはずだが」

「そうですね、正直、ラスロお兄さまとその側室、ミオスさんロズリさんナタリさん、

 この四人がというのであれば歓迎されますでしょうが、正直言って……」「そりゃあ歓迎されてないよな」


 俺が引き取るって言うなら、まだしも。


「ですのでもう追い出されています」「えっ」

「ネリィの実家もですよ」「実家もってアリナ、それじゃあ」

「きょうだい七人とも、すでにそれぞれの屋敷を追い出されています」


 それは可哀想すぎるだろう。


「じゃあ、今はどこに」

「どこでしょうね」「叔母さん、どこですか」

「えっ、アリナもハミィも知らないのか」「私は知ってますヨォ」


 さすが母親、っておい!!


「ネリィ、どこだ」

「お屋敷ですネェ」

「誰の」「ラスロサマの?!」「えっ」


 つまり、どういうことだ。


「俺の屋敷って」

「王都内の、湖の畔ですネェ」

「ということは」「アストさんのお城でスゥ」


 なんで魔物の棲家にぃ?!


「いいのかそれ、誰が世話しているんだ」

「ドリアードさんたちに『ラスロサマが引き取るかも知れない子供達』と説明したら、喜んでェェェ」

「お前なあ……」「ああいうのは、方が付くまで押し付けておけば良いのデス! デスデスデスデス……」


 何を自分でエコー付けてるんだよ!!


「よし、会いに行くぞ」「エッ」

「出発前にけじめをつけるんだ」

「では、ラスロサマが何人か見繕ってェ」「子犬や子猫の譲渡会じゃあない!!」


 ドリアードの連中にも、

 謝らないとな……あとアストにもか。

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