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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第二章 エルフに嫁いだ弓使い しかし本当に愛する人が戻ってきた以上、抱きしめずにはいられない!

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第101話 俺は例の話を打ち明ける そして改めて、俺の身体に何か仕込まれていないか診て貰うのだが。

「なんだ、ここは」

「精神統一の修練場です、完全な無音に出来ます」


 窓の無い地下の部屋、

 清潔ではあるものの四方を白い壁に囲まれ、

 天井の照明魔石とドア以外は本当に何も無い、殺風景な場所だ。


(こんな所に監禁されたら、発狂するな)


 だからこその修練場か、

 アリナが居た修道院の中も、

 ひょっとしたらこんな感じだったのかも。


「さあ、ここなら誰にも聞かれません」


 笑顔のアリナ、

 扉の方は一応、ナタリが見張っている、

 立ったまま水も無いが俺は説明をしないといけない。


「まずは俺の希望通りの場所を用意してくれて済まない」

「それで、他の方に聞かれたくないという話って何かしら」

「ああ、引かないで聞いて欲しいのだが」「全てを受け入れます」


 一応は他の三人も見る。


「私もラスロ様が、全てですから」

「ネリィはラスロサマの声だけでもう、モゥ……」「いや話の内容は聞けよ」

「叔母は置いといて、叔母の分も聞きますから」「よしわかった、実は魔界での出来事なんだが……」


 という感じで俺はすでにロズリ達に話した、

 アストとの出来事を、回想を足しもせず減らしもせず伝えた、

 いや、余計な事を言うと話がこんがらかるからであってだな……


(やましい事なぞ無いぞ、何も無いぞ!)


 と自分に言い聞かせながら……

 そしてここから話を足そう、なぜならドリアード族が出てきたからだ、

 回想を踏まえ、ラグラジュ大森林の封印後、奴らがやってきてアストについても……


(そして街の食堂で、おそらく話を聞かれたであろう所まで話し切った)


 ふう、一息ついて、

 全てを把握して貰ったアリナに、

 俺は改めて聞く、そう、俺の身体についてだ。


「……ということでだ、アリナ、俺の身体、何かされていないか?」

「魔物の気配はありませんね、そのドリアードの種も、どこにもくっついていないようです」

「体内にもか」「はい、もし完璧に隠ぺいしていたとしても、実はすでに浄化魔法を」「いつ?!」「再会した時です」


 あの時すでに、かあ。


「その時点では」「何もなかったはずです」

「じゃあ、俺は呪いとか種とか本当に仕掛けられては」

「そんなに心配ですか?」「ああ、正直言って、不安だ」


 光魔法を無詠唱で俺にかける、

 これは……診て貰っているのだろう。


「確実に何もされていませんね、よほど信頼されていた、信じられていたのでしょう」


 安心したが、

 それと同時に、

 うん、確かにそれはそれで恐ろしいと言えるな。


「では怒って殴り込んでくる可能性も」

「私の、いえ私達の造った封印を素通りできるのであれば、来てもおかしくないですね」

「ど、どど、どどどうすれば」「相当なお人好し、いえお魔物好し? らしいので、また言い包めば」


 つまり騙せ、と。


「今はまた魔王が誕生したから、とかか?」

「そのあたりはラスロ次第だけど、下手をすると今度こそ何か仕込まれるかも知れません」

「ならどうすれば」「どうしましょう」「いや相談しているんだが」「一緒に考えましょう!」


 なぜかにこやかなアリナ、

 そしてミオスを見ると……


「やはりこうなったら、討伐しますか」

「魔界で俺を支えてくれた、仲間をか?!」

「でも害を為してくるようであれば、仕方が無いかと」


 害かぁ、

 俺が詐欺しただけな気がするのだが。


「ネリィはどう思う」

「はい、ラミアの方が執念深そうですネェ」

「えっ、そっちか?! 蛇系の魔物は本当に、しぶといですからァ」


 うん知っている、

 俺はその、ナルガのタフさに、

 何度も何度も何度も何度も助けられたクチだ。


(俺を背負って、もしくは抱きかかえて逃げ切ってくれた事の多さよ)


 とくに最初の四年、

 俺とペアを組んでいた頃に。


「ハミィは、どう思った」

「えっとまず、お兄さまのおっしゃられる強さであれば、

 本気を出されたら防ぎきれる気がしません」「まあな」


 途中の街なんざ、

 ドリアードだけで植物に支配されてしまうだろう、

 俺もつくづく『味方で良かった』と魔界で感じたものだ。


「なので、丁重におもてなしするしか」

「魔物をか?!」「でも功労者なんでうよね」

「ああ、魔界でのパーティーメンバーだ」「では陛下にもお話しないと」


 ……頭痛の種を増やすだけのような気がするが、

 植物(ドリアード)なだけに、相手が植物(アルラウネ)なだけに。


「そうだラスロ」「どうしたヨラン」


 急に話に入ってきたな。


「ずっと仲間だったんだ、アルラウネの弱点くらいは」

「氷魔法を喰わせるのと、あとは強く濃い闇魔法くらいか」

「闇魔法ならこのネリィめに」「叔母だけでなくこの私もっ」


 一応、対策だけは練っておくか。


「それでラスロ」「エミリなんだ」

「もう、これ以上は隠し事は無いわよね?」

「なっ、なななな何の話だ」「魔界でのパーティーは、それだけだったの?」


 やべえ、

 そこは触れて欲しくない。


「とりあえずは、アスト対策だ!

 陛下に説明しないといけないんだよな、

 まだ話を聞いてくれるか、最悪、宰相でもいっか!」


 と強引に話を打ち切った俺であった。


「ラスロ……」

「エミリはとりあえず、子供の様子を見て来てくれ」

「わかったわ、説得してみる」「何を」「私達の子供になる事を、よ」


(……ええっ?!)

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