表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

第8話 「邂逅、前世の友」

タロウとアリスは王都からの脱出に成功し、新たな目的地を定めるべく旅を続けていた。


「この先、馬喰いの森が広がっているそうよ。注意が必要わね」


とアリス。


「うん、心して通過しよう」


森に入ると、馬の悲鳴が聞こえた。駆けつけると、馬喰いモンスターが馬を襲っていた。

タロウとアリスが撃退すると、少年が駆け寄ってきた。


「助かった! 僕の馬だ」


少年は自分をリードと言い、旅の少年修行中だと話す。その雰囲気が、匂いが、姿が何故かタロウの懐かしさを誘った。


「リード、俺たちと一緒に旅を続ける気はないか」


タロウが誘う。リードも快諾し、3人で旅をすることに。

その頃、ゼノンはタロウの死地である地球に到着していた。


「ここでタロウを引きずり下ろせば、我が教団は世界を手に入れる!」


ゼノンは転生前のタロウが事故に遭った場所に魔物を召喚。辺り一面は騒然となった。

一方、タロウとアリスはリードと街道を歩いていた。すると、盗賊団に囲まれてしまう。


「金品を引き渡せ。そうすれば命だけは助けてやろう」


リードが怒って反抗すると、盗賊団は刀を抜く。アリスが前に出る。


「邪魔するな!」


盗賊団はアリスの力を恐れて引き下がる。タロウがリードを抱え、3人で盗賊団を振り切って逃げた。


タロウたちは盗賊団の襲撃を振り切り、リードとともに街道を進んでいた。

リードは懐かしさを感じるタロウに、自分のことを話し始める。


「僕は村の孤児だったんだ。ある日、旅の騎士に助けられて弟子入りを許された」


リードの話を聞く内に、タロウは過去の記憶を思い出していく。


「そうだ、俺も前世ではリードの友達だった!」


リードは、タロウの前世で飼い猫だったのだ。


ある日、迷子の子猫だったリードをタロウが拾い、可愛がって飼うことになる。


二人は飼い主とペットとして深い絆を築く。しかし、交通事故でタロウがこの世を去ると、リードも後を追うように命を落とす。


そんな運命的な出会いから、リードは今世でもタロウとの再会を果たす。前世の記憶を取り戻し、タロウを護ることを誓うのだった。


驚くリード。アリスも


「運命的な邂逅ね」


と言う。3人で旅をする約束をふたたび交わした。

一方、ゼノンは地球で交通網を乱していた。その影響でタロウの転生した世界にも異変が起きる。

タロウは頭痛と震えがする。


「何だろう、ちょっと調子が悪い」


「前世との繋がりの影響かしら」


アリスが心配する。

リードが


「僕たちが力になるから大丈夫!」


と声をかける。

タロウはリードとアリスの言葉に力づけられ、立ち直る。


「ありがとう。みんなのためにも、落ち込まないで戦うよ!」


3人の絆が強まったその時、メルザ率いる教団の刺客が現れた。激しい戦いが始まった。


タロウたちの前に、メルザ率いる黒の教団の刺客団が立ちはだかった。


「ゼノン様の命令だ。お前らを生け捕りにする!」


メルザたちが一斉に襲いかかってくる。タロウとアリスはリードを護りながら戦う。

アリスの剣技とタロウの魔法が刺客団をなぎ払う。追い詰められたメルザは、奇襲に出た。


「ぐあっ!」


タロウが背後から斬られ負傷する。

アリスとリードが悲鳴を上げる。怒り心頭に燃える二人が反撃すると、メルザたちは辛うじて逃げ去った。


「タロウ、大丈夫かしら!?」


アリスがタロウの傷を心配する。


「うん、何とか...」


傷は深かったが、一命は取り留めた。

近くの村で傷を手当てしてもらい、3人は休息する。今後の対策を練らねばならないと、タロウは思った。


一方、ゼノンはタロウの死地である地球で、新しい計画を実行に移そうとしていた。


「次はタロウの過去を狙おう。タロウを支配下に納めるための材料を得る時だ」


ゼノンの命令で、メルザたちはタロウの住んでいた町へと向かっていた。

過去を変えられるとしたら――。タロウはその可能性と危険性に胸を痛めているのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ