第7話「王都の陰謀」
タロウとアリスは王都にたどり着き、国王に謁見したが、国王の言動には怪しさを感じ取った。
夜、二人は王都の町を歩き、情報を集めている。すると、一人の老婆が声をかけてきた。
「お前たち、国王に用心した方がいいぞ」
アリスが老婆に尋ねる。
「何故に 国王が危ないのか、御存じならお話し下さい」
老婆はこう語った。
「国王は地下組織に操られている。王も国ももう終わりだ」
重大な情報に、タロウとアリスは表情を強張らせる。
一方、教団アジトではゼノンが新たな作戦を練っていた。
「タロウを引きずり下ろすには、転生の弱点である死地が鍵だ。死地を突き止めよ!」
手下の盗賊メルザが
「死地は遠く離れた異世界にあるとの情報を得ました」
と報告する。
ゼノンは
「よし、異世界の死地を求めて出発する!」
と命じた。
そのころ、タロウとアリスは王都の地下迷宮を探索していた。
「ここに国王の秘密が眠っているはずよ」
巧みな錠前開けで謎の扉を開けると、そこは邪悪な気配に満ちた祭壇の部屋だった。
「この国では人殺しの儀式が行われていたのね」
怒り心頭の二人。その時、部屋が警備陣に包囲された。
「お前らに国の秘密を知られては困る。消せ!」
こうしてタロウとアリスは、王都からの脱出を図ることになったのだった。
タロウとアリスは王都の地下祭壇を発見したものの、警備兵に取り囲まれてしまった。
「お前らには国の秘密を知られては都合がわるい。排除する!」
警備兵が一斉に襲い掛かってくる。アリスが飛び退き、
「タロウ、この隙に逃げるのよ!」
と叫ぶ。
二人は警備兵をかわしながら、地下迷宮を駆け抜ける。暗闇の中を懸命に逃亡する二人を、警備兵が追跡する。
「見失ったか...」
隙間から外の通りに出た二人。
「うん、追手を振り切ったみたいだ」
アリスが後方を確認すると、警備兵の姿はなかった。タロウはホッとする。
その頃、ゼノンはタロウの死地を求めて、異世界・地球に降り立っていた。
「ここがタロウの死地か。いい迎えを用意してやるよ!」
ゼノンは転生前のタロウが交通事故に遭った場所に、魔物を召喚したのだった。
一方、タロウとアリスは王都からの脱出に成功し、地下水路を進んでいた。
「これで何とか国から離れられたわね」
アリスが言う。
「うん、この国の真相も見えてきた。でも、まだ先は長そうだ」
タロウがそう言うと、ふと頭を痛みが襲った。何かが起きているのを感じ取っていた。
二人は水路から地上に出る。次なる目的地を定めるため、旅の足を再開させたのだった。




