表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

第2話「魔力の覚醒」

アリスと森を抜けると、目の前に小さな村が現れた。


「この村はアルフィ村という名前だよ。ここで少し休憩しましょう」


案内されるがまま、村の中にある旅籠に入る。


「ふーむ、あなたは転生者のようだな」


突然、傍らに座っている老人が声をかけてきた。


「はい、ここでの常識がよく分からないので...」


「良いとも、お前さんの魔力を覚醒させてやろう」


老人は杖を持ち上げ、不思議な言葉を唱え始める。杖先から光が溢れ出し、僕の身体を包む。

すると、頭の中に魔法の式が浮かび、身体の奥底に眠っていた力が目覚めるのが分かった。


「これでお前さんの魔力は覚醒した。使い方を習得すればな」


「ありがとうございます!」


ひとまずこの世界で生きていく力を手に入れた僕は、アリスに魔力覚醒を報告する。


「タロウ、魔力を得たのね。それはとても良いことだわ」


アリスは嬉しそうに言う。


「そうだね、これから魔法を練習していけば、強くなれるはずだ」


「その通り。私も魔法が得意なの。一緒に鍛練していきましょう」


アリスとの魔法修行、そして魔法の国を目指す旅が始まった。


アリスと二人で旅をしながら、僕は基本的な魔法の練習を始めた。杖を使って小石を浮かせたり、火の玉を作ったりする魔法を習得していく。


「ふむ、タロウの魔力はとても高いようだ。大成するかもしれない」


褒められると嬉しくなる。


「アリスも上手だよ。一緒に鍛練していこう」


「ええ、そうしましょう」


アリスは少し照れながらも、僕を見守ってくれている。



そのころ、魔法の国の秘密結社では、ある計画が進行していた。


「我らの目的を果たすには、封印を解く必要がある。しかしそのためには、超強力な魔力の持ち主が必要だ」


「では我々は、そのような魔力の持ち主を...」


「そうだ。探し出して、封印解除の儀式に利用するのだ」


邪悪な秘密結社の目論見が、静かに進行していく。

一方その頃の僕は、魔法の腕前がだんだん上達してきたことに気付いていた。


「俺、結構才能があるみたいだね」


「ええ、タロウは魔法に向いているわ。でも油断は禁物よ」


その日も夕方、僕とアリスは森の中で魔法の修行をしていた。火の魔法を練習中、僕はふと横を見ると、アリスが傷付いていることに気づいた。


「アリス、その傷は?」


「あ、これはさっき木に引っかけたの。平気平気」


アリスは傷を隠そうとするが、僕は見過ごせなかった。


「そんな傷で大丈夫か? 治療魔法を使おう」


「え、でもタロウはまだ練習段階でしょう。私は平気なのに」


アリスは必死に止めるが、僕は耳を貸さなかった。治療魔法は難しいが、アリスのためなら使ってみる価値がある。

僕は杖を傷に向け、回復の呪文を唱える。すると奇跡的に傷が癒え始め、完治した。


「わあ、うまくいった! こんな難しい魔法が!」


アリスも驚いている。

「タロウ、予想以上の才能があるのね。これからもっと強くなれるわ」


「ありがとう、アリス。これからも一緒に頑張ろう」


僕はアリスを助けられて嬉しかった。二人で支え合い成長していく日々が、これからも続いていくのだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ