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神の守護騎士  作者: 月岡
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新たな決意と

「僕が、ルクスさんに……?」

「あぁ、ネロの代わりに同行してくれ。」


 突然呼び出されたかと思ったら、どうやらルクスの巡回にゾグが同行してくれないかとエテルに頼まれた。ゾグにとっては願ってもないことで、ルクスを知れればいいと思っているが、自分でいいのだろうかと思うところもあった。ルクスは同行者はいらないと言っているが、教会側はそうもいかず、事情も知っているゾグをあてるしかなかった。ただ、エテル的には、何かあった時ルクスの肉壁にでもなってくれればいい、と言う考えしかない。


「準備をして待っているといい。」


 そう言い残し、エテルは忙しそうに再び書類に目を落とす。ゾグは部屋から出ると、自分の部屋に向かった。




 ルクスはネロの所へ来ていた。エテルやウベルトは、牢屋に自体行ってほしくないようだが、今のルクスには必要だろうと渋々好きにさせているようだった。

 アレスとセーアの頭を鉄格子の隙間から撫でる。双子の場合、今日明日中にでも出られるだろう。素直な子供だ。ルクスの言うことは聞くだろう。


「巡回?」

「うん。」

「俺がいなくて、大丈夫?」

「……うん。」


 暫く沈黙が続く。

 ルクスはネロがやってきた事を知っていた。それを止めなかった自分も同罪だと思っている。それを訴えても、エテルやウベルトがそれを認めないだろう。むしろ、これ幸いと面倒事をネロに全て押し付けようとしている。処刑はされないだろうが、会える機会を減らされる可能性がある。それだけでもルクスは嫌だった。


「相手って、ゾグ?」

「よくわかったね。」

「あいつ、俺たちに連れ回されてろくに戦闘訓練受けてないだろ。大丈夫か?」


 ルクスは微笑む。こんな時でも心配をしてくれる。


「私はこれまで通り、ネロのいる世界を守るから……。」


 そう言い残し、ルクスは牢屋を後にした。






 ルクスは不意に振り向いた。


「私がいくら呼びかけてもこたえてくれなかったのに、今更何の用ですか?」


 視線の先には、ルクスと瓜二つの存在があった。


()の力を奪おうとしているのだから、無視は出来まい。」


 実体のない存在のため、ルクスと同じ姿で現れた神は、口ではそう言うが随分と余裕があるように見える。


「……わかっているのか?神が変われば世界の理も変わるのだぞ。」


 この世界は魔力を必要とする。それは絶対的であり、例え人間の生活で魔力を必要としなくても、世界の維持には必要不可欠なのだ。


「始まりは()ではない。魔力の塊だ。魔力が世界の根源だと言うことを忘れてはいけない。」


 神の力を奪うとなれば、ルクス自身神に成り代わると言うことだ。同じ考えでなければ、ルクスの考えた世界の在り方になる。しかし魔力から生まれた世界は、魔力ありきで存在している。覆らない。

 裏を返せば、どう足掻こうが魔力に頼らなければならない世界になると言うことなのだ。


「どう変えるのか楽しみだな。」


 そう言い残し消えようとするのを、慌てて止める。


「待っ……。」

「そうだ。気付いているとは思うが、仲間の動向は気にしておけ。」


 ルクスの静止も虚しく、神は消えてしまった。次に応えてくれるのはいつだろうか。それよりも、最後に言い残した言葉が焼き付く。

 そんなことなど、とうの昔から気付いている。




 意識が現実へと戻る。傍らではゾグが心配そうに語りかけている。


「ルクスさん!大丈夫ですか?」


 教会の巡回船に乗り込み、気が付けばボーッとしたルクスを発見し、何の反応もしなくなったルクスに必死に話しかけていたが、漸く目が覚めたと安堵の声を漏らす。


「少し考え事をしていただけですから。」

「そう……なら、いいんですけど。」


 やはりネロのことだろうかと、ゾグはそれ以上話さなかった。


 今回は、以前行ったノール国へ経過観察へと向かっているところだ。第一王子のハンネスからは良いように思われないだろうが、精霊の様子と妖精の増減など、確認しなければならない。

 ノールは相変わらず曇天だが、以前よりは日が差し込んでいるようで、重苦しさもない。


 気を取り直さなければと、ルクスは巡回に集中するのだった。

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