もう1つの悩み事
ソティリスはシニスへ派遣している騎士の報告書を読んでいた。途中まで黙々と読んでいたが、突然笑い始め臣下は驚く。
「ははははっ!どうやらオリエス国王に隠し子が大勢出てきたらしいぞ。」
「はぁ……?」
報告書を臣下に渡すと、ソティリスは未だ笑いを堪えきれずに肩を震わせる。臣下は報告書に目を通す。
「……国の混乱に乗じて、随分不敬なことをしていますね。」
どうやら、至るところから国王の子供だと城に押しかけられているようだ。死人に口なし。真実を知るものはいない。
「嘘で成り上がりたいものかね。少なくとも彼は愛妻家だと聞いていたが。」
残りの文面に目を通し、ソティリスに告げる。
「さすがの王妃様も、黙っていないようですね。やっと重い腰を上げたみたいです。それと、もう少しで教会が完成するようです。」
「ようやく葬儀が出来るのか。楽しみだな。」
「不謹慎ですよ、陛下。」
机に脚を乗せ、大きく伸びをするソティリスに臣下は行儀が悪いと諌めるも、無視をして話を進める。
「ルクス様はいつ頃着く?」
「明日の昼頃かと。」
そうか、と一言いうと、ソティリスは立ち上がり中庭が見える窓の外を眺める。中庭ではリアンが侍女と共に本を読んでいる様子が見える。
「例の件、怪しい奴の見当はついているのか?」
リアンの様子を伺いながら、ソティリスは臣下に問いかける。こちらの様子に気付いたリアンが手を振り、それに手を振り返す。
「陛下の疑っていた通りかと。」
「客人が来る前になんとかしなくてはな。」
「承知しております。」
臣下は頭を下げ部屋から出た。
リアンは窓際から離れるソティスを確認すると、少し咳き込む。侍女が慌てて背中を擦る。
「最近良くなってきたと思いましたのに……。」
「ゴホッ……大丈夫だよ。」
心配そうな表情の侍女をよそに、リアンは笑顔で読書を再開する。しかし風が強くなり始めたようで、ビュウビュウと音がなり始めた。
「リアン様、風が冷たくなってきました。お部屋へ戻りましょう。」
侍女の言葉にリアンは渋々読書を止め、手を繋ぎながら部屋へと戻って行くのだった。




