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町の出口まで、ウベルトとゾグが見送りに来た。
「ゾグもエテルと一緒に戻りなさい。」
ウベルトに言われ、ゾグは驚く。てっきり復旧作業に加わるものだとばかり思っていたからだ。
「君は新人だ。一通りの訓練を受けなければいけない。」
「わかりました……。」
元々、研究の発端となったため連れてこられたわけだが、何の役にもたてず来た意味がない。しかしゾグは新人で、ものを言える立場ではないため、素直にそれを受け入れるしかない。
ルクスたちを見送った後、王宮騎士団の1人が走ってくる。ゾグは特に何も思わずすれ違うが、ネロの名を呼ぶ声が聞こえ、振り向く。
「ネロ!」
知り合いかと思い足を止めていたら、ウベルトに促されそれ以降話を聞くことはなかった。
「二度と呼び止めるなって言っただろ。」
冷たく言い放つネロだが、クリスは気にしていない様子で話す。
「暇なときにでもまた会えないか?久しぶりに再開したんだし。」
「暇なときなんてあるのか?」
「いずれは落ち着く。」
皮肉っぽく返すも、クリスは素直に答える。うんざりした顔で、ネロはルクスの肩を抱き、行こうと促す。クリスは引き止めようとした時、腰に何かがぶつかってきた。腰には子供がいたずらっぽく笑っている。
「しつこいと嫌われるよ?」
「空気読みなさいよ。」
突然アレスとセーアが現れた。ネロは双子を睨む。
「っと、君たちどうしたんだい?」
見知らぬ子供に困惑する。ルクスが双子にこちらに来るよう促す。
「すみません。教会で預かってる子たちなんです。」
クリスは子供の耳が尖っていることに気付く。エルフだろうかと聞こうとしたが、被害者がエルフだと知っているため、これ以上は何も言えなかった。
ネロは無言で背を向ける。続いてルクスと双子も歩き出す。
「また後で!」
ネロは何の反応もしなかった。
「お兄さんカワイソー。」
セーアがからかうようにネロに絡む。決して本心ではないが、何度も可哀想と言うため、ネロはセーアの頭に拳を落とした。
「痛い。」
セーアは両手で頭を擦る。
「今度僕たちも一緒に連れてってよ。」
「だめ。もう少し大きくなってからね。」
アレスの要望も、ルクスに軽くたしなめられるのだった。
ネロたちの姿が見えなくなり、クリスも本来の業務に戻る。ブロウに戻ったことを伝える。
「すまないが、君に任務がある。」
「こんな時にですか?」
王が行方不明で混乱する中、それ以上のことがあるのだろうかと疑問視する。しかしその任務内容を聞き、クリスは驚くのであった。
「先程の彼らを監視してほしい。」
監視と言う言葉に、クリスは困惑するのだった。




