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神の守護騎士  作者: 月岡
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 翌朝、教会のあった場所には人だかりができていた。王宮騎士団が誰も入らないよう壁を作る。教会本部からも、数人の騎士団とウベルトがやってきたが、教会が跡形もなく消えているのを見て、しばらくあ然としていた。

 城の前にも人だかりができている。それは王に対するものだった。


「なんでも人体実験してたらしいわよ……。」

「お前のせいで俺たちも巻き添えになるところだったんだぞ!」

「あぁ、神よ……。」


 怒号が聞こえる中、城内も慌ただしい。


「陛下!誰か陛下を見なかったか!」

「自室にもいない。全部の部屋を探せ!」


 どうやら朝から王の姿が見当たらないらしい。逃げたのでは?と、誰かがこぼす。王の子供はまだ幼く、この情況を宰相が仕切るが、王も見当たらず、住民たちも落ち着かせなければならず、困り果てている。



 教会跡地では、エテルが息を切らしながら遅れてやってきた。


「すまない、遅れた。」


 周囲を見渡し、ため息をつく。


「集魔石のみの魔力だったからこの程度で済んだのか……。」

「この程度、ね。」


 ウベルトは引き気味に呟く。普通の感覚では、建物が跡形もなく消滅していること自体ありえないことだ。


「王が行方不明らしいが、城はあっちにまかせるしかない。私たちは私たちの仕事をしようか。」


 ウベルトは周囲の様子など気にせず、教会騎士団に指示を出す。とにかく整地してしまおうと、急がせる。


「後は任せた。私はルクス様の様子を見てくる。」


 そう言い残し、ウベルトはエテルにその場を任せ、混乱する城へと向かう。




 騒がしい中、ルクスはまだ眠ったままだ。何度も部屋に陛下を見なかったかと家臣たちが訪ねて来たが、起きる気配がない。


「王様どこいっちゃったんだろーね。」

「やっぱり逃げたんですかね?」


 ジュリアンとゾグは、ルクスを見守りながらも退屈そうだ。ネロは鬱陶しそうに言う。


「いいからお前らは手伝ってこいよ。」

「やだよー。絶対エテル団長にこき使われるんだもん。」

「……僕、いってきます。」


 じっとしていると余計なことまで考えてしまうため、ゾグは少しでも助けになればと部屋を出ようとした。だが、それと同時にウベルトと鉢合わせしてしまった。


「む、すまないな。」

「い……いえ、ごめんなさい。」


 固い胸板にぶつかり、ゾグは鼻を押さえる。


「ルクス様はまだ目覚めぬか。」


 眠るルクスを見て、ウベルトは心配そうにする。それはただ眠りから覚めないからか、目覚めるのが本当にルクスなのかわからないから不安なのか、ウベルト本人にもよくわからない感情だった。


「……ここはいいから。」

「そうか。」


 ネロとウベルトはそれだけ会話すると、ゾグとジュリアンを連れて出ていった。

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