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神の守護騎士  作者: 月岡
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2

「キミははじめましてだよねぇ?」


 不意に話しかけられ、ゾグは思わず返事をする。


「はいっ!」

「キミ、勘違いしてるよ?」

「え?」


 まるで心を読まれたかのような発言に、ゾグはドキッとする。


「キミはオレが魔物被害の犯人だと思ってる。でもそれは間違いだよ。犯人は別にいるんだから。」


 意地悪気な笑みを浮かべ、誰かに視線を移す。まさか教会の人間が犯人か?と冷や汗をかきながら、ゾグはその視線の先を追った。


「そこまでにしなさい。」


 急に声がしたと思うと、その場にワイスが現れた。リーヴィオはつまらなそうな顔で舌打ちをする。


「人間のくせに指図しないでもらえますぅ〜?」

「少なくとも、神官長を殺したのはリーヴィオ、君だ。」

「オレにだって仲間意識はあるんだけどなぁ。」


 まるで仇討ちをしたとでも言いたげなリーヴィオに、ワイスは呆れる。リーヴィオはルクスに同意を求めた。


「ルクス様はわかってくれるよねぇ!?バカは死ななきゃ治らないんだよ?」


 それはまるで、同意すると確信しているような物言いだ。しかしルクスは何も言わない。リーヴィオが神官長を殺したことがショックだったのだ。研究についての全てを聞き、懺悔させ、研究を止めさせる。それだけでいいのだ。殺す必要などない。確かに殺せば解決するのだろう。だが、それでは駄目なのだ。

 しかし心のどこかで、リーヴィオの言い分もわかってしまう。幾度となく大地が死に、蘇らせ、争いを止めようとも、忘れた頃に再びそれは起こる。


「人間がバカで学ばないから、神様も出てこないんだよ。」

「口を慎め!」


 ワイスが怒鳴る。少し焦っているようだ。


「どうして?せっかく寝坊助な神様を起こそうとしてるのに。」

「神様を……起こす?」


 怪しい笑みでゾグを見る。続いてネロに視線を向け、口だけを動かし何かを伝えた。みるみるうちに表情が青ざめたと思うと、すぐ険しい表情になり銃をリーヴィオに向かい撃つ。しかしそれは避けられてしまった。


「っと、危ないなぁ。」

「ふざけんなクソ野郎!!俺は認めない!!」


 初めて感情を爆発させているところを見たゾグは、驚き困惑する。


「ネロさん……?」

「もしかしたら今度こそ、精霊が犠牲になりかねないんだよ?」


 ネロは何度もリーヴィオに向かい銃を撃つ。しかし全て避けられ、余計にネロの怒りをかうだけだ。ジュリアンが羽交い締めにし、暴れるネロを抑える。


「ルクス、耳を貸すな!」


 ネロが叫ぶ。


「ただの器のくせに、でしゃばるから仲間が死んだんだ!そして次はきっと精霊!」

「……器……私が、器……だから……。」


 リーヴィオは楽しげな表情をしながら言う。


「器に感情はいらないよ、お人形さん。」


 その瞬間、その場の全員背筋が凍りつくのを感じた。

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