神の守護騎士
「我々の役目は2つある。」
正式に入団になり、ゾグたちはエテルに説明を受けていた。真新しい制服を着て、背筋もいつもより伸びている。
「まずは自然の保護。そして我々の存在意義でもあるもう1つ……。」
存在意義という言葉に、息を呑む。
「神の器であるルクス様をお守りすることだ。」
「神の……器?」
ゾグたちは首を傾げた。ルクスは聖人だと言う認識だった。他にも、神様の生まれ変わりだと言う人もいるし、神様だと言う人もいる。ただ、聖人と言うにはあまりにも異彩を放っていた。
「ルクス様の中には神が眠っている。その神が目覚めるまでその身をお守りする。それが教会騎士団の役目だ。」
ルクス本人は神ではない。漠然と、神はいるものだと思っていた。もしかしたらルクスが神なのかもしれないとも思っていた。しかし実際、神はルクスの中に眠っている。
精霊によって世界は今保たれている。しかし徐々に均衡が崩れ始め、精霊の力だけではどうにもできない時がくる。そうなる前に神を目覚めさせ、世界を正常にする。だが、いつ目覚めるのかわからないのだ。
「昔は聖人に神を降ろす儀式があった。その名残が年に一度あるお祭りの降臨祭だ。」
「ルクス様に神様が降りたから……儀式がなくなったと?」
ジェニが疑問を投げかける。
「いや、それ以前に体の負担が大きく危険だとなって、儀式自体は大昔にやらなくなったんだ。」
エテルの表情が陰るのを、ゾグは見逃さなかった。そんなに危険な儀式だったのだろうかとゾグは疑問に思ったが、エテルが話題を変えてしまい聞くに聞けなかった。
「次に、君たちの仕事の話だ。」
リオスが待ってましたと言わんばかりに身を乗り出す。
「しばらくは基礎体力作りだが、仕事をしていくうえで二人一組で行動してもらう。」
「二人一組……。」
「基本はその相棒と各地を巡回してもらうことになる。詳しくは先輩に聞くといい。後で部屋に行かせる。部屋の片付けでもしていろ。」
解散!と言うと、エテルは足早に去っていった。
「優しい人だといいですね。」
ジェニはそう言い残し、言いつけ通り部屋に戻るのだった。ゾグとリオスもジェニを見習い、部屋にへ戻っていった。




