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3日と言うのもあっという間だ。再び訓練場へと立つゾグは、あの時とはまた違う緊張感を感じていた。
今回はウベルトの姿は見えないが、エテルの他にゾグの見たことのない人がとなりにいる。ピアスが目立つ青年……ジュリアンだ。
ゾグは以前の試験のようにリオスに頼み、再びエテルに自分の能力をやってみせる。以前よりもはるかに多くの魔力を放出している。まだぎこちなさが残るが、前回よりも自然にできている。
「まぁまぁじゃない?」
「前回よりはマシか……。」
反応がイマイチでゾグは不安になる。
「合格だ。」
「はぇ?」
思わず間抜けな声を出す。
「合格だ。及第点だがな。」
反応から見て不合格だと思っていたが、予想外の展開にゾグは頭がついていかなかった。
リオスとジェニは喜びながらゾグのもとへ走り寄る。
「やったー!」
「やりましたね、ゾグさん!」
盛り上がる3人を、エテルは制する。
「静粛に!正式入団は来週から。それまではゆっくりしておけ。」
「新人は大変だよ〜。」
悪戯に笑うジュリアンに少し不安を覚えつつも、合格をしみじみと感じるゾグだった。
ノール国セヴルでは、国王の葬儀が行われていた。国民が大勢集まり涙する。しかしそれは表向きであり、離れた場所では陰口が聞こえる。教会に運ばれる棺の後ろには、王妃と息子たちが続く。
第一王太子であるハンネスが別れの言葉を語る中、聖堂の隅でルクスはそれを静観していた。ハンネスの視線が一瞬こちらに向いたが、すぐに前を向く。
「父としても王としても、良い国王とは言えませんでした。ですが国を想っていた事は事実であり、常に悩んでいました。……もっとご教示いただきたかった。」
ハンネスは涙ながらに語る。それにつられ、参列している人たちも涙する。
ルクスは最後の別れに祈りを捧げる。神の元へ行けるよう、死者を弔う。
(何故、応えてくれないのですか……。)
ルクスは祈りながら、悲しげな表情で天を仰ぐのだった。




