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町から少し外れたところで、ゾグとリオスとジェニは試験合格のため、特訓をしていた。しかし状況は芳しくないようだ。
「魔法出すのと何か違うのか?」
「うーん……。受け流す感覚に近いかな。でも受け流せてないんだけどね。」
本来なら受けた魔力を体内に取り入れ、それをスムーズに体外に分散させ無効化するか、そのまま魔法として放出するかなのだが、ゾグはそのどちらもスムーズに出来ずにいる。一度止まってゆっくりと分散させることしかできないようだ。
「体内に魔力を溜めすぎると危険……って、何でだ?」
リオスはゾグに聞く。しかしゾグはわからないと言う顔をする。それにジェニが驚いた顔をする。
「魔物になるんですよ。」
「ぁあ!?魔物?」
「極端に溜め込みすぎると、って話です。」
人間、エルフ、獣人、動物、何らかの影響で魔力が溜まりすぎた結果、身体が魔力に耐えきれなくなるため、それに適した姿に変化する。それが魔物と言われる存在だ。エテルはそれを懸念してゾグにこの課題を出したようだ。
「じゃあ下手すりゃ僕も魔物に……?」
「が、頑張ろうぜ!」
脅しという訳ではないが、話を聞いて改めて頑張らなければと思うのだが、ゾグ本人しか感覚を知らないため2人はそれに関してのアドバイスなど出来ない。
「誰かコツを知ってる人いないのかな。」
「エテルさん……に聞くのはカンニングみたいなものですよね。」
誰に師事してもらおうか。そう考えていると、ゾグが小さく呟く。
「ルクス……さん?」
リオスとジェニは顔を見合わせる。
「いやいやいや!」
「あの方にお会いすることすら叶わないのに何を言うんですか!」
恐れ多いことを!と拒否している。そもそも一般人からすれば、ルクスは教会本部の聖人様、神様のような存在で、簡単に会えるはずがないのだ。
「でも優しい人だし教えてくれそう。」
「もしかしてお会いしたことがあるんですか?」
「まぁ……いろいろお世話になって。」
再び顔を見合わせる。
「お前何者!?」
「いや……何者でもないです。」
誇れることではないため、少し恥ずかしそうにしている。しかし考えても他に思いつかない。ゾグたちはダメ元でルクスを訪ねることにした。
「いいですよ。」
ルクスの返事はなんともあっさりとしていた。そんな簡単にOKをしていいのか?と、こちらが聞きたくなる。
しかし、先に用事があり話をしていたウベルトがそれに口出しする。
「駄目ですよ。ただでさえ先日のノール国の件が片付いていないのに……。」
ようやく一段落して国王が崩御したことを公表し、やっと葬儀を行えると知らせが来たところだった。
ゾグに対し少し肩入れしすぎだと、ウベルトは不満を漏らす。ルクスはそうとは思っていないのだが、誰かに肩入れするとその人が教会内の人間に妬まれるのだ。
「アドバイスするだけですから時間は取りませんよ。それに、私の仕事はまだ先なので。」
そう言うとルクスはネロを呼び出し、ゾグたちと共に部屋を出ていくのだった。




