表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の守護騎士  作者: 月岡
2/86

記憶喪失

この世界は神によって創られ、神の眷属である精霊が大地を豊かにした。精霊がいなければ、人間は生きていけない。ゆえに精霊に感謝し、神を敬うことを忘れてはならない――幼い頃から誰もが聞かされてきた話だ。


 とある教会でその話を耳にしている男の表情は、どこか呆けていた。年の頃は二十代ほど。身なりは小汚いが、それは泥や埃に覆われているせいで、服そのものは質の良いものに見える。彼はつい先ほど、この村の近くの森で倒れていたところを村人に発見され、介抱されていた。だが、自分の名前も、なぜ倒れていたのかも、この土地の名すらも覚えていない。いわゆる記憶喪失というやつだった。そして今、教会で世界の常識を一つひとつ教えられている最中である。教会の中には、ちらほらと村人の姿も見える。


「精霊なんて……いるんですか?」


 訝しげに問いかけると、神官は微笑みを浮かべて答えた。


「精霊様は人間にも見える存在ですよ。魔力の塊ですからね」


「人間にも?」


「ええ。人間の中にも、ごく稀に魔力を持って生まれる者がいます。そうした人間には妖精が見え、魔法を使うこともできる。妖精は、簡単に言えば精霊様の子供のような存在ですね」


「へぇ……」


(じゃあ、さっきから目に映っている小さな光は……)


 男の視線の先には、小さな光が漂っていた。


「あなたも見えるのですか?」


 男は神官に問う。


「ええ、もちろん。魔力がなければ神官どころか、教会で務めることもできませんからね」


 ならば、自分にも神官になる資格があるのか――ただふと、そんな考えが過る。もっとも、なりたいわけではない。記憶を失った自分にできるのは、この世界の常識を知り、記憶を取り戻すことだけなのだから。


「僕の周りにいるのは……妖精なんですよね?」


「おや! ということは、あなたは魔力を持っているのですね。素晴らしい。であれば、教会本部にあなたの記録が残っているかもしれません」


 またしても新たな情報がもたらされる。覚えることは多すぎるが、不思議と頭にはすんなり入ってくる。その感覚は、やはり自分もこの世界の人間なのだと実感させた。


「魔力を持つ者は、教会によって管理されることが多いのです」


「……管理? それではまるで奴隷か家畜のようだ」


 口をついて出た言葉に、自ら驚き、慌てて唇を押さえる。


「す、すみません……」


「いいのですよ。ただ、誤解しないでください。むしろ逆なのです」


「逆……?」


「魔力を持つ者は希少です。だからこそ悪人に利用されぬよう、教会が把握しておく必要があるのです」


「本部の方がお見えです」


 その時、教会の入口から声がかかった。神官は早足で向かい、男を手招きして外へ出るよう促した。


はじめまして。初めての小説で至らないところがありますが、生暖かい目で見てください。

すべてファンタジーですので、実際の人物や団体などは関係ありません。

すべて思い付きです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ