表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の守護騎士  作者: 月岡
17/86

2

 とある若い夫婦が、聖堂の長椅子に腰掛け談笑している。奥からアレスと共に、少年が顔を出す。夫婦はそれに気付き迎え入れるが、アレスは少年の背を押し前にやり、自身は後からゆっくりついていく。


「まぁ、アレスも来てくれたのね、嬉しいわ」


 そう言うと女性は少年とアレスを座らせた。夫のフェデリコと妻のサラは、ニコニコとしながら2人を見る。どうやら昔事故に逢い、サラは子供が産めなくなってしまったと言う話だ。

 楽しそうに話をしている少年を見て、アレスはつまらなそうな顔をする。


「あのね、今日はお願いがあって来たの。」


 サラは少年の目を見る。


「ずっと小猫(キティ)のままじゃないだろう?だから今日は、名前をプレゼントしたいんだ。」

「名前……。」


 少年はアレスを見ると、その瞳は輝いていた。


「……僕、行くね。パパが呼んでる。」

「行っちゃうの?」


 残念がる少年に、アレスは不機嫌さを見せずに返す。


「次会うとき教えてよ。」




 ルクスの部屋には、ネロとセーアもいた。何故セーアまでいるのか不思議だったが、どうせ文句でも言いにきたのだろうとアレスは思った。


「今日はもう、あの子に会うのは控えなさい。」

「わかってるよ……。」


 つまらなそうに返事をすると、セーアがため息を付く。


「あんた、ペットを取られたからって不貞腐れないでよ。」

「そんな事思ってない!」

「思ってるわよ。」

「セーアに何がわかるのさ?」


 アレスの問いに、知らなかったの?と言った表情をしてセーアは答える。


「わかるわ。だって、私がそう思ってるんだもの。」


 アレスはムッとした。反論しないのは、心のどこかでそう思っていたのかもしれないからだ。この不快な気持ちが何なのかわからなかった。


「私にはママがいるもん。独り占めしちゃうもんねー。」

「あー!ズルい、僕も独り占めする!」


 しかしその気持ちもすぐになくなった。


(あぁ……本当に気味が悪いガキ共だ。)


 ネロはルクスに抱きついている双子を、蔑んだ目で見つめていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ