VRで遊ぼう
書きたくなったら書くというアホほど不定期スタイルなので期待しないでください
「……ッ!」
爆風とともに地面が捲り上がる。土煙が空を覆う。それを更に魔物のようなナニカが埋め尽くす…そんな地獄のような光景の中に俺一人だけが立っている。
俺は手に持った光り輝く双剣…訂正、カッコつけた。光り輝く亜人型打撃棒を使って、地面の下以外の全ての方向から襲いかかるナニカを撃破する。楽しいよね人で物を殴るのって。
とは言えそんな風にやれるのも限度がある。徐々に攻撃を受ける回数が増えてきて、それで焦って余計に動きが鈍くなって、脳内に響く音を聴いている余裕もなくなり…遂にナニカに群がられて終焉を迎える。
んで、こんな結末になるんだったら断末魔くらいのひとつやふたつ上げたくなるのが人間ってもんだろうってことで最後に叫んでみよう。はいせーのっ
「ぴえん」
■■■
「ぇー…無理くねアレ」
そう言いながらさっきまで頭部に着けてた某一つ目先輩になれそうな物-VRバイザーを外して、ついでにPCを起動してボイチャを繋ぐ。テロンッという音と同時に聞こえてきた声で、フレンドが育成ゲーをやってるのが分かる。
『確率8%って嘘だろ実質100%じゃねぇか畜生!さっきからずっとミスってんだけどォ!?』
『運なさすぎて草ァ!お、レーファだ。どうだったアレ』
「どもども。いや無理だわあんなん、脳と目と腕増やさないと捌ききれる気がしないが?」
『うっわリーチしやがった!人のやる事かよそれが!』
『ドベの親なんて流すに決まってんだよなぁ!地面の味這いつくばってペロペロしてなァ!!』
『つまり脳に瞳を得て阿修羅になればいけるってことだな!簡単簡単!』
しれっと頭おかしいこと言われた。だったら阿修羅だけで良いし啓蒙得る必要なくね?
『てーか崩壊のセイヴィアーだったら感覚器官増やすくらい出来るじゃん?俺やれるし』
「お前今しれっと言ったけど、普通の人間が感覚器官増やしたらもげると思うんだ。違和感パないだろ」
『やr…諦めんなよお前!どうして諦めるんだよそこで!もう少し頑張ってみろよ!ダメダメダメ諦めたら!』
「しじみ漁師の名言暗記してるの面白すぎだろ。ってか鯖はd」
『あァ↑ーッ下振れてるのに退路塞ぐのやめてこんなとこで運使いたくないのぉ!』
凄いタイミングで鯖…もとい鯖銀の慟哭が聴こえてきた。多分何かしらのイベントが発生した結果逃げられなくなったんだろうけどそんな事は知ったこっちゃない。ざまぁ!
と、人の不幸を蜜にしてたら今度は別の叫び声が聴こえてきた。しかも女の声で二人分。
『ンオォォォォォッ逝くッ逝くッ!!ロンされて命が飛んじゃいますわ^~!ァ?ハッ!バカめ騙されたなテメェは俺の下だァ!!!』
『へぇっ!?親の癖してダマテンしてんじゃねえよオォイ!待って三暗刻混一色小三元ドラ…5?5!!?ホアァァそれロン!サンバイマンしてんじゃねぇよタマァ!!』
『おうおうおうあーさんまだ飛んでないねぇ!まだ搾り取れるねェ!!』
『やめろォ!』
どうやら麻雀をやってるっぽい、というかこの2人が麻雀以外やってるのを見た事がない。俺もやってはいたが、コレに限って乱数の神に死ぬ程嫌われるので諦めた。リーチかけてもダマテンしてもあがれないってどういう事だよ。
「タマキと紅音って今どうなってるん?」
『んぁ?おぉレーファ、今私があーさんから32000点貰ったとこ。点数は…おーやおやおやあーさァん、リーチ棒すら置けないじゃないですかどうしたんですかぁ!?あ、リーチ』
『なんだァ、テメェ……てか早ぇよリーチが!クソッ、レーファさんこいつの止め方分からんですか!?次負けたら奢らなきゃなんすよ!』
「いや、分かるわけないやん…」
と、懇願してきた方…紅音氏からDMが届いた。タマの盤面ゴースティングしてくれませんか?との事だ。こういう時は…5の索子出せば良いよっと。
『…ウワーモウトビタクナイナー』
『…』
あ、タマキ氏からもDM来た。内容は―――
『え、固まった?いや他の人がポンしようか悩『それ』うわァァ騙したなレーファさぁぁん!!!』
―――サムズアップアイコン単体、つまりはそういう事だ。にしても満面の笑みでロンしてそうな声だった。いい仕事した気分だなぁ!
『レーファやってんねぇ!』
「ナノコトカワカラナイナー」
『育成終えて聴いてたらクソ面白いことになってんだけど何これ』
『面白がってんじゃねぇよ鯖ァ!つかなんで騙したんすかレーファさん?!』
紅音氏にキレながらそう聞かれたので、その時に思ったことを即答した。
「え、面白そうだから」
『外道すぎて草』
『ラスティ以上に色々な意味で外道なやついないでしょ』
「それはそう」
『お?喧嘩か?ヌードルファイトなら喜んでやるぞ?鯖が』
『俺かよ!?てかあのクソゲーに関しちゃお前以外誰も動くことすら出来ねぇじゃねえか!』
鯖とラスティが擦り付け合いをしてるヌードルファイトだが、一応はVR空間でやる格ゲーの部類に入る。
自分のアバターを動かして戦う、という点では他の格ゲーとそう変わらない。…だが、社員全員が熱帯雨林に放置されたインスタント麺でも食ったのか、アバターが何かしらの麺で構成されたバケモンしか存在しない。
しかも中華麺だけでも縮れの有無や太さ、水分量、寝かせる時間とカスタマイズ性が無駄に高い上に蕎麦、パスタ、フォーなどの世界各国の麺類まで選べる充実っぷりだ。需要が見当たらん。そして極めつけは…
『いうて他と違うとこって麺が伸びた時どれくらい判定増えるかとか、それくらいやん?』
『そもそも人が骨もクソもないただの麺で戦うって時点でイカれてるんだよなぁ…』
そう、アバターがマジで麺なのだ。なんなら操縦レバー的なものも無いため動き方も何もかも思考で行う羽目になる。他の動物の動かし方も分からない人間が麺になってどう戦えというのか。
ただし何故かラスティは完璧に肉体を操ることが可能である。おそらく前世が麺だったのだろう。
『てかこれに関してはラスティとレーファもしくはタマキ以外に対戦する対象いなくね?同意したのと提案したのこの2人だし』
『うーん、それもそう…かな。よし、じゃあ間をとってレーファとタマキにやってもらおうぜ!』
「『なんで????』」
―――こうして、俺とタマキによる不毛な戦いが始まった…
崩壊のセイヴィアー
・全方位から魔物っぽい見た目のノーツが襲いかかってくるからそれをタイミングよく斬り飛ばしたり殴殺するゲーム。一応触覚と視覚(ついでに脳)を増やせるけど慣れるまでが地獄。というか触覚いる?
・難易度が低いと草原からでてくる角ウサギやオオカミを倒す若干ほのぼのしたゲームになる。レーファは試しに最高難易度をやって死んだ
ヌードルファイト (所謂クソゲー)
・人類が死滅した後、立ち上がったのは麺類だった!さあ戦え!そして思い出せ!己が何の為に麺として生を受けたのかを!!(公式紹介)
・水分量が戦闘可能時間、寝かせた時間が耐久性、太さは攻撃力、縮れの有無は当たり判定拡大に繋がったり繋がらなかったりする。なお隠しステータスで水分量は麺の伸縮性に関わる。なんで?
・比較的細めの麺だと速攻一撃必殺型、太めだと粘り勝ちするタンク型になりやすい。なお例外として蝶のように舞い敵の近くで爆散するフェットチーネ、穴からソースを弾丸に見立てたレールガンを撃ち出すペンネなどが存在する。パスタ強くね?
麻雀
・普通のネット麻雀
育成ゲー
・普通の(ry