スライム
「そんな…嘘だろ、精神力はNPCにオススメされたのに…」
「NPCよりも攻略サイトのオススメ見た方が圧倒的にいいよな」
マジかよ、最悪だ。攻略サイトとは無縁だったから気づかなかった。
2人も呆れが1周まわってむしろ冷静になってるし。
「とりあえず、敵と戦ってみたらいいんじゃないか?いかに弱いか分かるぞ」
「…そうだよな、百聞は一見にしかずっていうしな。よし、とりあえず行ってくるぜ!」
そうして俺はモンスターを探しに走っていった。
◇
「モンスター発見!」
数分後、俺は青い粘液のモンスターを見つけた。
うん、スライムだな。どうみてもスライムだな。てかスライムって表示されてるし当たり前か。
よし、あいつをぶっ飛ばす!
「スライム!これでも喰らえ!」
そう言って俺はパンチを繰り出す。
しかし、スライムは液体なので打撃にはかなり耐性を持っており、全然効いていなかった。むしろ、攻撃した日々軌の方がダメージを負っていた。
「いってぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええ!!?」
これはスライムが持っているスキル『酸性ボディ』が発動したからだ。物理で攻撃された時のみ発動するこのスキルは相手により本来受けるダメージをそのまま相手に与えるというカウンタースキルだ。しかし、このスキルは物理で攻撃された時限定なのでよっぽど物好きかバカが相手ではないと発動しないのだが後者に当てはまるものが来てしまったためついに発動してしまった。もちろん、【魔術師】のゲームなのでほかの人は誰1人このことを知らない。
クソ!まさか、俺の攻撃が効かないなんてな。それに俺がダメージ受けるってどういうことだよ!最初からこんな強いやつおくなよな!
本当は魔術の使い方を知らない日々軌とスライムの相性が悪いのと最弱魔術師である【鉄の魔術師】が原因なのだが葵と颯太を置いてきたのでこの事実に気づかなかった。
画面左上にあるHPゲージを見ると体力がさっきの一撃でもう半分をきっていた。
どうする、殴ってダメなら蹴るか?
うん、それがいいな!それならワンチャンあるかもしれないな!
日々軌は見当違いな考えをしながら
またスライムへと攻撃しに行った。
「行くぜ!俺の全力キック!」
しかし、日々軌の攻撃は虚しくもスライムの液体によりかなり受け流されてしまう。
それに攻撃したことによりスキル『酸性ボディ』が発動し、全力キックと同じダメージが日々軌に与えられる。
「またこれかよぉぉぉぉぉぉおおお!!?」
そして、『酸性ボディ』によるダメージにより、力尽きてしまった。
最後に見たのはスライムが俺のあまりのヘボさに増長してアッカンベーと挑発しているところだった。
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