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プロローグ

『アルティメット・ヘルト・オンライン MMO初心者がAGI極振りからの不遇スキル【武装】を極めて最強の【英雄】を目指す!!』も連載していますのでそちらもよろしくお願いします。

それは夏休みが始まってすぐのこと。


「――おーい日々軌 、起きろー、朝だぞー!」


「…んあ?」


休日にも関わらず俺は親友である美少年?の葵に起こされていた。


「お、やっと起きたな、この寝坊助め。今日はついに『アルマジオン』のサービス開始日だぞ」


アルマジオン…たしか最近話題になっているVRMMO『アルティメット・マジシャンズ・オンライン』の通称だったな。まあゲームをやらない俺には関係ない話だな。


「そうか、ならおやすみ」


「はぁー、寝ようとするなよ、まったく。…左から2番目の本棚の漫画の裏に隠されてある薄い本『けもみみ貧乳娘とイチャコラエッチ』っていうやつ妹の凛ちゃんにバラすぞ?」


何!?俺の秘蔵の薄い本の存在がバレてる!?


「ちょっ!?葵、何で知ってるんだよ!」


「弟の颯太くんが教えてくれた」


クソ!颯太め、兄のためにここまでするなんてお兄ちゃん嬉しいぞ!いや、それよりも凛にバレるのはまずい。俺の秘蔵の薄い本が全滅してしまう。


「そ、れ、で、話を聞く気になったか?それとも1番目の本棚の教科書の間にカモフラージュさせてある『男勝りなけもみみ娘のギャップエロ』も追加した方がいいか?」


「はい、聞きます!」


すると葵が近くに置いてある紙袋から箱を出し、中から球状の水晶を取り出し渡してきた。


「実はな、βテストの時に『アルマジオン』専用ゲーム機『ダイブクリスタル』を4台貰らったんだよ。だから、日頃お世話になってる日々軌と凛ちゃん、颯太くんに渡そうと思ったんだけどダメだったか?」


そういえば、一時期ゲームにハマっている時があったな。たぶん、その時やっていたゲームがこれなのだろう。

それにしても『ダイブクリスタル』って数十万円もするゲーム機だぞ。俺達にくれて大丈夫なのか?


「ほんとにいいのか?こんな高額なもの」


「いいんだよ、日頃お世話になってるんだから。それに…」


「それに?」


「日々軌がゲームを始めてくれるきっかけになるだろ」


ここまで言われたらやらないわけにはいかないよな。


「そうか…ありがとな、葵!」


「おう、どういたしまして!最後の一人の日々軌にも渡し終えたことだしさっさと朝食食べてゲームしようぜ」


「最後の一人って凛と颯太にはもう渡してたのかよ」


「寝坊助の日々軌は最後に決まってるだろ。ほら、さっさといくぞ」


そう言って俺たちは朝食を食べるためにリビングへと向かった。



リビングに着くと先程料理を作り終えたのかエプロンを畳んでいる清楚系美少女妹の凛と皿をテーブルに配膳しているクール系イケメンな弟の颯太がいた。

凛は俺を見つけると嬉しそうな顔をして近づいてくる。


「兄さん、おはようございます」


「おはよう、凛」


「兄さん、実は葵姉さんからゲーム機もらったんです!!」


「そうか、良かったな。葵には感謝しないとな」


「はい、葵姉さんには感謝感謝です!!」


「俺も日頃からお世話になってるんだから気にしなくていいのに」


「葵姉はもうちょっと欲張った方がいいんじゃないか?あと日々兄、おはよう」


配膳を終えたのか颯太もこちらへとやってきた。

それにしても凛と颯太は何で葵のこと姉と読んでいるんだろうな。男なのに…。まあ姉みたいに面倒みが良く頼りがいがあるからかもしれないな。


「おはよう、颯太、確かにそうだよな。

葵は何か欲しいものとかないのか?」


「欲しいものとかは特にないんだけどな。

強いて言うなら…」


そう言うとチラチラと俺の方を見てくる。

俺の顔に何か付いてんのか。

顔を擦って取ろうとすると凛と颯太に呆れられた。


「葵姉、日々兄にそういうのは通じないから諦めた方がいいよ」


「そうですよ、葵姉さん、行くならもっと直球の方がいいですよ」


「ッ〜〜っ/////…そうだよな、直球の方がわかりやすいよな。……日々軌、週末俺とデートしてくれないか?」


りんごのような真っ赤な顔で葵はそう言った。

葵とデートかー、もしやそういうことなのか。


「いいぞ、葵にもついに春が来たんだな!」


「いいのか!?ほんとに!?」


「ああ、いいぞ、だって葵が女子とデートする時の下見のためだろ。俺に任せとけって」


親友の狙いなんか俺にはお見通しに決まってるだろ。まさか葵に好きな人ができるなんてな。全力で応援しないとな。


「日々兄、それはないな」


「兄さん、最低です」


「え!?」


「…死ね///// バカ日々軌!!」


「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええ!?」


こうして険悪なムードで朝食を食べたのは言うまでもないだろう。





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