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プロローグ
流れ落ちる艶やかな白髪は風に流れ、
淡く月光に輝き。
ほっそりと儚げな肢体を包むのは、
闇を宿した皮鎧。
深い藍色のマントを羽織ったその人は、
物憂げにため息を吐く。
「 ーーーーー 」
なにかを呟き、その人は消える。
あとに残された双子の月が、
ただ黙って夜を照らす。
真っ青になりながら。
私は月を見上げ独りごちる。
ただの独り言なのだが、わざと奴等に聴こえるようにはっきり唇を動かす。
どうせみてるんだろう?
ひとつ大きなため息を吐き、月に向かって・・・
「月は2つもいらないか」
はじめまして。
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